2017年01月05日

オーストラリアの成績のつけ方 日本人の常識とは違うこと

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

オーストラリアの高校を選ぶ場合、入試はありません。進学校であっても入試はありません。基本的に先着順です。

これは、日本人の常識では理解できないことかもしれません。わかりやすく言えば、灘も筑駒も開成も無試験で入学できるという感じです。公立では、一部で試験を行ったり、居住区を限定したりして対策を立てていますが、私立の学校では基本的に入学試験はありません。(身分的なものや、親の面接などを課す学校もありますが、少数です。)この対策もあくまでも中国系の生徒への対策であって、オーストラリア人に対しての対策ではないということです。

進学校に入学できたが、中国人だらけだった。とか、入学後になぜオーストラリアには塾がないのか、なぜオーストラリアには入試がないのかを理解してからでは遅すぎることになってしまうことになります。

ですので、オーストラリアに高校留学を考える場合は、まず、オーストラリアの入試制度をしっかりと把握することがとても大切になります。

オーストラリアの成績表はこのような感じです。

school report


どの学校もABCD評価で、Aが良くて、Dを取ると先生に呼ばれます。Eもありますが、Eの場合は特殊な成績で日本の1とは少し違うような感じです。

で、人数分布ですが、

school report2


日本と違うのは、成績が絶対評価ではあるのですが、到達度評価になっている点です。日本の場合は、成績が学校の中で絶対評価のイメージがあり、どんな学校でも5段階で5を取る生徒は必ずいますが、オーストラリアの場合は、学校によっては、全員が成績がABの評価のみでCDがいない学校もあれば、Bだけがほとんどいない場合もあったりして、学校の基準で成績をつけるのではなく、オーストラリアの生徒、州の中での評価として成績をつける点です。

到達度評価になるため、日本人留学生が日本語を選択すると、全員がAになってしまいます。つまり、日本語の授業で理解できる基準が当然日本語を話せるわけですから、すべて基準に達しており、自動的にAになるわけです。

またほとんどの学校が、成績の分布を生徒や親に公表しています。日本ではテストの順位が出ることはあっても成績の順位は出ないのが普通です。私立では、教科ごとの学年順位がテストではなく、成績で出るのも普通です。

オーストラリアでは難しい問題を出すことがあまりなく、授業内容が理解しているか、そうでないかが重要であり、また、それぞれの生徒がどのような視点で理解しているかを把握するために、レポート提出が多くあり、暗記でテストで得点を取るよりも、文章でしっかりと自分の考えを主張できる方が大切になってきます。

オーストラリアだけでなく、アメリカでも学校での成績は合否の大事な判断材料になりますし、日本でも国立大学の帰国生入試は学校での成績をしっかりとチェックされると聞きます。

日本では、テストの得点さえ取れれば、成績などはどうでもいいと考えるのが当たり前になってきて、一般入試では現実的には学校の成績は一切評価の対象にはならないこともこのような考えを押し出していることになっているような気がします。

ただ、日本の帰国生入試の結果などを見ても、学校の成績を取れている生徒が高いレベルの大学に合格していることは事実です。それは、小論文などでしっかりと物事を分析できる力がオーストラリアの授業を通して伸ばしていることが結果に結びついているからだと思います。

とにかく日本の塾は、親を必要以上に煽り、まるで塾に行かないと帰国生入試は合格できないと言っているかのように感じますが、現実的に国立のトップの大学に合格している生徒で、わざわざ日本の塾に行った生徒は今まで一人もいません。オーストラリアに留学した生徒で高い成績を取っている生徒は、親が入試のことで子供に全く口を挟まないために生徒が独自で大学を選定して対策を立てるために、当たり前ですが、塾が必要という結論にはどう考えてもならないわけで、私も同様の意見です。

学校選択に関しても、ランキングを気にするよりも、英語のサポートや生徒がしっかりとわからないことを質問できる環境を探す方が大切だと思います。結局誰でも入学できる進学校には価値が見いだせないわけで、中国人が成績を釣り上げている現状であれば、それを理解することも大切な準備だと思います。

jatcentre at 15:34│Comments(0)TrackBack(0) オーストラリア高校留学関連 | 100校の学校に生徒を送った経験から

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