BUD POWELL :Piano
PAUL CHAMBERS :Bass
ART TAYLOR :Drums
1958年録音
TVCMや、番組テーマ曲に使われたこともある、日本で大変人気の高い曲「クレオパトラの夢」があまりにも有名なアルバムです。
ジャズ喫茶の全盛期には、このアルバムのリクエストされない日は無かった、と言うほどの人気盤です。
全曲彼のオリジナルです。
一家でヨーロッパへ移住する直前に録音されたもので、ジャケ写の右側に小さく映るのは、当時3歳の息子ジョンです。
曲も、「クレオパトラの夢」「ダンスランド」「ザ・シーン・チェンジス」etc.
ということから、どうやらバド・パウエルは、「ヨーロッパへ家族旅行」に行く感覚で、「わくわくしていた」のではないかと思われます。
そう思って聴くと、エキゾチックで、哀愁味あふれる、と評されるこの作品も、印象が変わってきますね。
麻薬と精神異常で入退院を繰り返し、その作品の出来にもムラがあり、これは晩年の傑作と言われてますが、まだ34歳です。
20歳頃から、本格的にジャズピアニストとして活動し、41歳で亡くなっています。
このアルバムが晩年と言われる所以は、やはり、バド・パウエルのテクニックの低下でしょう。
ユニゾンの左右の合わなさ加減などは、病のせいか、ちゃんと弾けないから、芸術性の高いテイクが採用されたとしか思えません。
しかし、曲の終わり方の工夫の無さなどは、もう少し考えられなかったのか、と思います。
そのせいかどうか、本人は好きなように楽しんで弾いているようにも聴こえます。
ほとんどの曲で、うなりながらというか、歌いながら弾いていますが、メロディに合わせて、ごく自然です。
それを雑音と思うかどうか、意見の分かれるところかもしれませんが。