2011年03月22日

Esoteric X-01D2 CD/SACD Player

Esoteric X-01D21月にラスベガスのT.H.E. Showで展示したシステムのほとんどが自宅に来ることになった経緯については3月8日の記事で書いた。今回はその第2弾として、エソテリックのCD/SACDプレーヤー、X-01D2について書いてみたい。

x01d2_top_photoといっても、2006年に発売され今年1月に生産終了になった古いモデルなので、日本の読者には特に紹介はいらないかもしれない。エソテリックが世界に誇るVRDS-NEOメカニズムを搭載し、SACDマルチチャンネルにも一応は対応しつつも、基本的に2ch再生に力を入れた本格的プレーヤーである。

僕が米国での販売に関与しているオーディオ・メーカーのコンサート・フィデリティでは、過去数年のオーディオショウへの出展に当たり、このX-01D2をトランスポートとして活用していた。コンサート・フィデリティ(以下「CF」)のD/Aコンバーター、DAC040はジッタの排除能力が高くないので、音質はトランスポートの性能に大きく左右される。設計者である津田さんの経験上、DAC040と組み合わせて好結果が得られるのはマーク・レビンソンかエソテリックということで、X-01を使ってきた。

僕自身も過去2年間の様々なショウでX-01とCFのDAC040との組み合わせを聴いてきたが、これがいわゆるレッドブックCDの再生か、と耳を疑うほど品位の高い再生なのだ。CFのDAC040は純粋な16ビット/44.1kHzのDACで、アップサンプリングやオーバーサンプリングといった流行の手法を使わないのだが、情報量・解像度は驚くほど高く、同時に高い音楽性を実現している。

完全にオーバービルドと思われるほど筐体ががっちりと重厚に作られており、持ち上げるのに苦労するほど重い。また驚くほど厳重に梱包されており、3重の箱に入っているので外箱は「でっかいモノブロック・アンプでも入っているのか?」と思うのど大きい。これなら輸送中どんなに手荒い扱いを受けても絶対に大丈夫だろうという安心感があり、日本の一流メーカーのこだわりがこんなところにも見てとれる。

さて、このX-01D2は昨年10月のロッキー・マウンテン・オーディオ・フェスト(RMAF)と、今年1月のラスベガスのショウでエソテリック社から貸していただいて展示したものだが、ラスベガスから帰ってきて返却するまでの数日間、自宅のシステムに組み込んで聴いてみようと思ったのが運の尽き。すっかり惚れ込み、デモ機を個人的に購入してしまったのである!

自分のシステムで他の機器と比較してみると、コンポーネントの実力がハッキリと浮かび上がってくる。僕の比較対象は、ソニーのCD/SACD/DVDプレーヤーNS9100ESをModWrightが改造し、管球式の出力段とそのための別筐体電源(これも管球式)をつけたSony/Modwright 9100ESである(詳しくはこちら)。改造込みで3500ドルと比較的手頃な価格ながら、B先輩の比較評価で1万ドル超のプレーヤーをも凌駕したハイ・パフォーマーなのだが、さすがに米国定価で2万ドル近いX-01D2にはかなわなかった(当然?)。

まず、トランスポートとしての性能を比較してみると、これは明らかにエソテリックの勝ち。音のソリッド感や低域と高域の伸びが全然違う。さすがVRDSメカ。ジッタなどの点で、デジタル出力の質が違うのだろう。

次に試したのは、SACDプレーヤーとしての性能。これもSony/Modwrightと比べると、音の余韻が長くきれいに伸び、楽器や歌手などの周りの<空間>をしっかり感じさせてくれる。つまるところ微細音の再生に優れているのだろう。録音が優秀なノルウェーの2Lがリリースした合唱のSACDなどを聴くと鳥肌が立つほどのリアルさだ。

最後にCDプレーヤーとしての性能だが、X-01D2にはマルチビットDAC、1ビットDAC、DSDアップサンプリングDACという3種類のDACが搭載されている。どれでも好きなものを選べるのだが、この評価は結構難しい。僕の友人でも、B先輩はソリッドな感じがする1ビットDACがいいと言い、SACDが好きなAさんはアナログライクなDSD-DACがいいと言う。再生するソフトによって印象も変わってくるようで、僕自身は結論を出しかねている。いずれにせよ、Sony/Modwrightよりは解像度が高く端正な音を聴かせてくれるが、何となくおもしろみのない、どちらかというと生気に欠けた音である。

CDの再生に限っていえば、X-01をトランスポートとして使い、CFのDAC040と組み合わせた方が低域にぐっと力が入り、音像に3次元的な前後のメリハリが出て、血の通った有機的な再生になるので、圧倒的に僕の好みである。

ただ、X-01には本格的な3点支持の独自の焼入鋼ピンポイントフットがついているが、これを迂回してMarigo Mystery Feetで支えてやると、CD再生の音質が大きく向上し、僕の好みの方向にかなり近づいた。ただ、それでもやはりDAC040を介した音には及ばないので、CDは当分この組み合わせで聴いていくことになりそうだ。

ちなみに、このMarigo Mystery Feetは素晴らしいフッターだ。B先輩が「発見」して以来周囲のオーディオファイルが何人も導入しているが、ほぼ例外なく良い結果が得られている。全体的に音がパワフルになり、中域の見通しが良くなり、ノイズフロアが下がるというのが一般的な印象。僕は現在、X-01、DAC040とパワーアンプ(McIntosh MC275)の下に、3セットを使っている。

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この記事へのコメント

1. Posted by NIKI   2011年03月24日 10:29
エソテリックのVRDS搭載プレーヤーの印象としては、音が硬いイメージがあります。また、純正の足はよく出来ているのですが、下に敷くボードに相当影響されるみたいです。

エソテリックとDEQXとの相性があまり良くないので、マランツを使っていますけどね(笑)。SA11S1の足はエソテリックの焼入鋼ピンポイントフットです。
2. Posted by jazzaudiofan   2011年03月24日 11:05
僕も一般的にエソテリックのプレーヤーは音が硬く、端正だが面白味に欠けると思っていました。X-02D2もDACを含めた通常CDの再生はその傾向が感じられます。ただ、コンサート・フィデリティのDAC080と組み合わせた際のトランスポートとしての実力は素晴らしく、SACDプレーヤーとしても非常に優秀だと思います。

純正の焼入鋼ピンポイントフットは良くできていますか。うちでは普通の棚の上に置いているので結果が出なかったのかもしれません。ショウではStillpointの最高級ラックを使って良い結果が得られています。
3. Posted by NIKI   2011年03月24日 23:15
マランツSA11S1の足があまりにも貧弱なので、エソテリックの足に交換した次第です。エソテリックの足に交換したら、エソテリックみたいな音になりました。

エソテリックは、中を分解するとよく判るのですが、VRDSなどの駆動系をリジッドな方向で固めています。よってインシュレーターやボードの影響を受けやすいように感じます。

ただ・・・
ライターの田中イサシさんのところでは、エソテリックとDEQXのコンビで良い感じでした。友人のN木さんところでは、不安定すぎて・・・なので、マランツになったのですが。

私は、SA11S1で充分です。今のところはCDPを買い替えする予定はないですね。

コンサート・フィデリティーのDAC080は聴いてみたいですね。
4. Posted by jazzaudiofan   2011年03月28日 12:31
なるほど…。
コンサート・フィデリティーのDAC040は、試聴機の提供が可能かどうかきいてみますね。
5. Posted by 杉ちゃん   2011年04月03日 12:36
jazzaudiofan さん
今流行のネット音楽、PCオーディオが読み取りの精度の完璧性で、回転体による音楽再生より音が良いとのことです。
「或るオーディオファンはCDを一旦リッピングした音楽データーを再生する方が音が良いらしい」
しかし、エソのX−01D2やCHのPrecisionを聴くと、やはりデスク再生のほうが良いなあぁ〜と感じます
特に、自然消滅かと思われていたSACDの音が「こんなに素晴らしい録音方式だったんだ」と感じられますねぇ。
問題は高額プライスだけです。
6. Posted by jazzaudiofan   2011年04月04日 12:22
杉ちゃんさん、コメントありがとうございます。

僕は時代の流れに逆らうように、むしろアナログにのめりこんでいますが、PCオーディオには僕はかなり懐疑的です。トランスポート+DACの組み合わせでもデジタルケーブルや電源ケーブルで音がガラガラ変わることを考えれば、PCオーディオはケーブルはもちろんのこと、電源、サウンドカード、ディスクローダー、ハードディスク、OS、ソフトウェアでガラガラ音が変わるでしょう。触るところがうじゃうじゃあるわけで、底なしの泥沼でしょうから、僕は足を踏み入れたくありません(笑)。

同じ理由で、インターネット経由のダウンロードにも懐疑的です。あるプロの方にきいた話ですが、マスタリング・スタジオであるPCから違うPCにデジタル・マスターをコピーする場合、その時に使う接続ケーブルで音がガラガラ変わるそうです。PCからPCに直接コピーする場合でさえそうなのですから、インターネットを経由してダウンロードしたデータから、オリジナルと同じ音質を期待できるとはとても思えないのです。非科学的な野蛮人のように思われるかもしれませんが(笑)、「ビットはビット」という主張は経験的に完全に否定されてますので。

なので、PCオーディオよりも、まずディスク回転系でしっかりした音を実現させたいと思っています。
7. Posted by 杉ちゃん   2011年04月04日 22:56
jazzaudiofanさん、
PCオーディオにしろウェーブオーディオにしろデータを取り込む時の正確さ、つまりPCは繰り返し音楽信号なぞり(ベリファイ)完璧に読み取るので、CDPの補間による誤り補正より音が良い・・・と言うのが理由らしい。
ところが、jazzaudiofan さんの書かれている通りガラガラ音が変わる(笑)
何故なのでしょう?
私の見解は、音楽データーは文字・数字写真、絵画と違い時間と共に消えてしまうものだからと考えます。ですから、元の信号(音楽データ)の読み取りの完璧性を重要視する余り時間軸(タイムドメイン)がお留守になる。だって、読み込みミスすれば立ち止まって何度もなぞるのでしょう、そこで、連続していた時間軸がプッツン!切れてしまうのではないでしょうか?(音がガラガラ変化する)
その点アナログ(LP等)は時間軸の変化が少ない、信号の欠落は「プッチ」で
お終いですから遥かに音楽性があると思います。
それと、PCオーディオ崇拝者が嫌うエラー補正(補間処理)技術ですが、欠落信号を他から持ってきて穴埋めするように思ってられるようですが、データーの分散配置によるエラー回避技術であり、欠落した信号を作り出すものではありません。私個人的には、27年前に発明されたクロス・インターリーブ・ソロモン・コード補正はデジタルオーディオにおける画期的な補正技術だと思っております。(長文にて失礼)
8. Posted by jazzaudiofan   2011年04月05日 19:28
CDに傷がついても補完できる(しかもデータをでっち上げるのではなく)手法はおっしゃるとおり画期的かつありがたい技術ですね。

僕は典型的な文科系の人間で、デジタル技術は雑誌記事を読んだり、いわゆる「専門家」の意見を小耳に挟む程度では把握しきれません。ですが、デジタルでも些細なことで音がガラガラ変わるのは、おっしゃるとおり時間軸の問題(ジッタ)が鍵になっているようですね。

それでも、読み取ったメモリにいったんバッファしてクロックし直せば、元のデータさえ同じ(ビット・パーフェクトなコピー)なら同じ音がしそうなものですが、ハードディスクの種類やPCの電源で変わってくるというのは「?」です。

CDが出た当初は「ジッタ」という時間軸のエラーは概念そのものがなかったそうですから、まだ計測できない未知のエラーが潜んでいるのかもしれませんね。
9. Posted by COEREENON   2013年11月23日 12:20
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