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2011年10月02日

Denon DL-103 MCカートリッジ

DenonDL103デノンのロングセラーMCカートリッジ、DL-103を日本から取り寄せてみた。FM放送局用にNHKと共同開発したのが1965年、一般向け製品としての発売が1970年という超ロングセラーで、「業界標準」としてプロにも家庭用にも定着した人気機種だ。

普段Shelter 501を使っている僕がなぜDL-103を買ったかというと、信頼・尊敬する2人のオーディオの先輩(日本人)から勧められたからだ。2人の意見を集約すると、
  • 日本製のハイエンド・カートリッジは同じ工場でOEMベースで製作されており、製作技術に違いはなく、ものすごく高価なカートリッジを買うのは意味がない。
  • DL-103が安いのは大会社のデノンが大量に生産しているからで、コストパフォーマンスが非常に高い。
  • デノンの技術陣が1960年代にNHKと共同で開発したメカニズムは現在でも有効。
ということになる。

これに対し、アメリカのハイエンド・オーディオの先端を行く別の先輩(アメリカ人)は、
  • 現代のオーディオは60年代と比べて著しく進歩していて、カートリッジも例外ではない
  • 現代の水準で見れば、DL-103の音はローファイ
  • 現代のハイエンド・カートリッジでは、一般的に高い方が音が良く、いい音を得ようと思ったらそれなりの出費をしなければいけない
という意見で、DL-103の購入には反対だった。

さて、実際に購入してみて、どちらが正しかったのか?
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2011年05月10日

Kind of Blue LP3枚聴き比べ

B0041TM5OUKind of Blue [12 inch Analog]
Miles Davis
Sony 2011-04-12

by G-Tools
この間、B先輩宅でMiles Davisの大名盤“Kind of Blue”のLP3種類を聴き比べる機会があった。このアルバムはありとあらゆるフォーマットで何度も復刻されているが、最近、大手コロンビア/ソニーが180gの重量盤LPとして再発したので(2011年4月12日発売)、それをB先輩が持っている他の2種類のLPと比べてみよう、という趣旨である。

他の2種類とは、B先輩が百数十ドル出して購入した状態の極めて良好なオリジナル盤と、オーディオファイルの間ではリファレンスとされている、Classic Recordsの200g盤である。ちなみにClassic Recordsは去年破産してAcoustic Soundsに買収され、全タイトルが廃盤となった。この200g盤“Kind of Blue”も当然廃盤となり、今は中古市場で高く取引されている。

最近特にアナログもデジタルも奇跡的なレベルに達しているB先輩のシステムをおさらいしておくと、カートリッジはLondon Reference、トーンアームはHelius Omega、ターンテーブルはEAR Disc Master、フォノステージはEAR 324、ラインステージはEAR 912、パワーアンプはEAR 890(モノ接続x2台)、スピーカーはMarten Bird。ケーブルはJorma Origoが主で、所々にKubala-Sosna Elationが使われている。
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2010年10月05日

Fozgometer

P1000959Fozgometer(フォズゴメーター)は、最近アナログレコード愛好家の間で話題の製品で、アジムスの調整に使う測定器だ。Dolby Pro Logic IIというサラウンド・デコーディング技術を発明したことで知られるジム・フォスゲート氏が考案したもので、詳しくは分からないがサラウンド・プロセッサーに使われる技術を応用しているとのこと。

AzimuthNewレコード再生におけるアジムス(azimuth)というのは、カートリッジを正面から見たときにスタイラスが盤面(溝)に対してどのような角度で入っているかを示す(右図参照)。もちろん垂直にするのが好ましい。これが左右どちらかに傾いていると、左右の音量バランスが崩れ、歪みが生じ、スタイラスの磨り減り方にも悪影響を与える。

これまでは目視で垂直になるように調整するのでなければ、結構大掛かりなテスト機器が必要とされていた。そこでこのフォズゴメーターが登場したわけだ。価格は250ドル。1kHzのサイン波が方チャンネルずつ録音されたテスト信号が入っているテストレコードと組み合わせて使う。これを友人から借りることができたので、早速うちで試してみた。
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2010年09月08日

Itzhak Perlman & Andre Previn / A Different Kind of Blues3

Itzhak Perlman Andre Previn A Different Kind of Bluesレコードショウの安売りコーナーで見かけ、思わず「何これ?」とつぶやいた1枚。クラシックの指揮者になる前にジャズピアニストとして活躍していたアンドレ・プレヴィンが僕は大好きなのだが、僕ですら名前を知っている有名なクラシックのヴァイオリニスト、イツァーク・パールマンと一緒にジャズのアルバムを作っていたとは知らなかった。Angel Recordsというクラシックのレーベルから出ていたからかも。

1980年録音。プレヴィンがジャズの世界を離れて20年ほど経った時点のジャズ復帰作で、一方のパールマンはそれまでジャズを演奏したことは一度もなかったらしい。実際、パールマンのソロ(全部プレヴィンが「書いた」という説もある)はそれなりにジャズらしさが出ているものの、やはり大したことはない。

それでも結構楽しめるのは、プレヴィンの作曲(全曲書下ろし)と豪華な共演陣のおかげである。プレヴィンにレッド・ミッチェルにシェリー・マンといえば、1950年代、コンテンポラリー・レーベルに『Pal Joey』や『West Side Story』を吹き込んだ名トリオだ。これにギターの名手ジム・ホールが加わるのだから、泣く子も黙るオールスター・グループである。彼らの演奏が素晴らしいのはいうまでもなく、プレヴィンのジャズ演奏の腕前も、長いブランクがあった割には立派なもの。
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jazzaudiofan at 09:51|この記事のURLComments(4)TrackBack(0)

2010年09月06日

Steve Grossman / Perspective3

Steve Grossman Perspectiveレコードショウで見つけたちょっと珍しい1枚。サックス奏者スティーブ・グロスマンは知っていたが、このアルバムは知らなかった。パーソネルを見ると、マーク・イーガン(パット・メセニーとの共演で有名なベーシスト)やマーカス・ミラー、レニー・ホワイトといった名前があるので、たぶんフュージョン的なアルバムなのだろうと見当がついた。菊池雅章がピアノで1曲参加しているのもおもしろい。79年発売のアルバムで、盤は新品同様。あまり再生されなかったのかもしれない(笑)。

僕はストレート・アヘッドでアコースティックなジャズが好きだが、フュージョンも聴かないわけではない。ただ、フュージョンにもいいフュージョンとしょうもないフュージョンがあって、ジャズ魂が感じられるのがいいフュージョンだ、と僕は考えている。ここでいうジャズ魂というのは冒険心と言い換えてもいいかもしれない。

このアルバムは間違いなく、ジャズ魂あふれる「いいフュージョン」だ。リズムこそロックやファンクといった要素を取り入れているが、グロスマンの演奏は熱く、気合が入っていて、エキサイティングだ。曲も変化に富んでおり、ファンキーな「Arfonk」はおもしろいし、ナベサダがやりそうなホンワカした曲もあれば、菊池雅章の幻想的な「Pastel2」もあって飽きさせない。
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2010年09月04日

Lanny Morgan / It's About Time4

It's About Timeラニー・モーガンはロサンゼルスで現在も活躍しているバップ・スタイルのアルトサックス奏者。僕も地元のジャズフェスで生演奏を見たことがあるが、素晴らしい実力の持ち主だ。チャーリー・パーカーに加え、アート・ペッパーにも大きな影響を受けたというモーガンの音色は瑞々しく、バップ魂あふれるホットな演奏と相まって魅力的な個性を形成している。

ニューヨークでメイナード・ファーガソン・バンドのメンバーとして活躍した後ロスに移り主にセッションミュージシャンとして活動。ビル・ホルマンやボブ・フローレンスのビッグバンドのほか、スーパーサックスというグループにも参加しているが、実力があるのに自己名義のリーダーアルバムは数えるほどしかない。ライナーによれば、81年録音の本作も20年ぶりのリーダー作とある。

レコードショウで見つけた本作は、1980年からわずか5年間ほどしか存続しなかった西海岸レーベル、Palo Alto Jazzからリリースされた。見開きジャケットのデザイン、同レーベルの音楽監督であるハーブ・ウォンの詳しいライナーノーツ、録音の質の良さなど、いわゆるプロダクション・バリューの高いアルバムで、丁寧に心をこめて作られたことをうかがわせる。
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2010年08月19日

Bob Florence Big Band / Live at Concerts By The Sea4

Trend Records TR-523

Bob Florence Big Band / Live at Concerts By The Sea最近安く手に入れたアナログLPの中でおもしろいものを紹介しようと思っているのだが、たくさんあってなかなか追いつかない。Bob FlorenceはLAで50年代末から活躍したピアニスト・作編曲者で、2008年に惜しまれながら他界した。日本での知名度はあまり高くないかもしれないが、長年に渡っていわゆる「リハーサル・バンド」と呼ばれるビッグバンドを率い、LAのジャズファンやミュージシャンの尊敬を集めていた。2000年にはビッグバンドのアレンジでグラミー賞も受賞している。

さて、このビッグバンドのアルバム、僕にとっては全く未知の存在だったが、安かったので購入してみた。録音は1979年で、ハワード・ラムゼイが<ライトハウス>のオーナー交替後に開いたジャズクラブ<Concerts By The Sea>でのライブ録音。メンバーの中に知っている名前を探すと、Steve Huffsteter (tp)の他、木管楽器セクションにBob Cooper, Pete Christlieb, Ray Pizzi, Bill Perkins, Kim Richmondという凄い顔ぶれが揃っている。

「どんなもんか」と聴いてみると、これが大当たり!まず音楽の内容が作編曲・演奏ともに素晴らしい!もちろん全曲がボブ・フローレンスの作。オープニングは地元ジャズ専門FM局で長年活躍した名DJチャック・ナイルズに捧げた「Be Bop Charlie」で、まさにバップ魂のこもった勢いのある演奏。エレキベースのJoel DiBartoloとドラマーNick Ceroliによるリズムが力強く好ましい。

ちなみにドラマーのニック・セロリ(と読むのだろうか?)は以前は知らない人だったが、最近になって、LAで70年代に録音されたLPを買うとちょくちょく見かけるようになった。調べてみると、特にビッグバンドを中心に名ドラマーとして名を馳せたそうで、1985年に46歳の若さで亡くなっている。このアルバムを聴くだけで素晴らしいセンスの持ち主だと分かるだけに、もっと長く活躍できなかったのが残念だ。
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jazzaudiofan at 17:44|この記事のURLComments(2)TrackBack(0)

2010年07月31日

Al Cohn & Jimmy Rowles / Heavy Love5

Xanadu 145

Heavy Love前回紹介したBuck & Bud (Bucky Pizzarelli & Bud Freeman)に続いて、70年代後半に録音されたデュオ・アルバムだ。Buck & Budも味わい深いアルバムだったが、こちらはさらに素晴らしく、傑作・名盤の部類に入る。

A面1曲目の"Them There Eyes"、豪快に疾走するAl Cohnの無伴奏ソロで幕を開ける本作は、エキサイティングなソロとインタープレイがてんこ盛り。Zoot Simsと比較されて何となく地味な感じがするAl Cohnだが、本作ではJimmy Rowlesとの相性がよほど良かったのか、目の覚めるような力強い演奏を披露している。

Rowlesもどちらかといえば名伴奏者として知られ、リーダー作が少ない地味めのミュージシャンだが、Stan Getzがプロデュースした傑作「The Peacocks」で証明したように、非凡な才能を有するピアノの名手である。本作でも見事な「伴奏」の技、強力なタッチとリズム感、そしてちょっととんがった、微妙にアウトするユニークなフレージングが素晴らしい。(ちなみにRowlesのこうした特質は彼の下でピアノを学んだDiana Krallにしっかり受け継がれている。)

後期Prestigeを支えたプロデューサーのひとりDon Schlittenが興したXanaduレーベルの本作、Schlittenが「いつもの大きなスタジオではなく、デュオにふさわしい小さなスタジオで録音した」という音も素晴らしい。サックスもピアノも「中身がぎっしり詰まった」音で、深みがあり、響きも豊かで、実にリアルだ。文句なしの傑作アルバム!

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2010年07月30日

Bucky Pizzarelli with Bud Freeman / Buck & Bud3

Flying Dutchman BDL1-1378

Buck & BudOC Record Showの1ドルか5ドルの安売りセクションで見つけた掘り出し物。テナーサックスのBud Freemanは名前だけ知っていたが、アルバムを聴いたことはなかった。僕がオッと思ったのはBucky Pizzarelliの方だ。今では「John Pizzarelliのお父さん」として有名かもしれないが、スイングスタイルの7弦ギターの名手で、僕は大好きなのだ。

このアルバムはImpulse!で活躍した名プロデューサーBob Thieleが興したFlying Dutchmanというレーベルから1976年に発売された。調べた限りCD化はされていないようだ。Flying Dutchmanも僕にとっては名前だけは聞いたことがあるという未体験のレーベル。

Freemanが69歳、Buckyが49歳のときに録音された本作の演奏内容は実に素晴らしい。デュオの演奏は6曲で、残る5曲にはHank Jonesのピアノトリオが加わる。バップ以前のスイングというべきスタイルで、和気藹々とした、それでいて中身の濃い演奏が続く。ピアノトリオが加わった演奏ももちろん悪くないが、強く印象に残るのはデュオ演奏の方だ。身体の芯からホカホカしてくるような優しい温かみを感じる。

「デモ用非売品」のスタンプが押されたこの盤は、ジャケットこそ古びているが盤質は完璧。デモ盤の中には音質が素晴らしいものがある。デモ盤はだいたい初期プレスだし、評論家に送られて1度か2度再生され、あとはそのまま保存されていたというようなケースがあるからだ。これもそんなラッキーな1枚なのかもしれない。

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2010年07月27日

Shorty Rogers and His Orchestra / Chances Are It Swings4

RCA Victor LPM-1975

Shorty Rogers / Chances Are It Swingsウェストコースト・ジャズをレコード収集のひとつの柱としている僕にとって、ショーティ・ロジャースの存在は大きい。このアルバム(1958年録音)はそれほど珍しいものではないが、状態の良いものはなかなかお目にかからない。質の高いジャズLPだけを売っているコレクターから15ドルほどで手に入れたのだが、ジャケットも盤質も最高で、これは6月のレコード・ショウで手に入れたLPの中で一番嬉しい買い物だったかもしれない。

ライナーを読むと、ロバート・アレンという作曲家のヒット曲を取り上げたとある。僕は名前もきいたこともなく、曲にも聞き覚えがなかったのだが、調べてみると、当時のポップス界でかなり活躍していたらしい。ペリー・コモやジョニー・マティスなどに曲を提供し、本アルバムのタイトル曲"Chances Are"などはマティスが歌ってヒットした曲らしい。

というわけで、僕は原曲も知らず、純粋にビッグバンドのアルバムとして聴いたわけだが、すっかり気に入ってしまった! ショーティのアレンジは冴えわたっているし、バンドは強烈にスイングしている。そこここに出てくる短いソロも趣味がいい。原曲のメロディは単純でいながら明るく楽しく、ウキウキした気分にさせてくれる。
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jazzaudiofan at 14:28|この記事のURLComments(4)TrackBack(0)
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jazzaudiofan
ジャズとオーディオが好きで、アメリカに住んでます。Audiogon等を通じてアメリカからオーディオ機器を個人輸入したい方をサポートしています。詳しくはこちらをご覧下さい。