プロフィールと使用機器

2011年10月04日

オヤイデ HS-TF ヘッドシェル

OyaideHeadShell70年代に発売されたデノンのトーンアーム「DA-305」を使っている僕にはヘッドシェルが欠かせないが、アメリカではあまり良いものが手に入らない。アメリカのハイエンド・オーディオ業界では、ヘッドシェル一体型のアームが圧倒的に優勢なので、ヘッドシェルに対する需要がない。こちらのオーディオファイルに言わせれば、カートリッジ交換が簡単という利便性を優先して、メカニカルなリジッドさを犠牲にし、電気的接点の増加というコストを払うユニバーサル型のトーンアームは邪道なのだ。

この点、ユニバーサル型トーンアームが未だに幅をきかせ、様々な高級ヘッドシェルが続々と開発・発売されている日本は、市場の様相がまったく異なると言っていい。一時帰国の折りに入手した「季刊・アナログ」という雑誌の2009年秋号(Vol. 25)には山本博道氏の「ヘッドシェル道楽」という記事があり、なんと13種類のヘッドシェルを比較試聴しているが、こういう企画はこちらのオーディオ雑誌ではあり得ない。

デノンや、ロングセラーで定番とされるオーディオテクニカのAT-LH/OCCシリーズをいくつか持っているが、1万円以上するような高級ヘッドシェルはどうなのか?上記の比較試聴記事やネットでの情報を元に思案した結果、オヤイデHS-TFというモデルを取り寄せてみた。

選定の基準は、実売価格が1万5000円程度、音は高解像度系、そして使いやすい指掛けを有していること。うちのプレーヤーにはアームリフターがないので、盤面まで自分の指で針を下ろさなければならない。特に盤の中程に針を下ろそうとする場合など、右手を支える支点がないので結構緊張するし、実際うっかり落っことしてヒヤッとすることもたまにあるのである。従って、指掛けが大きめでシェルの前方の使いやすい位置についており、アールがついているか、オーディオテクニカのようにチューブを被せるなど滑り止め対策がされているものでないと買う気にならない。同じオヤイデの類似モデル「HS-CF」を却下したのは、その指掛けがいかにも使いにくそうだったからだ。
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2011年09月25日

My Audio System(2011年9月現在)

僕のオーディオ・システムには、ここ半年ほどの間にいくつか変化があった。近々また変化があるかもしれないので、スナップショット的に現在のシステムを記録しておこう。

Systemまずスピーカーは、以前この記事で紹介したドイツ、Kaiser AcousticsのKaweroである。購入したのではなく、オーディオ・ショウのパートナーとして一時預かっている。来月のRocky Mountain Audio Fest (RMAF) でConcert Fidelityの製品と一緒に展示するが、その後このペアがどこに行くかは未定。本当に素晴らしいスピーカーで、予算さえあれば買いたいのだが…(笑)。

DenonDP3000アナログ・プレーヤーはConcert Fidelityの津田さんがレストア・改造したDenon DP-3000。1970年代、日本のオーディオ黄金時代の逸品で、現代アメリカのオーディオファイルが見向きもしないダイレクト・ドライブ方式。アームも同時期のDenon DA-305を津田さんがレストアしたもの。アンチスケーティング機能がないなどシンプルなアームだが、ヘッドシェルの交換が簡単で、VTFはその場で完璧に調整でき、以前使っていたVPIのユニピボット式のアームに比べてトラッキング能力が高く、歪んだレコードのトレース能力にも優れている。以前VPIのプレーヤー+アームを使っていた時より、アナログの再生品位は間違いなく向上している。

ElectronicsフォノステージはConcert FidelityのSPA-4C。おそらく世界で最もシンプルで信号経路が短いと思われる、半導体式のMC専用機。うちに届いたのは抵抗を通常のリード線付きのもの(といっても日本製の高級品)からチップ抵抗に変更した最新バージョンで、抜けの良さ、解像度、ミクロ・マクロ双方のダイナミクスが素晴らしい。価格差を考えれば当然ともいえるが、EAR 868に内蔵されている管球式フォノセクションは、これに比べるとモヤモヤと不透明でのったりしていて、全く勝負にならない。SPA-4CはMMカートリッジには対応していないので、お気に入りのLondon Referenceが使えないのが残念だが、この音の良さと引き替えなら、London Referenceを犠牲にしても構わないと思う。
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2011年03月22日

Esoteric X-01D2 CD/SACD Player

Esoteric X-01D21月にラスベガスのT.H.E. Showで展示したシステムのほとんどが自宅に来ることになった経緯については3月8日の記事で書いた。今回はその第2弾として、エソテリックのCD/SACDプレーヤー、X-01D2について書いてみたい。

x01d2_top_photoといっても、2006年に発売され今年1月に生産終了になった古いモデルなので、日本の読者には特に紹介はいらないかもしれない。エソテリックが世界に誇るVRDS-NEOメカニズムを搭載し、SACDマルチチャンネルにも一応は対応しつつも、基本的に2ch再生に力を入れた本格的プレーヤーである。

僕が米国での販売に関与しているオーディオ・メーカーのコンサート・フィデリティでは、過去数年のオーディオショウへの出展に当たり、このX-01D2をトランスポートとして活用していた。コンサート・フィデリティ(以下「CF」)のD/Aコンバーター、DAC040はジッタの排除能力が高くないので、音質はトランスポートの性能に大きく左右される。設計者である津田さんの経験上、DAC040と組み合わせて好結果が得られるのはマーク・レビンソンかエソテリックということで、X-01を使ってきた。

僕自身も過去2年間の様々なショウでX-01とCFのDAC040との組み合わせを聴いてきたが、これがいわゆるレッドブックCDの再生か、と耳を疑うほど品位の高い再生なのだ。CFのDAC040は純粋な16ビット/44.1kHzのDACで、アップサンプリングやオーバーサンプリングといった流行の手法を使わないのだが、情報量・解像度は驚くほど高く、同時に高い音楽性を実現している。
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2010年10月02日

VPI Periphery Ring Clamp

OuterRingClamp01僕が愛用しているターンテーブルはVPIのScout。コストパフォーマンスが高い入門機だが、B先輩から譲り受けた時点で?SDS Motor Control(モーターへの供給電源のコントロールにより正確な回転スピードを実現)?Super Platter(重さ11kg、アクリル・ステンレススチール・アクリルのサンドイッチ構造、インバーテッド・ベアリング)という重要なアップグレードがなされていた。これをGingko Cloudというプラットフォームに載せ、London Referenceというきわめて優秀なカートリッジを組み合わせているので、自分で言うのもなんだが、とても入門機とはいえない、いい音を出していた。

それをさらに大きくレベルアップさせるアクセサリがやってきた。VPIのPeriphery Ring ClampとCenter Weightだ。
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2010年09月09日

London Referenceカートリッジがやってきた!(3)

(前回の記事→その1その2

色々と調整が難しいF1レースカーのようなLondon Referenceカートリッジ。我が家に来てしばらくたち、メーカー推奨のブレークイン「50時間」も経過し、耳も慣れ(?)、だいぶん馴染んできたようだ。

London Referenceカートリッジ前回の9月2日付の記事で「ランブルが出る」と書いたが、その後色々テストしてみると、実はレコードに針を下ろす前からハムノイズが発生していることが分かった。どうしてそういう勘違いをしたのかというと、僕はB先輩から教わったレコード再生の作法として、針の上げ下げをするときには必ずプリアンプをミュートする(EAR868にはミュートスイッチがないので入力を切り替える)ようにしているからだ。

これはうっかり針をレコード盤に落っことしてしまったときや、針をレコードから離すときの静電気による「バチッ!」というノイズでスピーカーが損傷するのを防ぐための安全策だ。B先輩はそれでアヴァロンのツイーターを壊した(セラミック製なので粉々になったらしい)という苦い経験があるので、僕にも口を酸っぱくして教えてくれたわけだ。まあ、実際にそのような事故でスピーカーが壊れる可能性は低いだろうし、アナログ愛好家が全員そうしているわけではないが、僕はもうすっかり身に付いてしまい、「針を上げる前にミュート」「針を下ろしてからミュート解除」を無意識のうちに実行している。

そこで、London Referenceの針を下ろしてミュートを解除したら「ブ〜ン」というノイズが出ていたのを、ランブル(音楽信号が刻まれていない空白の溝を再生するときに出るノイズ)と勘違いしたわけだ。何のことはない。針を上げたままにしてミュートを解除すると、その時点ですでに「ブ〜ン」と鳴っている。
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2010年09月02日

London Referenceカートリッジがやってきた!(2)

(前回の記事はこちら

部品の加工精度が悪く、まっすぐに取り付けるとまっすぐにならないという驚異のLondon Referenceカートリッジ(爆)。そのショックを乗り越えて、セッティングを詰めているところだ。

London Reference Cartridge 6最初は音が歪みまくっていたB先輩のところと比べると、僕のところでは幸いというべきか、最初から比較的まともな音が出たが、そこからがやはり難しい。まだ50時間といわれるブレークインも終わっていないし、試行錯誤しながら針圧とVTAの変更を通じて再生音の帯域バランスを調整しているところだが、このカートリッジ、比較対象のZYX Airy 3と比べると低域があまり出ず、ブライトな傾向がある。

London Reference Cartridge 5ZYX Airy 3との比較で良いところは、トランジェントの立ち上がりの鋭さ、付帯音が少なめで解像度が高く見通しがよいこと、きりりと引き締まった音像フォーカス、音場の深さ(奥行き)である。特に最後の点は、マッキンのアンプを聴いたときの印象と同じで、主役の楽器と伴奏の楽器がある場合、伴奏が後ろに下がり、主役がずいっと前に出てスポットライトを浴びたような印象を受ける。トラッキング能力はZYXより高く、ZYXだと強烈に歪む箇所を、全く歪まないとまではいかないが、比較的嫌な音を出さずに通過できる。

しかし、ZYXと比べて良いところばかりではない。
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2010年08月31日

London Referenceカートリッジがやってきた!(1)

London Reference Cartridge 1カンチレバーがなく、鮮烈でダイナミックな再生が持ち味のユニークなフォノカートリッジ、London (Decca) Referenceについては、B先輩のところで聴かせてもらい、その魅力に圧倒されたことをこの記事に書いた。今年2月のことだ。

London Reference Cartridge 2レファレンス・カートリッジとしてB先輩が即座に採用したLondonは、その後、レビューのために持ち込まれる高価で優秀なカートリッジ(ZYXのOmega等)を足元にも寄せ付けていない。どんなに素晴らしいカートリッジでも、カンチレバーを使っている限りLondonに迫ることはできないのではないか。そう思わせるような「格差」が存在する。ある意味では究極のカートリッジといえるかもしれない。

実はその後、B先輩宅でその別次元の音を聴いたオーディオ仲間が次々とLondonを購入している。その数が3人、4人と増えるにつれ、僕もついに我慢ができなくなった。オーディオ予算が厳しいなか必死で大蔵大臣を説得し、ついに購入にこぎつけたのである!

そして、待ちに待ったLondonがイギリスから届いたのが4日前。セッティングがシビアで、B先輩のところでも能力を引き出すまで相当の調整が必要だったから、どうなるのか心配だったが、うちでのセッティングはあっけないほどうまくいき、最初から一応まともな音が出た!VPIのJMW-9は作りが大雑把で正確な微調整ができない素朴なトーンアームで、明らかにLondonを使うには格下というか、豚に真珠のような関係なのだが、アームの能力に限界があるにしても相性は悪くないようだ。

ところが…、喜んでいたのもつかの間(笑)。
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2009年11月12日

ZYX Airy 3 MCフォノカートリッジ

B先輩がよく口にする<ハイファイの法則その1>は、"You don't know what you're missing."というものだ。直訳すれば「何が欠けているかはわからない」、意訳すれば「改善された音を聴いて初めて、それまでの音に何が欠けていたかがわかる」というようなことだろうか。(ちなみに<ハイファイの法則その2>は、"Everything matters."つまり「何をやっても音は変わる」である(笑)。)


生まれて初めて購入したターンテーブルに初めて導入したステレオカートリッジはオルトフォンのKontrapunkt-bだった。色付けの少ないニュートラルな、価格のわりに優秀なカートリッジとの評判があり、経験豊かな先輩の推奨に従って選択したものだ。

その音には当然満足していたのだが、ライラのモノラルカートリッジ、ドリアンを手に入れてから「うーむ…」と思うことが増えていった。活き活きとして華麗、躍動感にあふれていながら嫌な音を出さないドリアンの音と比べると、それまでニュートラルだと思っていたオルトフォンの音はやや鈍重で、しかも中高域に妙にぎらつく部分があるように思われた。

カートリッジやアームのセッティング、プリアンプの中の真空管なども調整してみたが、どうもすっきり解決しない。真空管の組み合わせをドリアンによるモノ再生やCDがうまく鳴るように設定するとオルトフォンの音がきつくなり、オルトフォンに合わせて調整するとモノ再生とCD再生がどんよりした音になってしまうのだ。

ZYX Airy 3-Xそうこうしているうちに、B先輩からZYXR1000 Airy 3というステレオカートリッジを譲ってもらうことになった。彼はEARのDisc MasterというターンテーブルにHeliusのOmegaというトーンアーム2本でアナログ再生を楽しんでいるのだが、最近のお気に入りカートリッジは光悦のローズウッド・シグナチュア(かなり古いもの)とGradoの最新・最高峰モデルStatement1なので(どちらも素晴らしい!)、ZYXAiry 3の出番はないのだという。

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2009年06月30日

Lyra Dorianモノラルカートリッジ

Lyra Dorian(ライラ・ドリアン)というMC型のモノラルカートリッジを手に入れた!

Lyra Dorian Mono Cartridge一般に、モノラルのレコードはモノラルカートリッジで聴いた方がいいと言われている。ステレオカートリッジはモノ再生には不要な縦方向の動きも検知して発電してしまうので、これが余分なノイズ成分になるというのが主な理由だ。僕はジャズレコードの収集はまだ始めたばかりだが、すでにそれなりの数のモノラルレコードが手元にあるので、以前からモノカートリッジを探していた。

比較的安くて性能がいいモノカートリッジとして先輩に勧められたShelter 501 Mk2 Monoをそろそろ注文しようか…と思っていたところへ、地元オーディオ同好会の関係で新品のライラ・ドリアンを安く購入する機会が巡ってきたのである。これを逃す手はないと飛びついて、入手したのが昨日のこと。

今日、さっそく予備のJMW-9トーンアームに取り付けて聴いてみた。(ちなみにこのユニピボット式のトーンアームは一瞬で取り外しができる設計になっているのでとても便利だ。複数のアームに異なるカートリッジを取り付けておけば、気軽にとっかえひっかえして聴き比べることもできる。)

新品なのでまだブレークインが済んでいないはずだが、ドリアンの音はとてもグッド! ディテールの描写力に優れ、周波数応答に変な凹凸がない。ウォームで豊かな音ではなく、あくまでニュートラル志向。低域はどちらかといえば絞り気味かもしれないが、多彩な音色をヴィヴィッドに伝えてくれるキレのいいカートリッジだ。
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jazzaudiofan at 16:16|この記事のURLComments(7)TrackBack(0)

2009年05月15日

VTL Deluxe 300

VTL Deluxe 300アヴァロン・アイドロンが我が家にやってきて2週間ちょっとになるが、1週間ほど前にRSさんがおもしろい「手みやげ」を持って遊びに来てくれた。アイドロンは能率が87dB、アンプの推奨最低出力が50Wとされていて、僕の部屋では75W/chのマッキンMC275でも十分な音量で鳴らすことができるが、もっとパワーを入れてやればさらによくなるのだろうな、という感覚はすでに生じていた。

実際、B先輩のところでは以前EARの890というステレオアンプ1台(スペックは70W/chだが実際には80Wといわれる)で鳴らしていたが、もう1台導入してモノブリッジしパワーを140W(実力は160W?)に倍増したところスケールや低域の迫力がずいぶん増したという。

VTL Deluxe 300-2そんな状況を察してか、RSさんが共通の友人から預かっているVTLのDeluxe 300という管球式モノブロック・アンプを持ってきてくれたのである。出力はなんとCh当たり300ワット! 片チャンネル当たり出力管6550を8本も使用し強烈な熱を発する(笑)。VTLおよびManley Labsの創始者David Manley氏が80年代後半に開発・発売して一世を風靡したアンプで、現在のVTLのハイパワー管球アンプも基本的にはこの回路を踏襲しているという。

おそらく88年頃に作られたこのアンプをLAさんは中古で入手し、98年にVTLに送って完全なオーバーホールとアップグレード(<シグナチャー>と冠した特別な出力トランスを含む)を行っている。真空管は、出力管こそ比較的ありふれたロシア製の「ウィングC」6550だが、ミニチュア間の12AT7にはMullardのCV4024,12BH7にはSylvania製と、渋いNOS管を搭載している。
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jazzaudiofan at 13:20|この記事のURLComments(59)TrackBack(0)
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jazzaudiofan
ジャズとオーディオが好きで、アメリカに住んでます。Audiogon等を通じてアメリカからオーディオ機器を個人輸入したい方をサポートしています。詳しくはこちらをご覧下さい。