アルバム紹介

2011年09月11日

Adam, The Weepies

昨年末に54インチのプラズマTV(パナソニック)を購入してから、映画をHDで観るのが楽しくて仕方がない。HBO、Cinemaxといったプレミアム・ケーブル・チャンネルでは映画をHD画質、Dolby Digital 5.1音声、コマーシャルなしで(もちろんDVRに録画して)観られるので、ちょっと贅沢だが、最近試験的に加入してみた。

そんなプレミアム・ケーブル・チャンネルで観て、気に入った映画のひとつが「Adam」(2009年公開)である。

adam_01アスペルガー症候群(自閉症の一種で言語力はある程度発達し知能も高いが、しぐさや表情などの非言語コミュニケーション力が低く、他者に共感する能力も限定的)をもつ若者アダム(ヒュー・ダンシー)が主人公。父親が亡くなり、仕事も失って、周りの世界が崩れていくなか何とか生きようとしている彼の前に、同じアパートに引っ越してきたベス(ローズ・バーン)が現れる。とまどいながらもアダムに惹かれていくベスは、どんな決断をするのか…。

adam_main小さな物語を感情に流されず、ゆっくりと詩情豊かに語っていく優れた映画で、とても気に入った。特に脚本がいいと思うのだが、演技面では、ヒュー・ダンシーはアスペルガーの青年という難しい役を見事にこなして作品のリアリティを打ち立てていたし、可憐だが芯の強いベスを演じたローズ・バーンも、脇役ながらベスの両親を存在感豊かに演じたピーター・ギャラガーとエイミー・アーヴィングも素晴らしい。脚本・監督のマックス・メイヤーは演劇畑の人で、映画の監督は本作が2本目だという。
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2011年08月02日

カリフォルニアより愛を込めて:SSJ All-Stars Live!

B004XK1ENKカリフォルニアより愛をこめて
アラン・ブロードベント SSJオールスターズ ディック・ノエル クリス・コナー フランキー・ランドール ピンキー・ウィンターズ スー・レイニー ジョニー・ホリデイ レスリー・ルイス カート・ライケンバック ダイアン・ハブカ
インディーズ・メーカー 2011-08-03

by G-Tools
レアなヴォーカル・アルバムを中心とする復刻や新録アルバムの発売・プロデュースを行っている日本のレーベル、SSJ Recordsにゆかりのあるミュージシャンたちが、東日本大震災の被災地復興に貢献したいと、チャリティCD『From California With Love』(カリフォルニアから愛を込めて)を制作した。

SSJから数枚のCDを発売し、SSJの招聘で何度か日本を訪れているダイアン・ハブカ(vo, g)がコンセプトを発案し、SSJのアメリカ側でのプロデューサーを務めるビル・リードが制作を担当。4月から5月にかけてチャッツワースにあるSSJゆかりの録音スタジオ、アンブレラ・メディアで録音が行われた。ミュージシャンやスタジオ、録音関係者やレーベルは全てボランティアで、売上は全て日本大使館に寄付される。

01-VitellosこのCDのアメリカでの発売を記念して、7月16日にCDリリース・パーティが開催された。もちろん、このライヴ・イベントの収益も寄付される。場所はロサンゼルス、ユニバーサル・スタジオに近いStudio Cityという町にあるVitello'sというジャズクラブだ。今回初めて行ったのだが、Vitello'sは本格的なイタリアン・レストランで、1階はレストランとバーがあり、2階の部屋にステージがしつらえられ、ジャズクラブとして使われている。そういえば以前は「Upstairs at Vitello's」(Vitello'sの2階)という名前で呼ばれていたっけ。

ここは、Jazz Bakeryが一次閉店に追い込まれて以来、ロサンゼルスのジャズクラブとしてかなり力をつけてきているようで、地元の優秀なミュージシャンを始めとして、なかなか魅力的なスケジュールを組んでいる。ベテラン・ギタリストのジョン・ピサノが毎週火曜日に他のギタリストを招いて「Guitar NIght」という催しを長年続けていることでも知られている。本格的なイタリアン・レストランなので、値段はちょっと高いが、料理はとても美味で大いに楽しめた。ハコはそれほど大きな部屋ではなく、インティメットな雰囲気だし、音響も良い。

SSJのチャリティCD発売記念ライヴが開かれた7月16日は、ロサンゼルスの主なフリーウェイ「405号線」が工事のため閉鎖された日に当たっていた。前代未聞の交通渋滞が発生するとして、市当局は「車に乗らず、どこにも出かけず、家でじっとしていてください!!」というメッセージを流し続けていたのだが、それが功を奏し、関係のない他のフリーウェイまでがら空き、僕は記録的な短時間でVitello'sに到着した。それで客足が遠のくのではないかと懸念していたが、部屋はほぼ満杯で、ライヴは概ね成功したようだ。

02-Trioヴォーカル中心のライヴで、何人もの歌手が入れ替わるなか、「ハウス・トリオ」を務めたのがジム・コックス(p)、トム・ウォリントン(b)とラルフ・ペンランド(ds)だ。3人とも趣味のいい安定した演奏だったが、特にジム・コックスは伴奏にソロに感性がキラリと光っていた。

04-ReichenbachBrosカート・ライケンバックはSSJお馴染みのヴォーカリストで、今回のCDではデザイン制作もクレジットされている。ライヴでは司会を務めたほか、トロンボーン奏者である兄のビル・ライケンバックと一緒に何回か登場し、“The Way You Look Tonight”、“Lovely Way To Spend An Evening”、“I'm Old Fashioned”、つい最近亡くなった女流作曲家Effy Joyの“Forever Didn't Last 'Til Spring”を唄った。ビルはトランペットのような形をした珍しいバルブ・トロンボーンを使っていた。

05-LeslieLewisレスリー・ルイスはピアニストのジェラード・ヘイゲンと共に登場し、“No More Blues”(“Chega de Saudade”の英語版)、“Caravan”などを披露。

06-DianeHubkaDanSawyerダイアン・ハブカはウクレレとギターを弾くダン・ソーヤーと登場、「オルフェのサンバ」に英語の歌詞をつけた“Sweet Happy Life”、デビューアルバムのタイトル曲“Haven't We Met”、SSJの企画で録音したビヴァリー・ケニー作詞の“I Don't Believe In Love”、クレア・フィッシャー作の“Morning”を唄った。ダン・ソーヤーのウクレレはジャズでは珍しいが、なかなか良かった。

07-MichaelDees休憩後のセカンド・セットでは、チャリティCDには参加していない男性歌手マイケル・ディース(Michael Dees)がスペシャルゲストとして登場。恥ずかしながらそれまで名前も聞いたことすらなかったが、実に素晴らしい歌唱でノックアウトされた。映画などでフランク・シナトラの代役を務めたこともあるだけあって、シナトラの影響を色濃く感じるが、それだけではない、自分のスタイルを確立している。力強くエネルギッシュな歌声と完璧なヴォーカル・コントロールに裏打ちされたリラックスしたスタイル。“Our Love Is Here To Stay”や“Night And Day”などを唄ったが、この日、個人的に最も感銘を受けたパフォーマンスだった。ロサンゼルスには、僕が知らない才能豊かなミュージシャンがたくさんいるんだな、と改めて思った次第である。

08-PinkyWinters味わい深い歌唱で特に日本のファンに親しまれているピンキー・ウィンターズは、以前から予定されていた日本公演を震災後に敢行したエピソードを披露。“I've Got The World On A String”、“Look For The Silver Lining”、シャーリー・ホーンの“He Never Mentioned Love”、ボサノヴァを唄った最新作に収められている“Another Rio”を唄い、健在振りを示した。

10-SueRaney最後に登場したのは大御所スー・レイニー。“I Like Being Here With You”ではアドリブの歌詞を挿入して観客を沸かせ、“Listen Here”と“I'll Be Seeing You”では情感のこもったバラードを聴かせてくれた。

チャリティCD『カリフォルニアから愛を込めて』は、日本ではSSJから8月3日に発売予定。今回のライヴに出ていなかった参加アーティストとして、アラン・ブロードベント、ティアニー・サットン、クリスチャン・ジェイコブ、ジョニー・ホリデイ、ディック・ノエル、フランキー・ランドールがいるほか、特別に寄贈された故クリス・コナーの1987年のライヴ録音トラックも収録されている。特にヴォーカル・ファンにはたまらない内容となっており、オススメである。

B004XK1ENKカリフォルニアより愛をこめて
アラン・ブロードベント SSJオールスターズ ディック・ノエル クリス・コナー フランキー・ランドール ピンキー・ウィンターズ スー・レイニー ジョニー・ホリデイ レスリー・ルイス カート・ライケンバック ダイアン・ハブカ
インディーズ・メーカー 2011-08-03

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2011年05月24日

Puente Celeste / Nama

B004UMAPNGNama
Puente Celeste
M.a. Recordings 2011-05-10

by G-Tools
オーディオファイルにはお馴染み、MA Recordingsから新譜が届いた(レーベル紹介記事はこちら)。プロデューサーであり録音エンジニアでもあるタッド・ガーフィンクル氏が「自然な音響空間で1本のステレオマイクのみを使って2チャンネルの一発録音を行う」という独特の方針を貫くマイナーレーベルである。

Puente Celesteというアルゼンチンのグループは、MAの2大傑作「Sera Una Noche」と「La Segunda」の中心人物であるパーカッション奏者、Santiago Vazquezが97年に結成したもので、名前は「天空の橋」という意味。「Sera Una Noche」に参加していたリード奏者のMarcelo Moguilevskyと、「La Segunda」のギタリスト、Edgardo Cardozoもメンバーである。

タンゴやミロンガの伝統曲も演奏していたSera Una Nocheと異なり、Puente Celesteはメンバーのオリジナルのみを演奏する。これまでに発表されている4枚のアルバムからベストのレパートリーを選んで再演する、というのが本作「Nama」のコンセプトである。ボーカル入り(歌詞付き)は9曲、残る7曲はインスツルメンタルで、うち2曲は純粋な即興演奏。
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2011年03月30日

ジャズ以外の好録音盤の紹介:Kaiser Acousticsのデモ・ディスクから

音楽の話をしよう。

昨年10月のロッキー・マウンテン・オーディオ・フェスト(RMAF)で、コンサート・フィデリティはドイツのスピーカーメーカー、カイザー・アコースティクス(Kaiser Acoustics)と一緒に展示をした。カイザーのカウェロ(Kawero)というスピーカーが極めて優秀なことはここで詳しく書いたが、その展示の際に、スピーカーを設計したライナー・ウェバーさんから1枚のCD-Rをいただいた。

ショウで使うために様々な音楽を集めた彼の個人的なコンピレーションなのだが、これが凄くいいのである。スピーカーの長所を活かすべく録音の優れた曲が集められているだけでなく、実にいろんなジャンルから、幅広く優れた音楽が集められていて、ライナーさんのセンスの良さが伝わってくる内容なのだ。

このCD-Rは今年1月のラスベガスのショウでも大活躍したし、そのうち特に気に入ったものは僕もCDを探して入手した。最近「ジャズしか聴かない」症候群に陥っていたので、ジャズ以外の優れた音楽に触れたことは実に新鮮だった。

そこで、そのコンピレーションCDに収められていた曲から、特に気に入った4曲を紹介したい。

Jason Mraz "If It Kills Me" (from the Cassanova Sessions)
(CD: We Sing, We Dance, We Steal Things - Limited Edition, Disc II)

We Sing We Dance We Steal Things (W/Dvd)ジェイソン・ムラーツはサンディエゴを拠点に活躍する才能豊かなシンガーソングライターだ。2008年に発売されたアルバムは「全米初登場3位を記録。シングルカットされた「I'm Yours」は世界各国でNO.1を獲得、全米だけでセールス100万枚を突破した。また同曲は第51回グラミー賞で最優秀楽曲賞と最優秀男性ポップボーカル賞にノミネートされた」(Wikipedia)そうだが、僕はまったく知らなかった。(Mrazを「ムラーズ」と表記することもあるようだが、僕はベーシストのジョージ・ムラーツに慣れていることもあり、「ムラーツ」と書く方が自然に感じる。)
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2010年09月08日

Itzhak Perlman & Andre Previn / A Different Kind of Blues3

Itzhak Perlman Andre Previn A Different Kind of Bluesレコードショウの安売りコーナーで見かけ、思わず「何これ?」とつぶやいた1枚。クラシックの指揮者になる前にジャズピアニストとして活躍していたアンドレ・プレヴィンが僕は大好きなのだが、僕ですら名前を知っている有名なクラシックのヴァイオリニスト、イツァーク・パールマンと一緒にジャズのアルバムを作っていたとは知らなかった。Angel Recordsというクラシックのレーベルから出ていたからかも。

1980年録音。プレヴィンがジャズの世界を離れて20年ほど経った時点のジャズ復帰作で、一方のパールマンはそれまでジャズを演奏したことは一度もなかったらしい。実際、パールマンのソロ(全部プレヴィンが「書いた」という説もある)はそれなりにジャズらしさが出ているものの、やはり大したことはない。

それでも結構楽しめるのは、プレヴィンの作曲(全曲書下ろし)と豪華な共演陣のおかげである。プレヴィンにレッド・ミッチェルにシェリー・マンといえば、1950年代、コンテンポラリー・レーベルに『Pal Joey』や『West Side Story』を吹き込んだ名トリオだ。これにギターの名手ジム・ホールが加わるのだから、泣く子も黙るオールスター・グループである。彼らの演奏が素晴らしいのはいうまでもなく、プレヴィンのジャズ演奏の腕前も、長いブランクがあった割には立派なもの。
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2010年09月06日

Steve Grossman / Perspective3

Steve Grossman Perspectiveレコードショウで見つけたちょっと珍しい1枚。サックス奏者スティーブ・グロスマンは知っていたが、このアルバムは知らなかった。パーソネルを見ると、マーク・イーガン(パット・メセニーとの共演で有名なベーシスト)やマーカス・ミラー、レニー・ホワイトといった名前があるので、たぶんフュージョン的なアルバムなのだろうと見当がついた。菊池雅章がピアノで1曲参加しているのもおもしろい。79年発売のアルバムで、盤は新品同様。あまり再生されなかったのかもしれない(笑)。

僕はストレート・アヘッドでアコースティックなジャズが好きだが、フュージョンも聴かないわけではない。ただ、フュージョンにもいいフュージョンとしょうもないフュージョンがあって、ジャズ魂が感じられるのがいいフュージョンだ、と僕は考えている。ここでいうジャズ魂というのは冒険心と言い換えてもいいかもしれない。

このアルバムは間違いなく、ジャズ魂あふれる「いいフュージョン」だ。リズムこそロックやファンクといった要素を取り入れているが、グロスマンの演奏は熱く、気合が入っていて、エキサイティングだ。曲も変化に富んでおり、ファンキーな「Arfonk」はおもしろいし、ナベサダがやりそうなホンワカした曲もあれば、菊池雅章の幻想的な「Pastel2」もあって飽きさせない。
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2010年09月04日

Lanny Morgan / It's About Time4

It's About Timeラニー・モーガンはロサンゼルスで現在も活躍しているバップ・スタイルのアルトサックス奏者。僕も地元のジャズフェスで生演奏を見たことがあるが、素晴らしい実力の持ち主だ。チャーリー・パーカーに加え、アート・ペッパーにも大きな影響を受けたというモーガンの音色は瑞々しく、バップ魂あふれるホットな演奏と相まって魅力的な個性を形成している。

ニューヨークでメイナード・ファーガソン・バンドのメンバーとして活躍した後ロスに移り主にセッションミュージシャンとして活動。ビル・ホルマンやボブ・フローレンスのビッグバンドのほか、スーパーサックスというグループにも参加しているが、実力があるのに自己名義のリーダーアルバムは数えるほどしかない。ライナーによれば、81年録音の本作も20年ぶりのリーダー作とある。

レコードショウで見つけた本作は、1980年からわずか5年間ほどしか存続しなかった西海岸レーベル、Palo Alto Jazzからリリースされた。見開きジャケットのデザイン、同レーベルの音楽監督であるハーブ・ウォンの詳しいライナーノーツ、録音の質の良さなど、いわゆるプロダクション・バリューの高いアルバムで、丁寧に心をこめて作られたことをうかがわせる。
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2010年08月19日

Bob Florence Big Band / Live at Concerts By The Sea4

Trend Records TR-523

Bob Florence Big Band / Live at Concerts By The Sea最近安く手に入れたアナログLPの中でおもしろいものを紹介しようと思っているのだが、たくさんあってなかなか追いつかない。Bob FlorenceはLAで50年代末から活躍したピアニスト・作編曲者で、2008年に惜しまれながら他界した。日本での知名度はあまり高くないかもしれないが、長年に渡っていわゆる「リハーサル・バンド」と呼ばれるビッグバンドを率い、LAのジャズファンやミュージシャンの尊敬を集めていた。2000年にはビッグバンドのアレンジでグラミー賞も受賞している。

さて、このビッグバンドのアルバム、僕にとっては全く未知の存在だったが、安かったので購入してみた。録音は1979年で、ハワード・ラムゼイが<ライトハウス>のオーナー交替後に開いたジャズクラブ<Concerts By The Sea>でのライブ録音。メンバーの中に知っている名前を探すと、Steve Huffsteter (tp)の他、木管楽器セクションにBob Cooper, Pete Christlieb, Ray Pizzi, Bill Perkins, Kim Richmondという凄い顔ぶれが揃っている。

「どんなもんか」と聴いてみると、これが大当たり!まず音楽の内容が作編曲・演奏ともに素晴らしい!もちろん全曲がボブ・フローレンスの作。オープニングは地元ジャズ専門FM局で長年活躍した名DJチャック・ナイルズに捧げた「Be Bop Charlie」で、まさにバップ魂のこもった勢いのある演奏。エレキベースのJoel DiBartoloとドラマーNick Ceroliによるリズムが力強く好ましい。

ちなみにドラマーのニック・セロリ(と読むのだろうか?)は以前は知らない人だったが、最近になって、LAで70年代に録音されたLPを買うとちょくちょく見かけるようになった。調べてみると、特にビッグバンドを中心に名ドラマーとして名を馳せたそうで、1985年に46歳の若さで亡くなっている。このアルバムを聴くだけで素晴らしいセンスの持ち主だと分かるだけに、もっと長く活躍できなかったのが残念だ。
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2010年07月31日

Al Cohn & Jimmy Rowles / Heavy Love5

Xanadu 145

Heavy Love前回紹介したBuck & Bud (Bucky Pizzarelli & Bud Freeman)に続いて、70年代後半に録音されたデュオ・アルバムだ。Buck & Budも味わい深いアルバムだったが、こちらはさらに素晴らしく、傑作・名盤の部類に入る。

A面1曲目の"Them There Eyes"、豪快に疾走するAl Cohnの無伴奏ソロで幕を開ける本作は、エキサイティングなソロとインタープレイがてんこ盛り。Zoot Simsと比較されて何となく地味な感じがするAl Cohnだが、本作ではJimmy Rowlesとの相性がよほど良かったのか、目の覚めるような力強い演奏を披露している。

Rowlesもどちらかといえば名伴奏者として知られ、リーダー作が少ない地味めのミュージシャンだが、Stan Getzがプロデュースした傑作「The Peacocks」で証明したように、非凡な才能を有するピアノの名手である。本作でも見事な「伴奏」の技、強力なタッチとリズム感、そしてちょっととんがった、微妙にアウトするユニークなフレージングが素晴らしい。(ちなみにRowlesのこうした特質は彼の下でピアノを学んだDiana Krallにしっかり受け継がれている。)

後期Prestigeを支えたプロデューサーのひとりDon Schlittenが興したXanaduレーベルの本作、Schlittenが「いつもの大きなスタジオではなく、デュオにふさわしい小さなスタジオで録音した」という音も素晴らしい。サックスもピアノも「中身がぎっしり詰まった」音で、深みがあり、響きも豊かで、実にリアルだ。文句なしの傑作アルバム!

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2010年07月30日

Bucky Pizzarelli with Bud Freeman / Buck & Bud3

Flying Dutchman BDL1-1378

Buck & BudOC Record Showの1ドルか5ドルの安売りセクションで見つけた掘り出し物。テナーサックスのBud Freemanは名前だけ知っていたが、アルバムを聴いたことはなかった。僕がオッと思ったのはBucky Pizzarelliの方だ。今では「John Pizzarelliのお父さん」として有名かもしれないが、スイングスタイルの7弦ギターの名手で、僕は大好きなのだ。

このアルバムはImpulse!で活躍した名プロデューサーBob Thieleが興したFlying Dutchmanというレーベルから1976年に発売された。調べた限りCD化はされていないようだ。Flying Dutchmanも僕にとっては名前だけは聞いたことがあるという未体験のレーベル。

Freemanが69歳、Buckyが49歳のときに録音された本作の演奏内容は実に素晴らしい。デュオの演奏は6曲で、残る5曲にはHank Jonesのピアノトリオが加わる。バップ以前のスイングというべきスタイルで、和気藹々とした、それでいて中身の濃い演奏が続く。ピアノトリオが加わった演奏ももちろん悪くないが、強く印象に残るのはデュオ演奏の方だ。身体の芯からホカホカしてくるような優しい温かみを感じる。

「デモ用非売品」のスタンプが押されたこの盤は、ジャケットこそ古びているが盤質は完璧。デモ盤の中には音質が素晴らしいものがある。デモ盤はだいたい初期プレスだし、評論家に送られて1度か2度再生され、あとはそのまま保存されていたというようなケースがあるからだ。これもそんなラッキーな1枚なのかもしれない。

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jazzaudiofan
ジャズとオーディオが好きで、アメリカに住んでます。Audiogon等を通じてアメリカからオーディオ機器を個人輸入したい方をサポートしています。詳しくはこちらをご覧下さい。