「Sera una Nocheというのはアルゼンチンのグループ。バンドネオン、ギター、チェロ、パーカッションが基本となり、それに持ち替えの木管楽器、女性ボーカルが曲により様々な組み合わせで登場する。タンゴ、ミロンガその他の伝統的なアルゼンチン音楽を、フリーインプロビゼーションを交えて演奏している。インプロビゼーションがあるとはいえ、ジャズではない。クラシック・ファンの方にもとっつきやすいと思う。レーベルはMA Recordings。米国出身のタッド・ガーフィンクル氏(日本在住)が自ら世界中を巡って録音する。自然な音響空間でのワンポイント録音にこだわるオーディオファイル・レーベルである。まず女性ボーカルの入った3曲目を聴いて欲しい。チェロがピチカート双方でベースの役目を果たし、ギターとクラリネットがイントロを奏でる。各楽器の実在感と豊かな響き。そして真ん中からすーっと入ってくる女性歌手の声の美しいこと。シンプルながら見事な歌唱力に身震いしてしまう。その声のリアルさは驚異的だと思う。各楽器の演奏者の実力も相当なものだ。教会の建物の自然なエコーが極めて重要な役割を果たしている。まるで7人目の演奏者のように。14曲目では大太鼓のような(?)パーカッションが活躍するのだが、空間全体に響き渡ってすごい迫力。他にもハイライトはいくつもある。特に木管楽器奏者はハーモニカ、クラリネット、バスクラリネット、口笛と多彩な音を聴かせてくれるし、曲によって色々楽器の組み合わせやリズムが変わるので飽きさせない。大音量で、部屋を暗くして(あるいは目をつむって)聴いて欲しい。このCDはあなたを別世界に連れて行ってくれるだろう。」
そして、新製品のZL-120V2SE。MOSFETベースの半導体アンプながら、少ない数の出力デバイスで出力を確保できるBTL方式を採用し、一瞬真空管?と思わせるようなスムーズで有機的な音の感触と、半導体でなければ得られない瞬発力と引き締まった低域レスポンスを両立させた素晴らしいアンプだ(詳しくはこちら)。SE(スペシャル・エディション)モデルは特に電源部を強化し、低域のグリップ力と駆動力が大幅にアップした。出力の実力値も180W(8Ω)に向上している。 続きを読む
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Joshua Bell & Edgar Meyer Live!
http://blog.livedoor.jp/jazzaudiofan/archives/51888072.html
昨日、珍しくクラシックのコンサートに行ってきた。うちから車で30分くらいのところにあるラグナビーチという街は芸術が盛んな観光地。今年10周年を迎えるラグナビーチ音楽祭はバイオリンのジョシュア・ベルを芸術監督に迎え、1週間にわたって様々な音楽イベントが催された。...jazzaudiofan2012-02-13T10:39:42+09:00Jazz etc. Live!昨日、珍しくクラシックのコンサートに行ってきた。うちから車で30分くらいのところにあるラグナビーチという街は芸術が盛んな観光地。今年10周年を迎えるラグナビーチ音楽祭はバイオリンのジョシュア・ベルを芸術監督に迎え、1週間にわたって様々な音楽イベントが催された。その中で僕が特におもしろそうと選んだのが土曜日のコンサートだ。
場所はLaguna Beach Playhouseという収容人数300人くらいの小さな劇場で、クラシック界の大スターの演奏をこれほどインティメットな環境で聴ける機会はなかなかないだろうと思う。出演者はジョシュア・ベル以外に、クラシック出身ながらブルーグラスなどジャンルを超えて活躍する天才ベーシスト、エドガー・メイヤー、英国のピアニスト、サム・ヘイウッド、そしてLAで結成された若手弦楽四重奏楽団カルダー・カルテット。プログラムは3部構成。 続きを読む
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T.H.E. Show Las Vegas 2012レポート(2)
http://blog.livedoor.jp/jazzaudiofan/archives/51886513.html
1月10~13日にラスベガスで開催されたCESとT.H.E. Show。僕はコンサート・フィデリティの一員としてT.H.E. Showの展示部屋に詰めっきりだったので、他の部屋はほとんど見ることができなかった。特に別の会場で行われたCESの方はまったくだめだったが、T.H.E Showの方は同じフ...jazzaudiofan2012-02-05T09:31:14+09:00オーディオ ESS Labs 見るからにユニークな、大きなダイポール型のスピーカーを展示していたのはESS Labsというメーカーだ。ハイルのエア・モーション・トランスフォーマー(AMT)がミッドレンジ・ツイーターとして大きなバッフルの上部に取り付けられ、真ん中にはいくつものガラス板を連結して上下方向に振動させるユニークなツイーター、基底部にはアクティブ型のサブウーファーが格納されている。
3月:東日本大震災からまだそれほど日も経たぬうちに、伝統のキャピトル・スタジオで急遽行われたチャリティCD「Jazz For Japan」の録音現場に招待され、取材したことは色々な意味で思い出深い出来事だった。 続きを読む
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Soka BluePort Jazz Festival 2011
http://blog.livedoor.jp/jazzaudiofan/archives/51873712.html
うちから車で30分ほどのところにあるSoka University of Americaに新しいコンサート・ホールが完成したのは今年の春。4月8日に非公式なこけら落とし(?)としてケニー・バロンのソロピアノ・コンサートが開催されたことはこの記事で述べた。このホールが正式にオープンし、2...jazzaudiofan2011-12-01T20:11:24+09:00Jazz etc. Live!この記事で述べた。このホールが正式にオープンし、2011/12年のシーズンが始まったわけだが、その大きな催しとして、Soka BluePort Jazz Festivalが10月28日から30日にかけて開催された。
ジェフリー・キーザーがNYからサンディエゴに引っ越してきたのは5~6年前のことで、彼がサンディエゴ~LA近辺の優れたジャズミュージシャンと活動し始めるのに時間はさほどかからなかった。女性歌手のデニース・ドナテッリの2010年のアルバムWhen Lights Are Low(グラミー賞2部門ノミネート)などはその例だが、ギタリストのピーター・スプレイグとも意気投合し、双頭コンボを結成。今年に入って同グループのデビューCD、Mill Creek Roadを発表した。 続きを読む
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ロイ・デュナン・トリビュート
http://blog.livedoor.jp/jazzaudiofan/archives/51870475.html
Los Angeles Jazz Institute(LAJI)は特にウェストコースト・ジャズを中心とするジャズ・レコードや関連グッズを収集・研究し、年に1回、LAで主にビッグバンドをフィーチャーしたミニ・ジャズフェスを開催している。僕は数回このイベントに参加したことがあるが、ここ数年は...jazzaudiofan2011-11-16T08:07:49+09:00オーディオLos Angeles Jazz Institute(LAJI)は特にウェストコースト・ジャズを中心とするジャズ・レコードや関連グッズを収集・研究し、年に1回、LAで主にビッグバンドをフィーチャーしたミニ・ジャズフェスを開催している。僕は数回このイベントに参加したことがあるが、ここ数年はご無沙汰していた。LAJIのケン・ポストンから突然メールがあったのは10月のことだ。
Contemporary Recordsで50年代後半から60年代にかけてアート・ペッパーのMeets The Rhythm Sectionやソニー・ロリンズのWay Out Westをはじめとする傑作ジャズアルバムを録音した名エンジニア、ナチュラルなサウンドと空間表現においてルディ・ヴァンゲルダーを上回り、僕が個人的にジャズ史上最高のエンジニアとして崇拝しているロイ・デュナンに会うことができる!彼がまだ存命であることすら知らなかった僕は、10月22日、このセミナーに出席するためだけに、意気揚々とLAまで出かけていった。
Rodrigo y Gabriela / Live in Japan (CD) Estelonのスピーカー設計者、アルフレッドさんが試聴に使っていたCD。アコースティック・ギター2本だけで世界中のリスナーに衝撃を与え続けている男女2人組のユニットのライヴ盤だ。アルフレッドさんが使っていたのは13曲目の"Tamacun"。「Are you fucking ready?!」つまり「いくぜ!てめえら!」というロドリーゴの叫びとともに始まるこの曲、強烈なギターのかき鳴らしだけでなく、(おそらく下が空洞になっている)舞台の床を踏みならすドン、ドン、という低域がどれだけ再生できるかがポイントだ。
Andreas Kapsalis & Goran Ivanovic / Guitar Duo (CD) シカゴで活動している、これも偶然だがアコースティック・ギター・デュオ。Andreas Kapsalisは名前からしておそらくギリシャ系で、スチール弦ギターを使いタッピング技法も駆使する。Goran Ivanovicはクロアチア出身でナイロン弦のクラシック・ギターだけを使う。バルカン民謡、クラシック、ジャズ、ロックなどの要素が混じり合ったオリジナル曲は知的で実験的にすぎる嫌いもあるが、ヴァーチュオシックな演奏と相まって、これまでにないユニークな音世界を生み出している。
Pat Metheny / What's It All About (LP) これは僕が最近入手して、音楽も録音も気に入ったのでRMAFに持って行った。アナログバージョンはLP2枚組で、CDに入っていないボーナストラックが2曲ある。かける度に絶賛されたのがA面2曲目の"Cherish"と1曲目の"The Sound of Silence"だ。
Count Basie and His Orchestra / 88 Basie Street (LP) 中古レコード店で3ドルで入手したパブロのオリジナル盤(1983年録音)。このアルバムは数あるベイシー楽団の作品の中で特に音が良く、XRCDとして再発されるなど、オーディオファイルの憧れの的になっている。ハリウッドのOcean WayスタジオでAllen Sidesによって録音されたこのオリジナル盤は、実際びっくりするほど音が良く、演奏も最高だ。A面3曲目の"Contractor's Blues"をかけるたびに、部屋にいる人全員が笑顔になり、テンポを取ってノリノリになるのが嬉しかった。