HEAVY FLUTE: Funky Flute Grooves From the 60s and 70s
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◆『HEAVY FLUTE』Various Artists,2000
Fl:Herbie Mann, David Newman, Yusef Lateef, Hubert Laws, Rahsaan Roland Kirk, Leo Wright, Charles Lloyd
JFBオススメ度：★★★★★
今までわりとジャズ・フルートＣＤのなかでも、”ジャズっぽい”もの、上品なものを多く紹介してきました。今回はそれらとは違った角度からフルートが楽しめる、コンピレーション作品です。
"HEAVY FLUTE"というタイトルからして怪しげですが、サブタイトルの、"Funky Flute Grooves From the 60s and 70s"から分かるように、ファンキー＆ソウルフルでやたら熱気あふれるフルートが盛り沢山。普通のフルートに飽きた方、ヒップでクールなフルートが聴きたい方にはお勧め。Herbie MannからRoland Kirkまで、痒いところに手が届く選曲です。ファンキー系フルートに興味を持ったら、まずはこのＣＤから聴いて、気に入ったアーティストのＣＤを購入するのも良いでしょう。
せっかくなので、それぞれの曲について軽く触れておきます。
まずは、おなじみHerbie Mann。Herbie Mannに始まり、Herbie Mannに終わるという選曲はさすがです。当然ながら、おなじみ"Comin' Home Baby"も収録されています。（この曲については、"At the Village Gate"の方で詳しく書いていますので、そちらをどうぞ。）最後の曲"Push Push"は、The Allman Brothers Bandのギタリスト、Duane Allmanを加えた、ソウル色溢れる熱演です。ちなみに、この曲でのマンは、アルト・フルートを吹いています。少しかすれた音色がファンキーですね。
David "Fathead" Newmanは、レイ・チャールズのバンドにも在籍していた、サックス・フルート奏者です。ここでは"The Thirteenth Floor"という不吉なタイトル通りの怪しげなメロディーと、ダークなフルートのアドリブが堪能できます。仰々しいオーケストラの伴奏には時代を感じますが、今聴くと逆にクールです。
Yusef Lateefの二曲は、まさにHeavyです。もったりとしたリズムの上で、ねっとりとしたフルートのアドリブが続きます。マイクに接近して録音したのでしょう、彼の息を吸う音がはっきり聞こえ、Heavyさが増長されています。この泥臭さは受け付けないという人と、これこそソウルだ、という人に別れそうです。
Hubert Lawsはピッコロを吹いている曲が収録されています。この頃のAtlanticレーベルの方針なのでしょうか、ラテン風味のチープなロックといった感じです。なんとなく、音程の合っているHerbie Mannと形容したくなります。Hubert Lawsのクラシカルで上品な演奏に魅力を感じる方には、この曲はつまらないかも知れません。ここではチープなかっこ良さを楽しみましょう。
サックス・フルート・妙なオリジナル楽器など、なんでもこなす、
Roland Kirkも二曲入っています。巷のDJたちに大人気？の"Ain't No Sunshine"では、声を頻繁に出したりしているものの、まだフルートの演奏がメインのようです。一方、ブルース曲"One Ton"では、テーマではサックス複数同時吹きに始まり、フルートを吹いているのか、しゃべっているのか、歌っているのか、叫んでいるのか、よく分からない状況になっています。ＣＤでは分かりませんが、鼻でも笛を吹くそうです。何がなんだか分からないのですが、実にかっこいい。音楽でここまで何かを表現できたら、さぞかし気持ちよいことでしょう。好き嫌いはあると思いますが、是非聴いてみてください。
Leo Wrightの曲は、このＣＤでは一番ジャズっぽい雰囲気です。ブルース風コード進行で、リズムも、テーマの一部を除いて４ビートです。そんなに多くの作品を残していないサックス・フルート奏者ですが、通好みの品の良い演奏を残しています。
Charles Lloydの曲では、不協和音気味のピアノが鳴り響き、なんだか気の抜けるようなフルートの音がそれに被さる辺りがヒップです。このピアノ、実はKeith Jarrettが弾いています。最近の活動とはだいぶ方向性が違いますね。
【曲目】
1.Comin' Home Baby (Herbie Mann) / H.Mann 6:20
2.Thirteenth Floor (David "Fathead" Newman) / D.Newman 5:52
3.Nubian Lady (Yusef Lateef) / K.Barron 6:32
4.Let Her Go (Hubert Laws) / H.Laws 3:24
5.Ain't No Sunshine (Rahsaan Roland Kirk) / B.Withers 2:25
6.Wiggler (Leo Wright) / L.Wright 2:03
7.Sombrero Sam (Charles Lloyd) / C.Lloyd 5:14
8.One Ton (Rahsaan Roland Kirk) / R.R.Kirk 5:02
9.Eboness (Yusef Lateef) / R.Brooks,Jr. 4:42
10.Push Push (Herbie Mann) / H.Mann 8:22
まずは、おなじみHerbie Mann。Herbie Mannに始まり、Herbie Mannに終わるという選曲はさすがです。当然ながら、おなじみ"Comin' Home Baby"も収録されています。（この曲については、"At the Village Gate"の方で詳しく書いていますので、そちらをどうぞ。）最後の曲"Push Push"は、The Allman Brothers Bandのギタリスト、Duane Allmanを加えた、ソウル色溢れる熱演です。ちなみに、この曲でのマンは、アルト・フルートを吹いています。少しかすれた音色がファンキーですね。
David "Fathead" Newmanは、レイ・チャールズのバンドにも在籍していた、サックス・フルート奏者です。ここでは"The Thirteenth Floor"という不吉なタイトル通りの怪しげなメロディーと、ダークなフルートのアドリブが堪能できます。仰々しいオーケストラの伴奏には時代を感じますが、今聴くと逆にクールです。
Yusef Lateefの二曲は、まさにHeavyです。もったりとしたリズムの上で、ねっとりとしたフルートのアドリブが続きます。マイクに接近して録音したのでしょう、彼の息を吸う音がはっきり聞こえ、Heavyさが増長されています。この泥臭さは受け付けないという人と、これこそソウルだ、という人に別れそうです。
Hubert Lawsはピッコロを吹いている曲が収録されています。この頃のAtlanticレーベルの方針なのでしょうか、ラテン風味のチープなロックといった感じです。なんとなく、音程の合っているHerbie Mannと形容したくなります。Hubert Lawsのクラシカルで上品な演奏に魅力を感じる方には、この曲はつまらないかも知れません。ここではチープなかっこ良さを楽しみましょう。
サックス・フルート・妙なオリジナル楽器など、なんでもこなす、
Roland Kirkも二曲入っています。巷のDJたちに大人気？の"Ain't No Sunshine"では、声を頻繁に出したりしているものの、まだフルートの演奏がメインのようです。一方、ブルース曲"One Ton"では、テーマではサックス複数同時吹きに始まり、フルートを吹いているのか、しゃべっているのか、歌っているのか、叫んでいるのか、よく分からない状況になっています。ＣＤでは分かりませんが、鼻でも笛を吹くそうです。何がなんだか分からないのですが、実にかっこいい。音楽でここまで何かを表現できたら、さぞかし気持ちよいことでしょう。好き嫌いはあると思いますが、是非聴いてみてください。
Leo Wrightの曲は、このＣＤでは一番ジャズっぽい雰囲気です。ブルース風コード進行で、リズムも、テーマの一部を除いて４ビートです。そんなに多くの作品を残していないサックス・フルート奏者ですが、通好みの品の良い演奏を残しています。
Charles Lloydの曲では、不協和音気味のピアノが鳴り響き、なんだか気の抜けるようなフルートの音がそれに被さる辺りがヒップです。このピアノ、実はKeith Jarrettが弾いています。最近の活動とはだいぶ方向性が違いますね。
【曲目】
1.Comin' Home Baby (Herbie Mann) / H.Mann 6:20
2.Thirteenth Floor (David "Fathead" Newman) / D.Newman 5:52
3.Nubian Lady (Yusef Lateef) / K.Barron 6:32
4.Let Her Go (Hubert Laws) / H.Laws 3:24
5.Ain't No Sunshine (Rahsaan Roland Kirk) / B.Withers 2:25
6.Wiggler (Leo Wright) / L.Wright 2:03
7.Sombrero Sam (Charles Lloyd) / C.Lloyd 5:14
8.One Ton (Rahsaan Roland Kirk) / R.R.Kirk 5:02
9.Eboness (Yusef Lateef) / R.Brooks,Jr. 4:42
10.Push Push (Herbie Mann) / H.Mann 8:22
TBさせていただきました〜