MotoJazz

大好きなジャズドラムとバイクを語る薬学生のブログです^^

初めに読んでいただきたいこと

当ブログの反響を考え、記事を読む前に最初に読んでいただきたいことを書くことにしました。

読むのがめんどくさい方は、「誇張気味な表現があることを考慮し、批判的に読む。精神的に不安定な状態では読まない。」ということを覚えておいてください。

なぜ不安を煽るような文章なのか
たくさんの方にご指摘いただきましたので説明します。

これについては、ブログの書かれた背景が全く違ってしまったことが原因です。
というのも、書き始めた15日当時は、だれもマスコミの情報に疑いを持ちませんでした。放射能は危ないよ、と言うと「風説の流布だ」と叩かれるくらいでした。ブログのアクセス数も少なく、その当時では、誇張気味なインパクトのある文章が有効だと考えていました。
今、27日現在では状況は全く逆です。誰も何が正しい情報なのかわからない。事故の長期化、深刻化で精神的に参ってる方も多い。特に逃げたくても逃げられない被災者の方にとっては、僕の文章は毒でしかないでしょう。ブログも口コミで広がり始め、twitter、mixi、2chなどで大きく取上げられているようです。まさか「原発近隣の被災者が読む」なんて全く考慮していなかったことで、コメントを頂いたときは驚きました。しかし、インパクトを狙った記事が逆に仇になっている、というのは薄々感じていたことでした。


記事は削除するか

僕の記事を削除すべきかどうかは、難しい問題です。本来の責任は、情報開示をしない東電や政府、マスコミにあると思うからです。東電は隠さず情報を提示すべきです。国は「逃げる方法」と「留まることのリスク」の両方をきちんと提示し、国民の判断に委ねるべきです。マスコミはいろいろな可能性を検証し、いたずらに「安心」と言うことは避けるべきです。しかし、いずれもまともな仕事をしない。

だから今、僕のような個々人の情報の価値と責任が重くなってきてるのだと思います。
そのことを踏まえたうえで、
僕の記事は大部分がネットのアーカイブのまとめであり、調べれば同様の情報はでてきます。また、必要な人には必要な情報だと考えています。特にマスコミは依然安全としか言いませんから、そういった情報しか持ちえない方にはまだ有用な記事かと思います。ですので、削除するまではしません。

しかし、ある程度誇張気味な表現があることを考慮し、批判的に読む。あるいは精神的に不安定な方は読まずにスルーする。そういった姿勢で僕のブログを読んで頂けたら、ということを最初に書いておきたいと思います。


今後は

今後福島原発についての記事を書くかはわかりません。少なくとも誇張する表現は避けていこうと思います。コメントは少しずつ返信しますが、東京に戻り少し自由な時間がなくなったので、遅くなるかもしれません。すいません。

東電がとっても隠したい「プルトニウム」の漏洩

3/26 コメントを受け、全体的に記事を修正しました。しばらく元記事のままで検証しようと思ったのですが、アクセスが多く、誤った情報が流れるのも嫌なので、不確かな情報と思われるものについては訂正・削除しました

  • 削除:「プルトニウムは重いから飛来しない」のか? の項
  • 訂正:もちろん福島原発にも の項

他にも部分的に数箇所訂正しました。なお、今後も情報を得次第編集していくつもりです。


東電の会見を見ていると、ヨウ素やセシウムについては言及するものの、プルトニウムについては全く語らない。記者に問われるも、計測できていない、という。僕は東電の体質から言って、もうプルトニウムはある程度漏れている、と考えています。というかそう考えた方がいいです。そうしないと、後手後手になってしまうので。

今日の記事はほとんどが京都大学原子炉実験所小出裕章さんの論文からのまとめです。

プルトニウムって?

プルトニウムはウランから作られます。長崎原爆の原料でもあり、プルサーマル原発の燃料でもあります。その強い毒性は多くの学者に指摘されており、「かつて人類が遭遇した物質のうちでも最高の毒性を持つ」物質と言われています。なぜプルトニウムはそこまで危険なんでしょうか。まず生体への影響を考える上で重要なのは、

  • α線を放出する
  • 比放射能(Bq/g)の強さ
  • 体内でのふるまい

の3つです(プルトニウムという放射能とその被曝の特徴より)

プルトニウムはα線を放出する放射性物質です。α線がなぜ危険かというと、「内部被曝」においてより甚大な影響を与えるためです。これについてはこちらを参照してください

ヨウ素・ウランの数万倍危険なプルトニウム

比放射能というのは、物質が放射能を出す強さ、と考えてください。例えばヨウ素131の比放射能はセシウム137の数千倍になります。これはヨウ素は半減期が8日と短く、放射線を出す能力に長けていることが関係しています。セシウムは30年でやっと半減しますが、放射線はゆっくり出てくるんですね。

実はプルトニウムの半減期は24,000年と非常に長く、比放射能はヨウ素131と比べて一兆分の一くらい、非常に小さいんです。じゃあ安全じゃん、と思うかもしれませんが、ヨウ素が出すのはβ線、プルトニウムが出すのはα線です。

これがどれだけ違ってくるかと言うと、ICRPの勧告にて"内部被ばくに関する線量換算係数"で示されています。ようするに「吸入/経口摂取したら、物質によって人体にこれだけ影響が違うよ」という数値です(詳細 )。吸入摂取(呼吸で肺に取り込んだ際)においては、ヨウ素は7.4×10-9となっています。一方で、プルトニウムはどうでしょうか?1.2×10-4です。ではヨウ素はプルトニウムの何倍危険かと言うと、実に16,000倍なんです。この係数値はトリウムと並んで全物質中一番高い数字を示しています

α線を出す放射性物質で代表的なのはウランですが、ウランとプルトニウムを比較すると比放射能は数万、数十万倍にもなります。僕は以前、ウランは微弱なα線を出すから危ないよーと書きました(詳細)。今回、プルトニウムは同じ時間で数万倍のα線を出すからより危険、ということになります。例えばウラン235は一年間で2mg摂取しても問題ないと言われています。しかし、プルトニウム239はたった0.000052mg摂取したらアウト!です。その比は38,000倍ですから、ほとんど比放射能の比と同じと言えます。

プルトニウムは肺に蓄積する

体内でのふるまいについては、こちらにも書きましたが(詳細)簡単に書きます。α線はとても近くの物体にしか届かない(ほとんど塵ぐらいの大きさです)。しかし、一般に被曝を想定する場合では、臓器や組織単位なんです。被曝された範囲にどれだけの影響が出るか、を考えた場合、実際の場合と臓器単位に換算モデルと比較すると、(放射性物質が体内を移動すること考慮しても)100万倍以上の開きがあるんです。

加えて、プルトニウムは肺に蓄積されます。肺の自浄作用によりある程度は除去されますが、非常に長い間人体を被曝し続けるものと思ってください。自浄されないプルトニウム量は1/4ほどで、徐々に血液の中に入り、リンパ節や肝臓、骨などに集まり、排泄されずに長くとどまると言われています。半減期は骨で20年、肝臓で50年と言われています。

またヨウ素であれば8日で半減期がきますから、体内に取り込む前の段階で減少が期待できるのですが、プルトニウムの半減期は24,000年です。体内で安定物質に変化するどころか、取り込んだ人が亡くなってもその周辺を汚染し続けるのです。僕らの世代だけでなく、孫やその孫まで害が及びかねない。これがプルトニウムの怖さのひとつです。

肺がんの原因は煙草ではなくプルトニウムだった?

信頼性に欠ける項・ソースです

「角砂糖何個で日本全滅」などと言われるプルトニウムですが、実は疫学的にプルトニウムがどれほど危険かは証明されていません。調査に何十年もの時間と莫大なコストがかかるためです(このことがプルサーマル原発の設立の一助となりました)。

しかし、眞鍋攝医師によって、核実験と肺がんの相関が指摘されています。こちらの「肺がん」の項を参照してください 。簡潔にまとめると、核実験を行った数十年後、肺がんが世界中で特異的に上がる。特に喫煙者に顕著である。喫煙者は肺に入った異物の排出機能が低下しているため、プルトニウムが排出できず蓄積し、肺がんを引き起こすのではないか。というものです。

僕は初めて聞いたときは「トンでも論」だな、と笑ってしまいました。普通、たばこの中の有害物質が肺がんを引き起こすと考えますし、僕もそう習いました。でもグラフを見るとどうも嘘とは言い切れないようです。

また、原発の漏洩とは違うので単純には比較できませんが、劣化ウラン弾の使用に伴い発ガン率が10倍上がったと言われています。

もちろん福島原発にも

福島原発の3号機にはMOX燃料が使われていて、数%のプルトニウムが含まれます。それ以外の1、2、4、5機は全てウラン燃料なのですが、こちらにもプルトニウムがある程度含まれます。

プルトニウムは一般的に「重いので飛ばない」と言われていますが、チェルノブイリ原発事故で発生したプルトニウムが、微量ながら日本の雨の中から検出されたという情報があります(気象研究所)。チェルノブイリと東京の距離は8000km以上ですから、容易に安心はできないようです。

「隕石が落ちて地球が滅亡するのと同じくらい」の確率

九州原発にプルトニウムを使ったプルサーマル原発を作ろうという話になったとき(事故前)、推進派と反対派のディベートが行われました。「格納容器がぶっ壊れたらどうするの?」という反原発派の意見に対し、東大のえらーい教授はこう言いました。「格納容器が壊れる可能性なんざ、隕石が落ちて地球が滅亡するのと同じくらいの確率だ。だから考える必要なんてないんだ」と(プルサーマル公開討論会議事録より)。

プルトニウムは漏洩したのか

しかし、今福島原発ではどうなってるでしょうか?16日の昼の段階で福島原発3号機の格納容器が損傷し、水蒸気が出ていると枝野氏ははっきり言いました。ぶっ壊れてるじゃん・・・。そして、「隠蔽らしき行動が16日午後~17日に集中している」という"いかにも"な情報があります。プルトニウム漏れちゃいました、と言ってるようなもんです。

さて、もうここから先は誰にもわかりません。考える必要がなかったから考えなかった、完全な「想定の範囲外」です。

国・東電・全てのマスコミが口を揃える理由 - ICRPの欠陥

ICRP(国際放射線防護委員会)ってご存知でしょうか。

実質的にNPO団体ですが、その勧告文の影響は絶大で、日本の法律IAEAの基本安全基準の基準ともなっています。日本以外にも主要国は法律の準拠としています。いわば世界基準なんです。

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テレビでこういったグラフを見たことがあると思いますが、「一般市民の線量限度は1mSv/年」というのは、ICRPの勧告文と全く同じです(ちなみにSvというのもICRPが定義した単位です)。「一年に浴びていい量の何分の一だから安心してください」という類の文章は、全てICRPの勧告文に基づいていたわけですね。

"ICRPの勧告"の欠陥

しかしやっぱりというかなんというか・・・このICRPの勧告にも欠陥があります。

最近でもアメリカが湾岸戦争やイラク戦争で劣化ウラン弾を用いました。この原爆以来の残虐非道な爆弾を落とすことを「正当」たらしめたのはICRPの勧告です。どうです、キナくさいでしょ?もちろんアメリカはICRPの重要なスポンサーです。

何が欠陥なのかは、琉球大学の矢ヶ崎克馬教授の報告書「内部被曝についての考察」に詳しいです。

僕も素人なので、わかる範囲でまとめさせていただきます。簡潔に言うと、内部被曝と外部被曝がごっちゃになっているのが問題です。

無題

上のは同報告書を元に僕がまとめた(トレースした?)ものです。

実際に放射性物質が、内部被曝によりα線を放出した場合が左です。α線は半径40マイクロメートルまで飛びます。この間に420万eVものエネルギーを放出していくのですから、細胞は極小範囲でものすごい影響を受けます。

一方で、ICRPモデルでは局所的な影響を認めません。必ず臓器・組織単位になります。ですから、"α線がその周囲数μm"を"非常に甚大に"影響を及ぼしたとしても、ICRPモデルでは1kg中にどれだけの線量が出たか、しか考えません。

これはX線のようなγ線を・一様に・照射する場合には適用できますが(図の右)、内部被曝のα線の影響を考える場合では不十分なのがわかりますでしょうか。1kgの臓器で同じ量のエネルギーを受けた場合。質量辺りのエネルギー(eV/kg)を比べると、"ICRPモデル"より"現実の被曝モデルの方"が、なんと10億倍も高くなります。

 

この差が何を生み出すのか?

現実とICRPのモデルでは、被曝による線量は変わりませんが、被曝の"密度"が変わることがわかりました。

放射線の影響は主にイオン化です。放射線が分子にエネルギーを与え、イオン化を促すのです。このイオン化作用はDNAを傷つけます。

傷つけられたDNAは、生物学的・物理学的に修復されます。「放射線はゆっくり浴びれば問題ない」とたびたびテレビで聞きますが、これはDNA修復作用を考えてのことなんですね(図右)

無題

では局所的に、あるいは急速に大量の放射線を浴びたら、どうなるか?(図左)DNAは高密度で損傷を受けます。そしてDNAの修復が起きるのですが、人体はこのような緊急事態に対応仕切れません。このとき同様に傷つけられたDNAとくっついて、異常なDNAが発現する危険性があります。

このDNAが増殖した場合、ガンのもととなることがあるのです。

ICRPの盲点"低線量被曝の危険性"

さて、この記事の最初の画像を見てどう思ったでしょうか。あなたはきっと「大量に被曝すると危ないんだな」と思ったでしょう。これはある意味で正しく、ある意味で正しくありません。"少量の被曝だからこそ"悪影響を及ぼす場合があるからです。

被曝し、分子を傷つけられた細胞は、二通りの反応を起こします。損傷が小さい場合は、さきほどのように修復することで生き延びようとします。一方で大量の放射能で著しく損傷した場合、細胞はアポトーシス(細胞死)を起こします。ガンになるくらいなら死んでしまえ、という細胞の自殺です。前者の場合で、さきほど述べたように異常再結合が起こり、発ガンを引き起こすんです。

無題

参考:上図はこちらからの引用(P.11)  

さて、微弱にα粒子を放出し続ける放射性物質には、劣化ウランがあります。先ほどアメリカで劣化ウラン弾が用いられた、と書きました。気になるのはWHOの発言です。"劣化ウランはほんの弱い放射能だから、大量の(数グラムの程度の)劣化ウランの埃を吸い込まないならば、被曝したグループで、検出できるだけの肺癌の危険は高まらないだろう"とWHOは見解をしめし、劣化ウラン弾の使用を正当としました。これはICRPの基準を根拠とした意見です。しかし現実はどうでしょうか?現場では奇形児・白血病の発症が増加し、発ガン率が10倍にもなったのです

そして、福島原発の3号機には高濃度のウラン燃料があります。

国、東電、全てのメディアがICRPの勧告を基準にしている

何より恐ろしいのは、全てのメディア、そして国、東電が"ICRPの勧告を元に安全基準を語っている"ことなんです。考えてみれば、どのテレビでも口を揃えて同じことを言いますよね。X線より小さいから・・・1年に浴びていい値より小さいから・・・だから安心しろと言うわけですけど、これらの大元は全てICRPだったんです。

あるニュースサイトで、アメリカの教授までもが日本の専門家と全く同じ回答をしているのには驚きました。政府が口封じしている、というよりはICRPの影響が絶大なのが理由だったのかもしれませんね。

ではICRPの勧告が間違っていたら・・・?

これ以上は頭が痛くなってきたので僕はもう考えません。

ブラックユーモア

この"不完全な"ICRPの勧告にもっとも忠実な国はどこだと思いますか?

「クリーンな爆弾」として原爆を落とし、方々を劣化ウラン弾で汚染したアメリカでしょうか?原発回帰の流れの強いヨーロッパでしょうか?答えは全く逆で、原爆を落とされた日本の方なんです。日本は「ICRPの最優等生」と、国際的に評価されているんです。

僕はこれを聞いたとき、吹き出してしまいました。全く馬鹿げた、皮肉な話だと思いませんか?

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筆者:modal
職業:薬学生
バイク:Agility 125
カメラ: Nikon D40
ジャズドラム3年目。へやがすごく汚い

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