★★★☆☆
救いのないドキュメンタリー映画っていつ見ればいいんでしょうか?
笑いたいときはコメディを、
スカッとしたいときはアクションを、
ロマンに浸りたいときは恋愛映画を・・・
では救いのないドキュメンタリーは?
うーん。
とにかく僕はふとした拍子に見てしまったわけです。この映画、ある家庭に預けられた少女がその家族に虐待され死ぬまでを描いてます。母親の摂関に始まり、地下室に監禁。無自覚に虐待を続ける子供たち、母親は熱した針で少女の腹に「売春婦」と刻む。
正直、見て30分でやっべー外した!と思いました。だって鍋パーティ行く直前ですからね、鍋パーティ待機の暇つぶしに見た映画ですもん。お祭り騒ぎの前にこんなの見て僕はどうすればいいのか。でも、勇気を出して最後まで見ました。
けっこう、この映画泣けるんです。よくわからないタイミングで泣けます。普通の映画だと誰かが死んだときや、ヒーローが自分を犠牲にして戦うだとか、そういうわかりやすいきっかけがあるんですが、この映画では何でもない変なタイミングで涙が出てきました。多分僕の悲しみとか怒りとかが臨界点に達したからでしょう。じわじわと真綿で締められるような苦しさの映画です。いや、もっと強いですね。万力でじわじわ頭蓋骨締め付けられるような?
ドキュメンタリーって残酷だと思います。脚色がないわけですから、救いのない実話だと救いのない映画しか作れない。ラストの主犯たる母親が、「ごめんなさい」と呟くシーン。あれだけじゃ全く救いにならない。
「ダンサーインザダーク」「ほたるの墓」と同種の後味が残る映画です。見るときは覚悟してください。鍋パーティどうしよ。