枝野氏や、東電、マスコミが口を揃えて言う「ただちに影響の出るものではない」。これって引っかかりませんか?ただちに影響が出ないってことは、あとあと病気になってしまうかのようです。この点について今日は記事を書いてみます。
放射能の人体への影響は、実は2種類あります。早発症状と晩発症状です。
早発症状とは、例えば即死する、吐き気がする、髪が抜ける、リンパ球が減る・・・など、発症後数時間ですぐ顕症化(目に見えて症状がわかる)する症状のことです。
晩発症状とは、10年後や20年後など、長期の潜在期間を経て発症する症状のことです。白内障や白血病、ガンなどがあります。アメリカでも、被曝実験の40年後に被害者が裁判を起こした例があります。
「ただちに影響の出るものではない」の意味とは・・・。
早発症状は起きないよってことなんです。
管や枝野氏が言っているのは、「晩発症状のことはしらねーけど、数日間は症状ないよ(だから東日本の住民はパニック起こすな、作業員は仕事しろ」ってことなんです。これ、すごく恐ろしくないですか?
被曝量にもよりますが、何万人もの人が数十年後にガンになる確率が飛躍的に上がる危険性があるんです。それをマスコミや国が注意喚起も何もせず、黙ってるんです。パニックを起こしたくない一心で。傷害罪、殺人罪に問われてもおかしくない。
われわれは、細胞が放射線障害を受けてガンや白血病が発現するのは、被曝後直ちに明白になるのではないということを知らなければならない。長い潜伏期間ののにちに、悲しくもサジを投げ出さざるをえないことを悟るのだ。電離放射線の破滅的効果のほんとうのこわさを認識し理解できていなかったことを悔いることになろう。われわれは、放射線ばかりでなく他の環境汚染についても、即座の効果を期待しがちである。われわれがそれを見通せないとき、安全性に対する誤った観念が立ち上がるのである。(p27 強調は原文傍点)
これらの原子力の当局者の言わんとすることは、人がたとえば5ラド(50mGy)の被曝を受けたとき、すぐには死なないではないかというかのようである。ここで問題なのは、致死的な影響が生じているかどうかではない。われわれが心配し、また、原子力発電にたずさわっているすべての人が憂慮しなければならないことは、それとはまったく異なっている。われわれは、被曝した人がすぐにあるいは次の週に死亡したりすることを予想してはいない。ガンや白血病は5年ないし10年後に発現し、遺伝的疾病はわれわれ以降の未来世代に発生する。人間の大きな悲劇として必ず惹起する。しかし、それにもかかわらず、目を閉じたまま(当局者たちは)、“なんの影響も観察されない”といっているのだ。(p62 同前)ゴフマンとタンプリン『原発はなぜ、どこが危険か』
上記文章はここからの孫引き です。1975年出版の古い本ですが、原発側の体質がまるで変わってないことがわかりますね。これに国やマスコミが歩調を合わせてるのが現状です。おいおい、せめてマスコミだけでも仕事してくれと思うんですが、こちらも大本営発表の頃から進歩してないようです。
国が国民に堂々と嘘をつける理由
嘘、というと語弊がありますが、晩発症状を言明しない理由。さすがに国民に被害が出るとなれば、国もさすがに公表するっしょ?だってあとあと国民が大騒ぎするよ、と思うかもしれません。しかし国はそんなの屁だとも思ってません。
今、あなたは東北地方に住んでいるとします。国から大丈夫だと言われてるので、原発から30km以上離れた避難所から逃げることはしませんでした。原発問題が収束後、20年が過ぎたある日。あなたは医師にガンを宣告されます。あなたは色々な情報を得て、20年前の事故の際浴びた放射能が原因ではないかと考えます。知人に連絡してみると、当時東北に残り、同じような被害を訴える人がたくさんいました。子供が奇形だった、小児ガンになった。ガンにかかった。病気になった・・・。これはただ事じゃないと、国(や東電)を相手取り訴訟を起こすことにします。国が大丈夫と言ったから、ろくに説明しなかったから俺たちは残ったんだ。ふざけるなと。
しかし、20年前の放射能が病気の原因であると証明するのは非常に難しいのです。ぶっちゃけ裁判になると勝つのは難しいと思います。最近でも、原爆の被害者が今になって発症したが認められず、国に保障を求める裁判を起こしました。その訴訟がどうなったかはわかりませんが、数十年前の放射能と現在の病気の関連性が証明できなければ、おそらく勝ち目はないでしょう。
さて、ここで国の立場になってください。現在のように曖昧にダイジョブ、モンダイナイ、アンシンシテイイと言っておけば・・・?
- 関東でパニックが起きず、経済的にも安定
- 原発問題が収束してもそれほど言及されることはない
- 作業員は何も知らずに作業してくれる
- あとあと国民が文句言ってもシラを切れば逃げ切れる。
いいことずくめです。逆に、放射能の危険性を正直に説明すれば・・・?
- 作業員は逃げ出し原発がますます悪化
- 関東は逃げ出す人で大パニック、交通網は麻痺、治安最悪、まさに世紀末
- なんとか原発問題が収束するも、東北は健康被害を訴え訴訟の嵐。何十兆もの金が保証金にあてられる。
- 国民の大バッシングにより政権交代が起き、
- 管は暗殺され、
- 東電本社は焼き討ちにあう。
いいことひとつもないですね^^より多くの命を救える、以外は・・・。
さて、あなただったらどちらを選びますか?
ちなみに発ガン率が急上昇した数十年後・・・。管さん、および東電幹部は逃げ切ってると思います。あの世へ。
原発から50km圏内の非喫煙者、
どちらが癌の発生率が高いか・・・
言わずもがな、前者です。
「直ちに健康に影響はない」というのはそういうことです。
それ以上でも、それ以下でもない。
あなたはただ単に政府の揚げ足取りをしてるだけですね。
非常に子供っぽい理論で、まったく説得力がありません。