恐れていた二次汚染が起こりました。茨城県のホウレンソウ、福島県の牛乳から微量の放射能を検出。また、専門家の方はこぞって安心を煽っているようです。asahi.com 【Q&A】農作物から放射能、食べても平気?より。 


Q 汚染された食品をとると、体はどれぐらい被曝(ひばく)してしまうの?


A 今回、ヨウ素に汚染されていることが分かった福島県の牛乳を約1リットル飲むと、人体が受ける影響は、約33マイクロシーベルトという値になる。これは胃のX線集団検診を1回受けた時に受ける放射線量の約20分の1。

最も高い値が出た茨城県のホウレンソウを洗わずに1キロ食べたとすると、約330マイクロシーベルトになり、胃のX線集団検診を0・5回受けた値にあたる。


どうやら「X線と比較して小さいから安心しろ」と専門家は(例によって)口を揃えて言っているようですが、まずX線って思った以上に危ないんですよ。特に日本は無神経にX線を多用しすぎ、との指摘もあります。転んでひざを打っただけですぐX線ですからね。日本人のガンの3%以上はX線の放射線によるもの(オックスフォード大学の報告/医学雑誌「ランセット」)と言われていますし、特に妊婦にX線診断を行うと子供の小児ガンが1.5倍になります(数回のX線"撮影"なら大丈夫です)。

加えて、体内被曝と体外被曝の違い もあります。汚染されたホウレンソウから出る放射線は大したことありません。でもそれを食べて、体内に取り込み、消化され、肉体の一部となったとなれば話は別です。よーするに、外部から一様に放射線を受ける外部被曝と比べ、内部から・弱い放射線を・局所的に・じわじわ食らう内部被曝ってのは、ガンを発生させるのに非常に都合のいい被曝様式なんです。同じ被曝量でも。(内部被曝を考慮した上での数値のようです)

ですから、X線と比べて"安心を煽る"のは間違いです

(330マイクロシーベルトという数字はどうやって換算されたんでしょう?調べてもよくわかりませんでした。あくまで人体が受けるSvの総量だと僕は見ています。)


 Q 汚染された食品を食べたり飲んだりしても大丈夫なの?

 A 食品の安全性基準は厳しい値に決められている。健康に影響を与えかねない値より、かなり余裕をもって設定されている。だから、「ただちに健康に影響が出るわけではない」という見方で専門家の意見は一致している。あまり心配し過ぎてもいけないようだ。


「ただちに健康に影響が出るわけではない」いただきました。これが本当にやっかいな言葉でして、なぜ厄介かというと嘘じゃないからです(詳細:「直ちに健康に被害が出るものではない。」の真意 )。僕はあえて嘘と書きました。この一文は決して嘘じゃないんですけど、でも「だから安心していいです」の一文が付くと一気に「うそつき!」となります。

実際、テレビなんかでも

専門家「これ、X線と比べても遥かに少ない。だからただちに影響は出ませんよ」

キャスター「では安心していいと?」

専門家「う~んむにゃむにゃ」

となるはずです。万全を期してマスクしろ、とか言うはずです。専門家も嘘はつきたくないですから。

消費者としては茨城県のホウレンソウ、福島県の牛乳を採らないのが正解だ、と僕は言っておきます。まあ知っててわざわざ食べようと思う人がいるかはわかりませんが・・・。

この記事、残酷でしょうか?自分の息子のように育てたホウレンソウを、大量に破棄せざるを得ない茨城県の農家・・・。と考えると、「ホウレンソウ食べるな!」という僕の姿は鬼のように見えるかもしれませんね。でも、現段階ではホウレンソウと牛乳だけだからいいんです。もし「made in Japan=汚染」なんて風評が広まったら?我慢して国民が国産品を食べ、諸外国にアピールなんて日もくるのかもしれませんね・・・・。