2017年08月20日

2017/8/19 N響JAZZ at 藝劇 塩谷哲 Satoru Shionoya

「N響JAZZ at 芸劇」2017.8.19 (土) 東京藝術劇場
John Axelrod 指揮、NHK Symphony Orchestra Tokyo
塩谷 哲 (Satoru Shionoya), Piano*

素晴らしいコンサートでした。放送があるんじゃないかな。
メッセージ https://youtu.be/pYu2B9tkgXM https://youtu.be/2aFylZssmwk
ハイライトは、Saltさんがソリストを務めたChick Corea作曲、『Return to Forever』(ECM1022, 1972)に収められた名曲<La Fiesta>。先日、数十年ぶりでスペインの夏に身を置いて、超個人的にスペインを連想する音といえば<La Fiesta>と再認識したばかり(もうひとつはPaco de Lucia Sextet / Castro Marin)。福島高校ジャズ研でやっていて、私がたぶん初めて演奏したChickさんの曲でした。その後は<Bud Powell><Spain><Crystal Silence><Friends><Waltz for Dave>とか。

今回の演奏は、『Chick Corea & Gary Burton / The New Crystal Silence』(Concord, 2007年)のバージョンにSaltさんが手を加えたもの。Tim Garlandさんによるオーケストレーションで、グラミー賞を受賞しています(ちなみに録音会場ノルウェー・モルデは私の最初の海外旅行先という個人的因縁も)。

N響団員の視点ではここに至る大事件が昨年あり、2016年5月14日〜15日、Chick Coreaさんと小曽根真さんのN響が共演。モーツァルト「2台のピアノのための協奏曲」で見事に響き合い、素晴らしい音楽の時間を共にしました。アンコール曲はChickの<Spain>、この二人にしかできない音楽の魔法と奇跡をさらに見せつけられ、Chickの曲にはダイレクトには関われなかった、関わりたかった想い、心地よい欲求不満があったのではないか。そのChickの音楽と即興の世界とオーケストラの響きあいをあらためて共有して、出会いの環が閉じる貴重な機会になったと思います。本当に素晴らしいコンサートでした。武満徹さんの描くハワイ『波の盆』もよくて。5月14日分は放送されてますね。15日がさらに素晴らしかった〜。

そんな人々とさまざまな要素を有機的に結びつけ、組み立てて、グルーヴとダイナミックスを生み出して行くマエストロJohn Axelrodさん。Timさんの編曲は、オリジナルのモチーフを活かし保ちながら、巧みな編曲でさまざまな場面、表情を形作り、宮殿の部屋から部屋へ、あるいはパラレルワールドや小宇宙を旅して行くよう。John Axelrodさんに身を委ねて、Timさんが提示する場面を自由自在に泳いで、ページをめくるように旅して行くSaltさんのピアノの音が、N響のいつも以上に膨よかな響きに包まれながら、藝劇の広い空間に広がって行きました。弦楽器も管楽器も、ときにはべたにかっこよく、ファリャやラヴェルがやりそうな気の効いたしかけもあったりして、あれは演奏しながらステージ上で聴いたらすごい幸せな音だろうなと思いました。

アンコールに、Saltさん作曲の<Life with You>。以前、調布でSaltさんとクラリネットの巨匠 Richard Stolzmanさんのデュオコンサートでも演奏されましたが、その後、お話する度にRichardさんが絶讃していた珠玉の一曲。武満徹さんやオリヴィエ・メシアンさんと音楽を創ってきた彼が絶讃するだけに、コンサートホールにあって、クラシックの名曲に決して負けることのない曲であり、透明でシンプルでありながらレイヤーが重なり合い移ろって行く美しいサウンドを静かに放っていました。マエストロも本当に気に入ってくれたそうです。あ、マエストロも団員もSaltさん作曲の曲を演奏したくなっていたらいいですね。『SALT』(BMG, 1993)が初出で、あと、小曽根真さんのソロでも素晴らしい演奏があります。

そうだ、『コレナンデ商会 Meets N響』というとっかりは、、、。
http://www.nhk.or.jp/kids/pv/song/kre_song_op.html

他の曲も素晴らしかったですが、この辺でいったん失礼します、、、。寝なくっちゃ。。。
「N響Jazz at 藝劇」は、クラシックコンサートの基本形式、序曲、ピアノ協奏曲、休憩、交響的作品という配置に従っていますが、そうすると「活きたジャズの演奏」の後に「ジャズ的な音楽」が来るのですが、ラフォル・ジュルネ・オ・ジャポンで、小曽根真さんとEric Miyashiroさんの<ボレロ>が最高の熱狂で締め括ったように、休憩の前後をひっくり返した方がよいと思うし、せっかくの素晴らしいソリストを本格的にフィーチャーする曲が複数あってもよいのでと思いました。素晴らしいマエストロとともに次回に期待です。

Saltさん、Chickさん、Johnさん、Timさん、リッキーさん、みなさま、すばらしい音楽をありがとうございました。
---
NHK Symphony Orchestra Tokyo -
Jazz at Tokyo Metropolitan Theater「N響JAZZ at 芸劇」
2017.8.19 (Sat) 17:00 東京藝術劇場 Tokyo Metropolitan Theater
John Axelrod, Conductor
塩谷 哲 Satoru Shionoya, Piano*
NHK Symphony Orchestra, Tokyo NHK交響楽団

Dmitri Dmitrievich Shostakovich: Tea for Two (Tahiti Trot) op.16

Dmitri Dmitrievich Shostakovich: Jazz Suite No.1*
1. Waltz 2. Polka 3. Foxtrot

Chick Corea: La Fiesta* (Arr: Tim Garland)

EC) Satoru Shionoya: Life with You*

- Intermission –

Leonard Bernstein: Three Dance Episodes from “On the Town”
1. The Great Lover
2. Lonely Town: Pas De Deux
3. Times Square: 1944

Leonard Bernstein: Symphonic Dances from “West Side Story”
1 Prolog
2 Somewhere
3 Scherzo
4 Mambo
5 Cha-Cha
6 Meeting Scene
7 Cool
8 Fugue
9 Rumble
10 Finale
EC) Mambo

スペインの写真を少し、グラナダのアルハンブラ宮殿から。中庭(Patio)系の景色が、Super Salt Bandの大好きなを連想します。。
http://www.jazztokyo.com/five/five975.html

皆既日蝕より貴重な経験ができました、と行けない負け惜しみ。

マエストロが、Once a Lifetime Experience を聴きに来てね、って言ってますね〜。本当にそうなっちゃいました。ありがとうございます!!  

Posted by jazzworld at 17:37Comments(0)