特にキッカケがあった訳ではないけど



ふと思い立ったので書こうと思う



世の中には「特発性過眠症」という病気がある


手取り早く、詳しく知りたい方はwikiで



特発性過眠症



一言で言えば、人より「眠気が異常に強い」病気である



重要な点は「眠くなる時」に訪れる「眠気」が強いのである


つまり睡眠の過不足によるものではなく、前日に10時間寝たとしても、4〜5時間しか寝てないとしても、例えば昼食後に量子力学の講義を大講堂で受けたときに多くの学生を襲う「眠気」というものが、異常に強いのである


一説には健全な人が48時間起き続けたときと同等の眠気とも言われる


会議中に居眠りをして怠け者のレッテルが・・

※参照


ホンマか?と思う人もいるかもしれない


実際、先ほどの記事の48時間というのも、どこから引用した情報なのか分からない


しかし、痛みの感覚が人それぞれだったり、同じ空気を浴びているのに花粉症になる人とそうでない人がいるように


眠気だって人それぞれで、どうしても抗えないような眠気に襲われる人もいるのである


そもそも、眠気が常に抗えるものなら、居眠り運転なんてそうは起きないだろう



この病気が厄介な理由の一つに、発症率の低さがある


花粉症くらい広く認知されていれば、「目が痒い」と言っただけで直ぐ共感を覚えてもらえるし


この時期であれば、「体がダルい」と言っても、すぐ風邪と決めつけるのではなく、花粉症の可能性も考慮してくれる



しかし、諸説あるものの特発性過眠症の発症率は5〜60人に一人程度とも言われている


あるサイトでは、2000人に一人以下とも書かれている

Suimin.net

※このサイトでは特発性過眠症と類似する睡眠障害の一つ、ナルコレプシーの発症率が1000〜2000人であり、それより特発性過眠症は少ないとされている



あまりにもマイナーな病気故に、眠気に耐えられない、という状態は一般的には病気と捉えてもらえることは少ない



「怠慢」と捉えられることが多い



先ほど引用した記事「会議中に居眠りをして怠け者のレッテルが・・」の通りである




しかし、この眠気を客観的に評価する指標がある


それが「入眠潜時 (または睡眠潜時)」である


冒頭のwikiの「症状」の項でさりげなく登場している


意味は「覚醒状態から眠りに入るまでの所要時間」と書かれている


要するに、寝転がってから寝付くまでの時間だと考えてもらえればいいのだが


一般的な入眠潜時は15分前後であり、野比のび太君は0.93秒と言われる


野比のび太

※第5項「特技」参照


特発性過眠症の場合、寝付くのが人より早く

入眠潜時が8分未満、平均して6.2分 ±3.0分とされている


逆に言えば、入眠潜時を計測し、平均8分未満なら特発性過眠症と診断されることになる


また特発性過眠症には長時間睡眠を伴うもの、そうでないものなど、細かい分類はあるものの


以下のような特徴が見られる


・昼間の仮眠が長時間にわたる

・仮眠後の目覚めが困難

・朝の目覚めが悪い

さらに長時間睡眠を伴うものでは

・1日の睡眠時間が10時間以上

といった特徴もある


野比のび太君の特技の補足説明には、「1日の睡眠時間は12時間」とある


紛れもなく、過眠症羅患者である


先生には是非、のび太くんが授業中に居眠りしていても、いきなり怒鳴り散らすのではなく、ゆっくり起こしてあげて欲しい


少し話が逸れたが、入眠潜時を測定することで中々想像し難い他人の眠気というものが少し分かるようになった


これは大変ありがたいことである


クライマーに例えて言うならば「指の痛み」が数値化されたようなもの


指の痛みがわかれば血塗れになって打ち込む人のストイックさが分かる


いつも指が痛いといって登らない人が、どれだけ重症なのか、はたまた口だけなのかが分かる


そして


自分の入眠潜時がこちら


image




ゼロ!


まさかの 0 !!


のび太超えである


ショコタンの体脂肪か!

と思わず突っ込みたくなる数値。


医者が開口一番「病気だよ」と告げるレベル



0とかおかしいだろ!と思う人もいるかもしれないが、間違いなく0だった


何故なら、自分はベッドに横になり、測定器を取り付けている間に寝入っていたのだから


計測が始まる前から、眠りについていたのである


ゼロどころかマイナスだ


まぁ、のび太君は計測器をつけるでもなく0.93秒で寝れるようなので、のび太超えというのは嘘かもしれない



どちらにせよ、言うまでもなく自分ものび太君と同じ、特発性過眠症の羅患者である








とはいえ、脳波を計測する前から、自分でもきっと病気に違いない、と思ってはいた


コロラドでTop Notchを血でヌメるまでトライしたときも


日々京大ウォールで打ち込んだトレーニングも


数々の痛みに耐え抜いてきたけど


不意に帰りの助手席で襲ってくる眠気には勝てなかった



京大ウォールに入部したての頃、大ベテランクライマーに岩に連れて行ってもらったときも


帰りの助手席で寝落ちしては、また別の先輩に「寝るなよ」と怒られ、終いには「起きる気ないだろ?」と言われてきた



そんなことが多々あったから、特発性過眠症を患っていることに特に驚くこともなかった




しかし、自分でもここまで重症だとは思わなかった



まして、計測器をつけ始めた時には

「なんか結構気持ち悪くて、寝付けなさそうですね〜」

などと口にしていた

※最初は椅子に座って、頭部に木工ボンドのような接着剤で脳波の測定器を付けていく


それが横になって、気を緩めた途端、すんなり寝落ちした



正直、「自分が病気であることの証拠」を取りに行くくらいの気持ちで検査を受けに来た


これで検査結果が正常だったら、いよいよ寝落ちしてしまうことに何も言い訳立たないし、逆に世の人々は何故こんな眠気には耐え続けることができ、講義中に寝落ちした学生を叱りつけ、内申を下げ、そしてハタUキ君は痛いのが嫌という理由で岩から遠ざかっているのだ!?


そう疑問を呈せざるを得ない心境だった



それが蓋を開けてみれば、まさかの0


圧倒的重症!


痛い痛いと言いながら登り続ける男の指の痛みは、実は常人のそれを遥かに凌駕していたのである


そして何度となく、痛みに耐えかね、敗退しては、「根性がない」「やる気がない」と蔑まれてきたのだ




今回の結果は言ってみれば「勝訴」である


今まで散々「寝てんじゃねーよ!やる気あんのか?」なんて軽く言ってきたやつらに見せつけてやりたい


おれは「無実」だと!
少なくともやる気のあるなしは勝手に決めつけるな、と

48時間徹夜してから言ってくれ!と


そう言いたい


因みに、特発性過眠症かどうかのチェック項目には次のようなものがある


http://www.suimin.net/step1/syndrome/type_b/


また、wikiにも挙げられているが長時間にわたる睡眠エピソードや頻繁な日中の睡眠エピソードの存在も、特発性過眠症の可能性を示唆している


日中の睡眠エピソードに関しては、挙げようと思えば枚挙に暇がないが、ハッキリ言って岩場帰りの助手席で寝てしまうなど序の口であり、


自慢にもならないが教習中の助手席で寝落ちしたことがある


太ももを抓り、背もたれから背は離し、出来るだけ声を出して返事することを心掛けていた、にも関わらずである


かつてないレベルで激怒された


あれほど合宿で免許を取りに来たことを後悔したことはなかった


その他、高校時代、模試のリスニング中に寝落ちして、9割5分白紙で提出したこともある


全ての志望校がE判定だった


むしろ判定してくれただけありがたい話である


エピソードを全部挙げたらスターウォーズくらいは軽く超える自信がある
無論、覚醒することはない












長々と書き連ねてきたけど、何か特別に言いたいことがある訳ではなく


強いて言うなら、とにかくこんな病気がある、ということを少しでも知ってもらいたい


居眠り=怠慢、という図式が定着している社会は、生きにくい

スペインのシエスタという文化が羨ましくて仕方ない

いつも運転してくださるO西さんに、改めて感謝したい

そして、日本代表合宿のミーティング中に寝落ちしたのは、病気のせい

そんなことを言いたい

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つづく


次回〜モダフィニルの副作用〜