JE3PRM のblog

通常のWebの http://www3.kcn.ne.jp/~takishin/je3prm/jpn.html で私のシステムを紹介してきましたが、日々の変更などを反映するのに手間がかかるので、Blogの中でいろいろ発信して行きます。 上記のWeb(最終作成 2016/11/22)をベースにしますので、参照ください。

前Blogに記したように、SDRuno+RSPduoの組み合せで、関心事の高いものが「Diversity」であり、この機能を色々チェックした。 今まで使ってきたのはRedpitaya+Thetisの組み合せであり、これとの比較となる。Diversityの効果は下図のような期待したすばらしいものが得られた。
DV_uno

ただし、使い勝手ではかなりの差がある。 操作に関する情報はここであるが、Thetisに比べると設定や動作の技術的な解説が不十分で最適にするのに慣れとコツが必要に感じる。 またスペクトラムの画面設定を含め、Diversityに関する全てが起動毎初期化され、起動する度に多少面倒なことを繰り返す必要がある。 何とか改善して欲しいものだ。

SDRunoとThetisのDiversityに関する違いを以下コメントする。 下記が両社の設定画面だ。
DV_set

操作マニアルには特に記述はないが、Decimation(間引きという意味) を目的の帯域近くまで狭めた方が良さそうだ。 7Mhzなら8で帯域172KHzとなる。 また1,2のアンテナのゲインの違いからRFgainを変えた方が良い場合もある。 位相と振幅の円の画面設定は非常に微妙でThetisのような単純ではなさそうだ。

一方Thetisの設定は単純でどちらかのアンテナ入力を基準(Reference)とし、もう一つの入力の位相と振幅を変える設定であり、私の場合ノイズは365日24時間ほぼ一定であり、設定を変える頻度は非常に少ない。 一方SDRunoの場合、短時間でも変化したりしており、アルゴリズムが分からない。

ただし、理由は不明だが、ThetisでうまくキャンセルできないノイズをSDRunoがキャンセルできたことがあった。 

2018年にSDRとしてRedpitayaを使って色々な取り組みをしてきた。 特に不満はないのだが、今まで送信を主として取り組み、受信はたいした検討をしていない。 そこで今度は受信に軸足を置いたものが欲しいと考えた。 RSPduoRedpitayaは元々通信用に設計されたものではなく、入力インピーダンスも測定用として1MΩであり、利得も低い。 しかし以前のBlogで記したように、私の環境の大きな問題はノイズであり、このキャンセルにDiversity機能を使い非常に重宝している。 残念ながら国内の市販トランシーバでその機能を持ったものはなく、それらを買う選択はない。 

そんな中SDRplay社のRSPduo(右図)とPCアプリSDRunoを組み合わせてDiversity機能を実現するバージョンができた。 SDRduoの画面が下図であり、矢印がDiversityの設定である。
SDRuno

そこでこれを使って、理想的な受信環境を作ってみようと考えた。 送信は一般のトランシーバを想定する。 その回路が下図である。
SDR_TX_sys

Diversity用のアンテナは送信時グランドを含め、完全に装置から切り離す。 これは送信時大きな誘起電力がノイズアンテナに誘起されるので、その影響の遮断が必須である。 RSPduoは2Gまで受信可能だが、HFに関するBPFは2-12MHz, 12-30MHzとかなりおおぐくりであり、これの検討やノイズなどの検討を含め、RSPduoの前にアッテネータ、BPFとプリアンプを入れた自作のユニットを置く。 そのコントロールをラズパイpicoで行おうと思う。 SDRunoとトランシーバの同期はOmniーRigに多少追加のプログラムを加え行う。

RSPduoが届いた。 ずっしりとしたアルミケースに内臓されている。 とりあえずSDRunoをインストールして使い始めた。 Diversity の動作も確認した。 今後色々調査や測定などをして評価したい。

TS690SとRedpitayaの組み合わせのシステムを完成させてもう5年ほど経つ。 現状ではもう一つのRedpitayaを使ったものを通常使っているが、久々にTS690Sの方を使ってみた。 ところが送信に出力を出すと、次に受信に戻った時正常に受信できなくなった。 スペクトラム画面にノイズフロアすら表示しない。 しかもこの現象は数時間電源をOFFすると正常にもどる。 いわゆるラッチアップ現象と見られる。 TS690SとRepitayaの関係の概略が下図である。
sys_red
TS690Sからの受信用ケーブルを外すと異常は起きなかったので、このラインから大きな信号が乗ってくると考えられる。一応Redpitayaの入力には保護用のダイードを正逆2本入れてあるので、問題ないと思っていたのだが、これでは十分ではないのかも知れない。 redpitaya_anan本来ならRedpitayaへの入力を送信時には切り、グランドに落とす必要があったと思われる。 この点は迂闊であった。

なぜ今までこの現象が起きなかったのかは、これはバンド切り替えの設定が右図のように送信時にはすべてオープンになる設定となっていたのが理由と分かった。 今回は別の装置の設定の影響で、送信時にもRedpitayaの入力がプリアンプにつながり、結果ここから大きな信号が入っていたと思われる。

iso_relay
ということで、設定を以前に戻して落着したが、ここでよく使われる通常のリレーの場合、OFF側のアイソレーションはどの程度なのかの疑問がわいたので、nanoVNAで測定してみた。  10MHzでー50dB、30MHzでー40dBだ。 とすれば、今回の場合、100W時高々10mW(2Vpp)で、この原因ではなく、ケーブルからの影響と思われる。 TS690Sからの信号経路は合計40cmを超すので、これが問題だ。 今後は送信時は受信入力端子直前で切り、グランドに落とすことにする。




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