2007年12月

2007年12月31日

「パラダイス・ナウ」・・・・・やつらは空爆する、俺たちは自爆するしかない

f54f390f.jpgparadise早くも大晦日になってしまった。えらく寒いな、今日は。私は大晦日だからといって特に何かする人間じゃない。TVもつまらないから見ないし、どこにも出かけない。ブラーの「the end of the century」のごとく、別に特別なことは何もない。たぶん次の映画を見て眠るだけ。なんか寂しいね。
それでもPTAの「boogie nights」のオレンジのポスターを新しい携帯の待ちうけにして超ご機嫌★口紅9色も購入できたし※
PCは壊れ気味だけど今はなんとか生命を回復しています。
ちょっと春頃までに女磨きをしようと決めました。理由を知っている人は驚愕するでしょうが、やっぱり最大限★※◎■してみたいじゃない??人生はやはり楽しまないと・・・・・。ほら、「24 hours party people」でトニー・ウィルソンが言ってたもん、「生きてることが幸せというなら、若さとは天国だ!」そんなわけで、私、準備は万全にすることにいたしました。まず、髪の毛をツヤツヤにして、無法地帯の顔の肌を整えて、ボディシェイプして、いっちゃんさんみたいなネイルにする。まるでお人形のようだと言われるその日まで、絶対に負けないんだからね!
今年最後の鑑賞作品になるかも知れない本作は、自爆テロに向かう二人の青年の48時間を描いたもの。前に名古屋シネマテークで上映しててちょっと気になってた。
時折ロケット爆弾が飛んでくるイスラエル占領地のヨルダン川西岸地区。自爆攻撃に選ばれた幼なじみの二人の若者、サイード(カイス・ネシフ)とハーレド(アリ・スリマン)。ハーレドは殉教することによって英雄となることを喜び、サイードは密告者の息子という汚名を晴らす為、静かにそれを受け入れた。しかし、サイードにはお互いに心惹かれあう女性と自爆攻撃を決して喜ばない母がいた。やがて決行の日、二人は髪とひげを剃り、腹には外すと爆発する爆弾が巻かれた。決行の場所へと向かう二人。しかしその途中、思わぬアクシデントが二人を離れ離れにしてしまう・・・。
製作:2005年 フランス・ドイツ・オランダ・パレスチナ合作
上映時間:90分
監督:ハニ・アブ・アサド
マトモな感想はその辺のサイトで読んどいてください。「ミュンヘン」との比較とか、報復がどうとか、平和への手段とか、この映画がイスラエル人監督によるパレスチナ&ヨーロッパ合作映画だってこととか、そのへんは飛ばす。あくまでも私なりの感想しか書かないから。
まずイスラム教について時々彼と話すことを思い出した。この前も「なんでイスラム世界は衰退したのか」って話をしたと思うけど、やはりそれは国家体制そのものを7世紀の宗教が法律として縛っているせいなのかな?しかも超不寛容なんて、近代化出来ないじゃんか。イスラム教ってのは、いろんな宗教のなかでもっとも世俗的で現世的な宗教(商人の宗教だもんね)だったはずなのに、今となっては国家経済の足かせみたいに思える。
しかもイスラム世界にとってさらに悪かったのは、パレスチナにユダヤ人を大量に送り込んだシオニズム運動とか、フサイン・マクマホン協定無視でユダヤ人の金ほしさにパレスチナにユダヤ人の国家を認めるとか約束しちゃったバルフォアの馬鹿(っていうかイギリスの二十外交)、イスラエル援助のアメ公など、欧米人に好き勝手やられてしまったことなんだろうな。この映画はパレスチナ、イスラエルがタッグを組んで中立的な立場で作ってるとか言うけど、ヨーロッパ人度もがすっかり責任放棄だろ。せっかくフランス、ドイツ、オランダというイギリスの敵が集まってるのにアングロサクソン人への責任追及は一切無しなんだー、と思った。
さらに悪かったのが、アラブ地域の民族が結構血の気の多いやつらだったってことね。シュヴァンクマイエルが「チェコ人は自らの存在の大部分がほかの民族の支配下にありました。こうした場合において、国民は宗教的な気違いになるか、ブラックユーモアに陥るしかないのです。チェコ人の場合は、幸いこの二つ目でした・・・・」といっていたが、大抵の追い詰められた民族や国家が宗教的(或いはそれに変わる何かに関する)気違いになってきたと思う。たとえば、アイルランドだってそうだし、戦前日本もそう。歴史的に戦闘意欲に全く欠けるチェコ人wwwイスラム原理主義の人たちの話を聞いているといつもこの話を思い出してしまう。
さて、ワールドワイドラブ&ピースを願いながら大晦日を過ごしたわけだけども、ラブ&ピースといえば、この映画の日本語吹き替え版、窪塚とARATAらしいのよ。しかもそれがすっごい下らんのよ。自動再生すると日本語版が流れるから聞いてたけどまるで海外コメディドラマ・・・・。これは酷い、やめて欲しい。
ま、そんなわけで、なんだか押さえるところをわきまえないへんな感想、終わり。

jean18371 at 16:18|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 映画 は行