2005年09月27日

『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』第44話「PHASE-43 反撃の声」

機動戦士ガンダムSEED DESTINY
第44話「PHASE-43 反撃の声」
アニ感チャート
作品情報 スタッフ
機動戦士ガンダムSEED DESTINY
第44話「PHASE-43 反撃の声」
  • エグゼクティブプロデューサー:
    竹田靑滋(毎日放送)、宮河恭夫(サンライズ)
  • プロデューサー:
    諸冨洋史(毎日放送)、丸山博雄(毎日放送)、
    佐藤弘幸(サンライズ)
  • 監督:福田己津央
  • シリーズ構成:両澤千晶
  • 脚本:大野木 寛、高橋ナツコ、両澤千晶
  • 絵コンテ:米たにヨシトモ、西澤 晋、福田己津央
  • 演出:西村大樹
  • キャラクター作画監督:山口 晋
  • メカニック作画監督:有澤 寛
  • 原画:平井久司、重田 智、他
  • 背景:GREEN、風動画設計制作有限公司
  • 製作:毎日放送、サンライズ
物語の展開メモ
機動戦士ガンダムSEED DESTINY
第44話「PHASE-43 反撃の声」
  • 重症のアスラン、ジャスティスで出撃。
  • レイのレジェンドとシンのデスティニーに苦戦するキラのストライクフリーダムの前に、アスランのジャスティスが救援。
  • アスランに諭され葛藤するシン・アスカ
  • ユウナ死亡とおぼしき表現。
  • ザフト軍、旗艦を失い、ミネルバのタリアの総指揮により撤退。
  • ロード・ジブリール脱出。
  • ネオ、アークエンジェルのマリュー・ラミアスの元に残る決意。
  • マスメディアを利用したデュランダル議長の情報戦によって邪魔される、カガリの声明。
  • 放送にて公の前に姿を現し、議長に一泡吹かせるラクス・クライン。
■良かった点
  • 主に10歳前後の子供には、スーパーロボットアニメとして、また和風なドラマの好きな方々には、ホームドラマとして、適度に楽しめるかもしれない作品ではないでしょうか。
  • 複数の主要登場人物が、各々適度に役割に応じて物語に絡んで構成できていた点。
  • 適度にテンポが良く内容も豊富な、戦闘場面構成。
■その他
  • いつの間にやら、ミネルバとアークエンジェルの艦隊決戦で他のザフト軍は見当たらず。
  • 疑問な距離の構図による、ミネルバとアークエンジェルの艦隊決戦。またも超ご都合主義な艦隊決戦終結構成。
  • ロード・ジブリール、二度目の奇跡の脱出劇。単なる物語構成上のご都合主義の糧として、利用し表現されるばかりのロード・ジブリール。興ざめも甚だしい。
  • ネオ・ロアノークの脳裏にフラガの記憶。

 前作の登場人物であるムウ・ラ・フラガは、ほとんど戦死したとしか受け取れないような表現がなされたことは、前作『機動戦士ガンダムSEED』における場面表現上も物語構成上も明白です。もし本作にてネオがムウ本人であるという構成であれば、重大な欺瞞に満ちた制作姿勢と言わざるを得ません。そしてそれは本作品の物語の、本質的品質の低さをあらためて露呈する要素となるのではないでしょうか。

 現実と仮想の相違点。そのひとつに、現実では生じた結果変更が不能で、仮想では変更が可能であることが挙げられると思います。リアリティがあればあるほど、緊張感を持たせることができるからこそ、物語がおもしろい場合があると思います。例えばゲームをするときに、プレイヤーを無敵にしてしまったら、大半のおもしろさを失ってしまいます。

 アニメにおける物語作りにも、これと似たような構造があるのではないかと思います。物語中の「戦争」や「死」に、程度の差はあれどもドラマ性を感じることが可能なのは、その物語の次元における最低限のドラマ構成のルール等によって得られる、一種のリアリティの効果があるからだと思います。

 例えば、実際に本作品は物語中で、主人公シン・アスカの家族が命を落とす場面等、人の死の場面を「リアルに」表現することなどで、主人公シン・アスカに関するドラマを盛り上げたり、同情や共感を生み出そうしていると見ることもできます。

 例えばシン・アスカの妹や両親らが、本作品の結末になって「実は生きていました」などという構成を考えてみると、それは基本的に重大なルール違反になるため、当然構成できないわけです。もしそれを無視してしまえば、言うまでもなくドラマを崩壊させてしまい、興ざめです。

 ある特定の登場人物が死亡したとしか思えないような表現を、度々行うことや、今回のネオとムウに関する懸念である、死亡を確信させられていた登場人物の、生存の可能性などの表現は、目の前の場面を盛り上げようという発想により、作り手自らが自身のドラマ構成の最低限のルールすら踏みにじり、当該ドラマ全体をも崩壊させてしまうのではないかと思います。

 要するにドラマにおいて「何でもあり」にしてしまうと、当該作品の物語の見方等を根本的に規定している視聴者の概念的枠組みが崩壊し、緊張感や感動を得ることや、テーマや主張に効果的に共感することが非常に困難な、興ざめ極まりない物語なってしまう恐れが強いのではないでしょうか。

 この、視聴のための概念的枠組みの喪失と、結果として生じる興ざめによるドラマへの失望感の程度は、視聴対象年齢や視聴姿勢に応じて異なるであろうことは確かです。ですから本作品が、10歳前後を主要な視聴者層として制作していると推察できることから、私が懸念するような問題は軽微であり杞憂なのかもしれません。

 本作品がいわゆる「子供向け」の作品であることは、今更言うまでもありません。問題を感じるのは、「子供だまし」な表現を多用しているように感じられることです。「子供だまし」な表現に引っかかるのは、むしろ「大人」のほうだという見解を目にした覚えがあります。もし本作品を見た子供以外の方々で、効果的に感動できる方々は、ひょっとするとそのようなからくりの影響を受けているのかもしれません。本作品の作り手が敢えて「子供だまし」な表現を用いるのは、実は以上のような効果も企図した結果なのかもしれません。


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アニ感チャート別表
個人的な印象の数値化です。
(最低〜最高点。120点満点。)

印象とはいえ数値で一覧化すると自分でも疑問を感じる整合性のなさです。最高点順であり平均点ではありませんので、一部かなり奇妙な順序になっています。1話の評価しかない作品もあり、一律に序列化すること自体に無理があるのは承知です。並べてみるのもおもしろそうだったので試したまでです。管理人自身の今後の参考用とお考えください。平均点順に順次変更中。
【 2006/1/15 更新 】

  1. WOLF'S RAIN
    ウルフズレイン

     :110点
  2. 攻殻機動隊
    S.A.C. 2nd GIG

     :90〜107点
  3. 攻殻機動隊
    STAND ALONE COMPLEX

     :84〜104点
  4. SAMURAI 7
    サムライセブン

     :103点(シリーズ)
  5. かみちゅ!
     :103点
  6. 創聖の
    アクエリオン

     :103点
  7. 巌窟王
     :95点(シリーズ)
  8. ふたつのスピカ
     :94点
  9. ジパング
     :82点(シリーズ)
  10. バジリスク
    甲賀忍法帖

     :81点(シリーズ)
  11. 劇場版
    機動戦士
    Zガンダム
    星を継ぐ者

     :79点
  12. Rozen Maiden
    ローゼンメイデン

     :77点(シリーズ)
  13. BECK
     :77点(シリーズ)
  14. ぺとぺとさん
     :56〜77点
  15. 英國戀物語エマ
     :54〜73点
  16. 機動戦士
    Vガンダム

     :72点
  17. TIDE-LINE BLUE
    タイドライン・ブルー

     :72点
  18. 撲殺天使
    ドクロちゃん

     :70点
  19. NARUTO ナルト
     :54〜65点
  20. MONSTER
    モンスター

     :51〜64点
  21. ケロロ軍曹
     :57〜61点
  22. ONEPIECE
    ワンピース

     :56点
  23. ガン×ソード
    GUN SWORD

     :30点〜54点
  24. ハチミツと
    クローバー

     :53点
  25. 交響詩篇
    エウレカセブン

     :52点
  26. トリニティ・ブラッド
    Trinity Blood

     :50点
  27. IGPX Immortal Grand Prix
     :49点
  28. ピーチガール
     :48点
  29. SPEED GRAPHER
    スピードグラファー

     :32〜44点
  30. エレメンタル
    ジェレイド

     :39点
  31. SHUFFLE!
    シャッフル!

     :39点
  32. 奥さまは魔法少女
     :35点
  33. おねがい
    マイメロディ

     :33点
  34. 機動戦士ガンダムSEED DESTINY
    :32.8点(50話平均)
    22〜55点
  35. こみっくパーティーRevolution
     :26点
  36. 円盤皇女
    ワるきゅーレ

     :25点