2005年11月15日

『魔法少女リリカルなのはA’s』第4話「新たなる力、起動なの!」

魔法少女リリカルなのはA’s
第4話 「新たなる力、起動なの!」
『魔法少女リリカルなのはA’s』第4話:アニ感チャート
作品情報 スタッフ
魔法少女リリカルなのはA’s
第4話 「新たなる力、起動なの!」
  • 監督:草川啓造
  • 脚本:都築真紀
  • キャラクターデザイン:奥田泰弘
  • 絵コンテ:
    三島由紀世、佐土原武之、斎藤良成
  • 演出:佐土原武之
  • 作画監督:澤崎 誠
  • 総作画監督:奥田泰弘
  • ビジュアルデザイン:斎藤良成
  • 原画:金子 誠、(他20名)
  • 第二原画:(6名)
  • 動画チェック:川島達矢、藤本明子
  • 動画:原田利昭、三樹信也、
    HANJIN ANIMATION、JIWOO ANIMATION、
    アークトゥールス作画室(5名)
  • 色指定・仕上検査:花田未央
  • デジタル仕上:宮川はれみ、田崎智子、
    藤本明子、スタジオ・エル、
    HANJIN ANIMATION、JIWOO ANIMATION、
    上海新陽動画
  • 美術設定:片平真司
  • 美術監督補佐:田村真衣子
  • 背景:E-cho
  • 特殊効果:w-sky有限会社、鈴木さち
  • ビジュアルエフェクト:南口大助
  • ビデオ編集:東京現像所、山本洋平
  • ミキサー:大坪恵美
  • 音響効果:高梨絵美(ena)
  • 音響制作:オムニバスプロモーション
  • 設定制作:千原 剛
  • スーパーバイザー:田中 勇
  • 制作協力:スタジオ旗艦
  • アニメーション制作:セブン・アークス
  • 製作:なのはA's PROJECT
(敬称略)
作品情報 キャスト
魔法少女リリカルなのはA’s
第4話 「新たなる力、起動なの!」
  • 高町なのは:田村ゆかり
  • フェイト・テスタロッサ:水樹奈々
  • 八神はやて:植田佳奈
  • ユーノ・スクライア:水橋かおり
  • アルフ:桑谷夏子
  • 高町美由希:白石涼子
  • シグナム:清水香里
  • ヴィータ:真田アサミ
  • シャマル:柚木涼香
  • ザフィーラ:一条和矢
  • リンディ・ハラオウン:久川 綾
  • クロノ・ハラオウン:高橋美佳子
  • エイミィ・リミエッタ:松岡由貴
  • レティ・ロウラン提督:鈴木菜穂子
  • アリサ・バニングス:釘宮理恵
  • 月村すずか:清水 愛
  • 石田医師:佐久間紅美
  • 教師:前田ゆきえ
  • 武装局員:栗山浩一
  • 岩竜:柿原徹也
  • レイジングハート:Donna Burke
  • バルディッシュ:Kevin J. England
  • 闇の書:Alexandra Haefelin
(敬称略)

 三人の「守護騎士」たちとその「」の朝の風景。「守護騎士」たちの別の顔を見せることは、彼女たちの魅力作りに効果的です。今回の『魔法少女リリカルなのはA’s』第4話も、冒頭から良い感じの構成です。

 水樹奈々さん演じる「フェイト・テスタロッサ」、戦闘時とはうって変わって、日常ではかなり少女っぽく描かれています。これにより効果的に戦闘時のキャラクターの魅力が増すというものです。よくできています。

 「作戦本部」の場面にて、大まかな物語の設定とこれからの展開について提示があります。これにより、見る者自身が一定の展開への期待を膨らませることができます。効率的構成であり巧みな演出といえるでしょう。「守護騎士」を捕らえて「」を引きずり出すとき「はやて」はどうなるのか。「闇の書」が白紙に戻り別次元で復活するために現次元を去るとき、「はやて」と「守護騎士」たちの行く末はどうなるのか。「守護騎士」たちの真の目的は何なのか。「はやて」の今後の行動はどのようなものになるのか。その辺りの感動的であろうドラマ構成への漠然とした想像が広がります。構成次第で非常に魅力的なドラマになることは間違いありません。それをこの作戦本部での彼らのやり取りの一端からうかがい知ることができます。

 それにしても田村ゆかりさん演じる「なのは」、水樹奈々さん演じる「フェイト」らが並んで廊下を歩く場面を見ていると、あらためてヘアスタイル以外の相違が希薄なデザインです。この点が『魔法少女リリカルなのはA’s』において、個人的に唯一最も気になる少々惜しまれる点といったところでしょうか。

 「はやて」を演じる植田佳奈さんは、関西ご出身だそうです。アニメ『ぺとぺとさん』の主人公・ぺと子(藤村鳩子)役も植田佳奈さんでした。関西出身ということを生かした役が最近少し多いように感じられます。演技の幅の広い、非常に魅力的な声優さんです。

 水樹奈々さん演じる「フェイト」の回想場面を見ていて思いました。本作品『魔法少女リリカルなのはA’s』の前作をご覧になっていらっしゃる方々は、さぞかし本作品における「なのは」と「フェイト」、主人公二人の関係への感慨は、大きいことでしょう。この回想場面と現在の二人の関係を目にしただけで、前作への興味が湧きます。私は前作を見ていないのが悔やまれます。

 そういえば本作品『魔法少女リリカルなのはA’s』は、「なのは」・「フェイト」・「はやて」という三人の登場人物による三軸構成ということになるのでしょうか。“主役三軸構成”で思い浮かぶのが、最近放送終了した超有名老舗ブランド作品です。当該作品において、そのシリーズ構成品質がいかなる結果に終わったかは言うまでもないでしょう。本作品『魔法少女リリカルなのはA’s』は、現時点で見渡せる構成で、期待の膨らむ魅力を創出することに既に成功しています。作り手の“格の違い”が示された結果といえるのではないでしょうか。

 最近では珍しく典型的、しかし丁寧な期間経過の表現を目にしました。おそらく魔法アイテムの修理が1週間後に完了するという話でしたので、1週間の経過表現なのでしょう。それに見合った経過内容表現になっています。最近目にした作品で、期間経過の表現が非常に雑でお粗末なものがあっただけに、このようなどこか古典的な構成は逆に新鮮さがあります。本作品『魔法少女リリカルなのはA’s』の作り手は、場面に時刻を表示するという演出も行っているように、物語の“流れ”というものに対するこだわりや、丁寧な制作姿勢を感じます。

 期間経過の一連の場面が終了したところで、今回の『魔法少女リリカルなのはA’s』第4話本編のクライマックス突入。期待を裏切らない見事な構成です。

 この手のいわゆる魔法少女ものの変身シーンで、これほど“かっこよさ”と“萌え”との融合に成功した完成度の高いものは近年どれくらいあるのでしょうか。今回の第4話全編を用いた二人の日常や内面描写が、この変身シーンの魅力を効果的に盛り上げることに寄与しています。単に変身の描写が魅力的だということ以上に、もっと期待などの他の感情的要素が付加された複合的魅力といったほうがよいでしょう。本作品『魔法少女リリカルなのはA’s』は、非常に物語構成のメリハリを付けることも巧みです。

 なんとここで次回へ続く、ですか。巧すぎです。これほど小気味よい締めくくりは最近目にした記憶がありません。もはや間違いなく本作品『魔法少女リリカルなのはA’s』の原作者を含む作り手のセンスや実力は一流です。センスや実力に乏しい人が、たとえ本作品のように王道で典型的・セオリー通りな表現構成を行ったとしても、同様の結果を得ることは困難であることが、一部の他作品を見れば明らかです。見る者の期待を裏切らないばかりか、それ以上の魅力を発揮する、これぞセンスと実力のある“プロ”の仕事ではないでしょうか。

 『魔法少女リリカルなのはA’s』、全く以って爽快な作品です。スタッフ及びキャストのみなさんには、満場の客席からの鳴り止まぬスタンディングオベーションを贈らせていただきたい。それが私の現在の心境です。

オフィシャルサイト評価:ユーザビリティA、情報性A

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1. 魔法少女リリカルなのはA’s 第07話
  [ ライブ窓ぁ。 ]   2005年11月16日 11:40
魔法少女リリカルなのはA’s SOUND STAGE 01アニメ:魔法少女リリカルなの キングレコード 2005-11-23売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools 『壊れた過去と現在となの』 脚本:都築真紀 / 絵コンテ・演出・作画監督:斉藤良成 今回の作画は・・・でした....
2. 魔法少女リリカルなのはA’s #4
  [ パズライズ日記 ]   2005年11月16日 22:59
それは、小さな想いでした 新たに始まる、私達の日々 決めたのは、戦うことを諦めないこと 誓ったのは、昨日よりもっと強くなること 動き始めた運命に、立ち向かうために もう二度と、大切な人を傷つけないために AM6:30 八神家 はやて部屋 目覚ましを...

この記事へのコメント

1. Posted by しおり♪です。   2005年11月16日 12:16
え〜…本文にまったく関係ないコメントで…
お久しぶりです♪
なんか…がんばってますね♪ ^^;
私もがんばらねば…
『異界』に行ったまま戻らない…しおり♪でした… ^^;
2. Posted by ★ジャン   2005年11月16日 22:44
 しおり♪です。さん、コメントありがとうございます。

 お久しぶりです。異界・・・ですか(笑)。確かに関係者以外にとっては、少なからずそういう印象もあるかもしれませんね。ここもアニメ感想ブログですから、ある意味“異界”となるのでしょう(笑)。

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アニ感チャート別表
個人的な印象の数値化です。
(最低〜最高点。120点満点。)

印象とはいえ数値で一覧化すると自分でも疑問を感じる整合性のなさです。最高点順であり平均点ではありませんので、一部かなり奇妙な順序になっています。1話の評価しかない作品もあり、一律に序列化すること自体に無理があるのは承知です。並べてみるのもおもしろそうだったので試したまでです。管理人自身の今後の参考用とお考えください。平均点順に順次変更中。
【 2006/1/15 更新 】

  1. WOLF'S RAIN
    ウルフズレイン

     :110点
  2. 攻殻機動隊
    S.A.C. 2nd GIG

     :90〜107点
  3. 攻殻機動隊
    STAND ALONE COMPLEX

     :84〜104点
  4. SAMURAI 7
    サムライセブン

     :103点(シリーズ)
  5. かみちゅ!
     :103点
  6. 創聖の
    アクエリオン

     :103点
  7. 巌窟王
     :95点(シリーズ)
  8. ふたつのスピカ
     :94点
  9. ジパング
     :82点(シリーズ)
  10. バジリスク
    甲賀忍法帖

     :81点(シリーズ)
  11. 劇場版
    機動戦士
    Zガンダム
    星を継ぐ者

     :79点
  12. Rozen Maiden
    ローゼンメイデン

     :77点(シリーズ)
  13. BECK
     :77点(シリーズ)
  14. ぺとぺとさん
     :56〜77点
  15. 英國戀物語エマ
     :54〜73点
  16. 機動戦士
    Vガンダム

     :72点
  17. TIDE-LINE BLUE
    タイドライン・ブルー

     :72点
  18. 撲殺天使
    ドクロちゃん

     :70点
  19. NARUTO ナルト
     :54〜65点
  20. MONSTER
    モンスター

     :51〜64点
  21. ケロロ軍曹
     :57〜61点
  22. ONEPIECE
    ワンピース

     :56点
  23. ガン×ソード
    GUN SWORD

     :30点〜54点
  24. ハチミツと
    クローバー

     :53点
  25. 交響詩篇
    エウレカセブン

     :52点
  26. トリニティ・ブラッド
    Trinity Blood

     :50点
  27. IGPX Immortal Grand Prix
     :49点
  28. ピーチガール
     :48点
  29. SPEED GRAPHER
    スピードグラファー

     :32〜44点
  30. エレメンタル
    ジェレイド

     :39点
  31. SHUFFLE!
    シャッフル!

     :39点
  32. 奥さまは魔法少女
     :35点
  33. おねがい
    マイメロディ

     :33点
  34. 機動戦士ガンダムSEED DESTINY
    :32.8点(50話平均)
    22〜55点
  35. こみっくパーティーRevolution
     :26点
  36. 円盤皇女
    ワるきゅーレ

     :25点