『魔法少女リリカルなのはA’s』第4話「新たなる力、起動なの!」
第4話 「新たなる力、起動なの!」
第4話 「新たなる力、起動なの!」
- 監督:草川啓造
- 脚本:都築真紀
- キャラクターデザイン:奥田泰弘
- 絵コンテ:
三島由紀世、佐土原武之、斎藤良成 - 演出:佐土原武之
- 作画監督:澤崎 誠
- 総作画監督:奥田泰弘
- ビジュアルデザイン:斎藤良成
- 原画:金子 誠、(他20名)
- 第二原画:(6名)
- 動画チェック:川島達矢、藤本明子
- 動画:原田利昭、三樹信也、
HANJIN ANIMATION、JIWOO ANIMATION、
アークトゥールス作画室(5名) - 色指定・仕上検査:花田未央
- デジタル仕上:宮川はれみ、田崎智子、
藤本明子、スタジオ・エル、
HANJIN ANIMATION、JIWOO ANIMATION、
上海新陽動画 - 美術設定:片平真司
- 美術監督補佐:田村真衣子
- 背景:E-cho
- 特殊効果:w-sky有限会社、鈴木さち
- ビジュアルエフェクト:南口大助
- ビデオ編集:東京現像所、山本洋平
- ミキサー:大坪恵美
- 音響効果:高梨絵美(ena)
- 音響制作:オムニバスプロモーション
- 設定制作:千原 剛
- スーパーバイザー:田中 勇
- 制作協力:スタジオ旗艦
- アニメーション制作:セブン・アークス
- 製作:なのはA's PROJECT
第4話 「新たなる力、起動なの!」
- 高町なのは:田村ゆかり
- フェイト・テスタロッサ:水樹奈々
- 八神はやて:植田佳奈
- ユーノ・スクライア:水橋かおり
- アルフ:桑谷夏子
- 高町美由希:白石涼子
- シグナム:清水香里
- ヴィータ:真田アサミ
- シャマル:柚木涼香
- ザフィーラ:一条和矢
- リンディ・ハラオウン:久川 綾
- クロノ・ハラオウン:高橋美佳子
- エイミィ・リミエッタ:松岡由貴
- レティ・ロウラン提督:鈴木菜穂子
- アリサ・バニングス:釘宮理恵
- 月村すずか:清水 愛
- 石田医師:佐久間紅美
- 教師:前田ゆきえ
- 武装局員:栗山浩一
- 岩竜:柿原徹也
- レイジングハート:Donna Burke
- バルディッシュ:Kevin J. England
- 闇の書:Alexandra Haefelin
三人の「守護騎士」たちとその「主」の朝の風景。「守護騎士」たちの別の顔を見せることは、彼女たちの魅力作りに効果的です。今回の『魔法少女リリカルなのはA’s』第4話も、冒頭から良い感じの構成です。
水樹奈々さん演じる「フェイト・テスタロッサ」、戦闘時とはうって変わって、日常ではかなり少女っぽく描かれています。これにより効果的に戦闘時のキャラクターの魅力が増すというものです。よくできています。
「作戦本部」の場面にて、大まかな物語の設定とこれからの展開について提示があります。これにより、見る者自身が一定の展開への期待を膨らませることができます。効率的構成であり巧みな演出といえるでしょう。「守護騎士」を捕らえて「主」を引きずり出すとき「はやて」はどうなるのか。「闇の書」が白紙に戻り別次元で復活するために現次元を去るとき、「はやて」と「守護騎士」たちの行く末はどうなるのか。「守護騎士」たちの真の目的は何なのか。「はやて」の今後の行動はどのようなものになるのか。その辺りの感動的であろうドラマ構成への漠然とした想像が広がります。構成次第で非常に魅力的なドラマになることは間違いありません。それをこの作戦本部での彼らのやり取りの一端からうかがい知ることができます。
それにしても田村ゆかりさん演じる「なのは」、水樹奈々さん演じる「フェイト」らが並んで廊下を歩く場面を見ていると、あらためてヘアスタイル以外の相違が希薄なデザインです。この点が『魔法少女リリカルなのはA’s』において、個人的に唯一最も気になる少々惜しまれる点といったところでしょうか。
「はやて」を演じる植田佳奈さんは、関西ご出身だそうです。アニメ『ぺとぺとさん』の主人公・ぺと子(藤村鳩子)役も植田佳奈さんでした。関西出身ということを生かした役が最近少し多いように感じられます。演技の幅の広い、非常に魅力的な声優さんです。
水樹奈々さん演じる「フェイト」の回想場面を見ていて思いました。本作品『魔法少女リリカルなのはA’s』の前作をご覧になっていらっしゃる方々は、さぞかし本作品における「なのは」と「フェイト」、主人公二人の関係への感慨は、大きいことでしょう。この回想場面と現在の二人の関係を目にしただけで、前作への興味が湧きます。私は前作を見ていないのが悔やまれます。
そういえば本作品『魔法少女リリカルなのはA’s』は、「なのは」・「フェイト」・「はやて」という三人の登場人物による三軸構成ということになるのでしょうか。“主役三軸構成”で思い浮かぶのが、最近放送終了した超有名老舗ブランド作品です。当該作品において、そのシリーズ構成品質がいかなる結果に終わったかは言うまでもないでしょう。本作品『魔法少女リリカルなのはA’s』は、現時点で見渡せる構成で、期待の膨らむ魅力を創出することに既に成功しています。作り手の“格の違い”が示された結果といえるのではないでしょうか。
最近では珍しく典型的、しかし丁寧な期間経過の表現を目にしました。おそらく魔法アイテムの修理が1週間後に完了するという話でしたので、1週間の経過表現なのでしょう。それに見合った経過内容表現になっています。最近目にした作品で、期間経過の表現が非常に雑でお粗末なものがあっただけに、このようなどこか古典的な構成は逆に新鮮さがあります。本作品『魔法少女リリカルなのはA’s』の作り手は、場面に時刻を表示するという演出も行っているように、物語の“流れ”というものに対するこだわりや、丁寧な制作姿勢を感じます。
期間経過の一連の場面が終了したところで、今回の『魔法少女リリカルなのはA’s』第4話本編のクライマックス突入。期待を裏切らない見事な構成です。
この手のいわゆる魔法少女ものの変身シーンで、これほど“かっこよさ”と“萌え”との融合に成功した完成度の高いものは近年どれくらいあるのでしょうか。今回の第4話全編を用いた二人の日常や内面描写が、この変身シーンの魅力を効果的に盛り上げることに寄与しています。単に変身の描写が魅力的だということ以上に、もっと期待などの他の感情的要素が付加された複合的魅力といったほうがよいでしょう。本作品『魔法少女リリカルなのはA’s』は、非常に物語構成のメリハリを付けることも巧みです。
なんとここで次回へ続く、ですか。巧すぎです。これほど小気味よい締めくくりは最近目にした記憶がありません。もはや間違いなく本作品『魔法少女リリカルなのはA’s』の原作者を含む作り手のセンスや実力は一流です。センスや実力に乏しい人が、たとえ本作品のように王道で典型的・セオリー通りな表現構成を行ったとしても、同様の結果を得ることは困難であることが、一部の他作品を見れば明らかです。見る者の期待を裏切らないばかりか、それ以上の魅力を発揮する、これぞセンスと実力のある“プロ”の仕事ではないでしょうか。
『魔法少女リリカルなのはA’s』、全く以って爽快な作品です。スタッフ及びキャストのみなさんには、満場の客席からの鳴り止まぬスタンディングオベーションを贈らせていただきたい。それが私の現在の心境です。
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この記事へのコメント
お久しぶりです♪
なんか…がんばってますね♪ ^^;
私もがんばらねば…
『異界』に行ったまま戻らない…しおり♪でした… ^^;
お久しぶりです。異界・・・ですか(笑)。確かに関係者以外にとっては、少なからずそういう印象もあるかもしれませんね。ここもアニメ感想ブログですから、ある意味“異界”となるのでしょう(笑)。