2017年09月30日

(2139)ヴァイッド・ハリルホジッチ

ポゼッションが高いチームが勝つというのは正常ですが、私はポゼッションが高いから勝つのだと思っていない。モダンフットボールではそれと違った側面もあります。ポゼッションが高ければ勝てるという罠に、日本のサッカーは陥ってほしくない。A代表だけでなく、アンダー世代の監督やコーチにもしっかりこのメッセージを伝えたいと思います。多くの指導者がポゼッションに対して、脅迫観念に近い気持ちを持っている。それだけがすべてではない、それだけが真実ではないということを理解してもらいたいと思い、私の意見を伝えています。

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28日(木)に行われたヴァイッド・ハリルホジッチ監督の代表メンバー発表会見。10月の強化試合に向けた選手選考の意図を明らかにした。しかしその冒頭でハリルホジッチ監督は突如席を立ち、独自の見解を述べ始めた。


今回の会見を始める前に少し話をしたい。私は日本に来てから、様々な方と話をしています。その中で指導者の方からもメディアの方からも、ポゼッションという言葉を聞きます。日本のサッカーの教育は、ポゼッションをベースに考えられているのかと感じました。もちろん、得点を取るにはボールを保持しなければいけません。それがポゼッションですが、相手よりもボールを持ったからと言って、勝てるとは限りません。ですので、ポゼッションが高いから勝てるというのは真実ではありません。

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それぞれの国にアイデンティティーがある。スペイン、フランス、ブラジル、ドイツ、イングランドなどの伝統国と日本をまだ比較することはできないが、日本独自のアイデンティティーを作るために私の見方と見解を伝えていきたい。ただしモダンサッカーをベースにすべきです。世界のサッカーも発展しているし、日本も同じことをしなければいけない。

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昨夜皆さんがこの試合をご覧になったか分かりませんが、非常に高いレベルの試合でした。PSG対バイエルンで、フランスで行われた試合でした。『オールドチャンピオン』対『新たに出てきているチーム』という印象です。見てください。


ポゼッション:37.6% - 62.4%
パス数:368 - 568
シュート数:12 - 16
コーナー数:1 - 18
クロス数:4 - 36
デュエル勝率:57.4% - 42.6%
スコア:3 - 0


この試合のPSGのポゼッションは37.6%。つまり、ポゼッションのところではバイエルンが大きく支配していたといえます。パス。568対368。シュート。こちらもバイエルンの方が多いですね。そしてコーナーは18本対1本。そしてクロス。36対4。

そして、ここでPSGが上回った数字があります。それがデュエルです。デュエルの成功率です。ここではPSGがバイエルンを上回っていました。デュエルの成功率は地上戦、空中戦ともに重要なものです。そして結果はPSGの決定率の高さもあり、3-0でした。

繰り返しになりますけれど、ポゼッションのみでは全く意味がありません。モダンサッカーではゲームプラン、ゲームコントロールといったものをちゃんと合わせて準備しないといけません。

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例えば、引いてブロックを使って深い位置で守るというのも一つのやり方で、PSGがそれを利用しました。ネイマール、カバーニなどの個人プレーがゴールを奪った時に活かされる形です。そして、決定率も高かったですね。現代のサッカーでは、キーパーとストライカーの役割が非常に大きいと思います。

PSGのキーパー(アルフォンス・アレオラ)は偉業を成し遂げ、相手チーム(スヴェン・ウルライヒ)はそこまで効果的な守りができなかったということですね。そういった意味でも、モダンサッカーでは非常に重要なポジションであることが分かります。

ですので、日本のサッカーでもどのようにストライカーを育てるのか、そしてキーパーを育てるのかということを自問しないといけません。

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日本のサッカーでは、キーパーのところに力を入れて育てないと思います。能力の高い選手はいます。それを育てることです。そしてフォワードのところも能力はあると思いますけど、しっかりトレーニングして、選手それぞれを経験させないといけません。そしていつの日か偉大なゴールキーパー、偉大なストライカーが生まれると思います。

そして、デュエルについては以前から言っていますけれど地上戦、そして空中戦。その両方で重要なことでした。そして昨夜、PSG対バイエルンという非常に高いレベルの試合を見て、この試合の説明をしながら私の意見をお伝えしたいと思いました。

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例えば、『ネイマールがいたらちょっと違うかもしれない』と言う人がいるかもしれませんが、彼はまた天才であって別枠で捉えないといければいけません。もしかしたら将来的にそういった選手が生まれるかもしれませんけれど。

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私にとっては非常に興味深いものであり、サッカーというのは不確実な科学ですので、もしかしたらもう一度対戦すればバイエルンとPSGのスタッツが全く逆になっていたかもしれません。

ただ、私にとってここ(デュエル)が重要です。これで試合が変わったりします。

最終的にサッカーでは結果のみが真実です。結果ですね、唯一の真実は。

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ハリルホジッチ監督がよく言う『デュエル』の重要性

つまり球際だったり1対1の戦いで勝率が高ければ、おのずと試合に勝てるという考えはJ2を見ていると、散々思い知らされる。まあ風間監督の名古屋グランパスが極端なだけかもしれませんが・・

そしてFWは昔から外国人選手が多かったですが、ここにきてGKにも増えていることがハリルホジッチ監督の言う『モダンサッカー』で重要なポジションがJリーグ各クラブにも浸透している証拠かもしれません。

でもね、世界の流れに逆らって独自のサッカーをして勝つクラブがあっても、それはそれで面白いんじゃないでしょうか。


 
jeep_55 at 13:18│Comments(2)このエントリーをはてなブックマークに追加 日本代表 | ヴァイッド・ハリルホジッチ

この記事へのコメント

1. Posted by ロシアで散るな!前轍を踏むな!   2017年10月03日 13:35
PSGは個人技もワールドクラスだから、もちろん単純比較は出来ませんけど…
点を取ってかつ無失点で終えて勝つことをずっと続けられる方法が分かればほんと苦労しないよね
話ちょっとそれて駄文すいませんけど、監督、チームの「答え」っていう中のひとつは試合に勝つこと、結果。なんでしょうが特に必死なチームは勝つことすべてってなると思いますが、勝ち続けて調子づくと「内容も良くないと」と求めだす、観る側が。欲が出てくる。人間の心理だから仕方無いかもしれないけど慣れて非日常が日常に、異常が普通に感じ「当たり前」になった時のチームって難しい。前者が10年、後者がその後の14年のW杯までの観る側の感情の過程だったのかなと思う、ちょっと誇張気味か(ていうかそもそも的外れか)。
日本はまた出直す形になってW杯出場も見事に決めたけど、なぜかぼんやりと不満があってそれを解消出来ないまま来てますよね、晴れない感じが。

選手個人とチームとしての機能、結束力が前提でやっぱり大事だと思う。←これが書きたかっただけです
2. Posted by 管理人   2017年10月03日 20:39
コメントありがとうございます。

ハリルホジッチ監督は結果=勝利を求める戦い方だと思います。しかもそのやり方は相手を徹底的に分析し対策するリアクションサッカー。どういった戦い方をするのか相手次第。

それでも「デュエル」だけは絶対に負けないように選手たちにはずっと言っていますし、それができるような選手たちを選んでいると思います。

個人的にはこういうソリッドなチームも好きなんですが、世間受けは悪いだろうなーとは思います。

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