2017年10月28日

(2155)デットマール・クラマーと川淵三郎

君たちは本当に努力をしたし、そのことは僕が一番よく知っている。人生はサッカーがすべてではないんだ。今日はサッカーのことは忘れよう。でも、こんな時に君たちのところに来てくれるのが、本当の友達なんだよ。

-僕には人生哲学を教えてもらった恩師が二人いる。一人はさっき話をした、吉岡たすく先生。もう一人が、日本初の外国人コーチとなった、デッドマール・クラマー。彼との出会いも大きかったね。



日本代表として、東京オリンピックに出場した時、僕たちは予選でアルゼンチンと戦い、奇跡の大逆転勝利を収めます。試合後、ロッカーで大いに盛り上がっている僕らにクラマーは、「今、最も友達にそばにいてほしいのは、アルゼンチンチームの選手たちだ。僕は彼らのところに行ってくる。君たちは君たちで喜びを分かち合えばいい」と言い残し、本当に行ってしまった。その時は「かっこいいこと言っちゃって」って思ったくらいだった。


でもその後、決 勝トーナメントの1回戦でチェコと戦った僕らは、4−0で完敗。敗戦後の沈んだ雰囲気のロッカーで、クラマーは僕らにこんな言葉をかけてくれた。「君たちは本当に努力をしたし、そのことは僕が一番よく知っている。人生はサッカーがすべてではないんだ。今日はサッカーのことは忘れよう。でも、こんな時に君た ちのところに来てくれるのが、本当の友達なんだよ」と……。クラマーからはサッカーはもちろんだけど、この時の経験も含め、人生哲学を本当にたくさん教え てもらった。感謝しています。

独裁力 (幻冬舎新書)
川淵 三郎
幻冬舎
2016-09-30



あと、クラマーは国際試合の経験を数多く積むことを奨励し、僕ら日本代表チームをヨーロッパ武者修行の旅に連れて行ってくれた。そこで目にしたドイツのスポーツ施設に僕は心から感動しましたね。8面もあるグラウンドにはそれは美しい緑の芝生が敷かれ、プロ選手 が練習している隣で子どもたちが練習しているんです。グラウンド横には、体育館やプールなども付設されていて、地域の老若男女がスポーツに親しんでいる。 日本の子どもたちは不幸だな、こんな環境でスポーツができたらどんなにいいだろうと思った。この時見たヨーロッパの光景と感動が、将来Jリーグを立ち上げる際の理念の柱となっているんです。




 
jeep_55 at 20:15│Comments(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 日本サッカー協会 | デットマール・クラマー

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