(2539)ユルゲン・クロップと南野拓実

2020年02月14日

(2540)霜田正浩

「リーズはイングランドの2部だ。代表選手はひとりもいない。特別な選手もいない。それでも魂のこもったサッカーでプレミアに上がろうとしている。この迫力、このインテンシティ、この人数。この“リーズスピリッツ”を今年はうちが見せるんだ」

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25人も入れば一杯になるミーティングルームのスクリーンに映し出されているのは、ヨーロッパの試合映像である。だがそれは、チャンピオンズリーグの一戦でも、欧州1部リーグの試合でもない。FAカップのアーセナル対リーズ

しかも、フォーカスされていたのはロンドンの名門クラブではなく、イングランド2部リーグに属する後者だった。リーズの選手たちがものすごい迫力で相手選手に襲いかかり、容易にパスを繋がせない。苦しまぎれに蹴られたボールを回収し、瞬く間に相手ゴールへと押し寄せる。相手のカウンターになりそうな場面でも5〜6人が全速力で帰陣し、アーセナルの速攻を阻止してしまった。

薄暗い室内で、霜田正浩監督が選手たちに熱っぽく語りかける。(Number Webより)



クラブの公式行事が終了した昨年12月1日の夜に飛行機に飛び乗り、約1週間の旅に出かけた。

訪れたのは、ドイツとスペイン。レバークーゼンとセビージャではクラブの内部を覗かせてもらい、最後に大迫勇也のブレーメンの試合を観戦して帰国した。

レバークーゼンでは、かつてジェフ市原(千葉)に所属した監督のピーター・ボスと約3時間にわたってサッカー談議を繰り広げ、ボスと自身のサッカー観やフィロソフィが似ていることで自信を深めた。

セビージャでは、スポーツダイレクターのモンチに連絡を取り、元スペイン代表監督のジュレン・ロペテギの非公開練習を3日間、じっくり視察させてもらった。

このあたりの話は後日、改めて霜田監督のインタビューで明らかにするが、この欧州行脚の成果のひとつが、タイキャンプのミーティングルームに飾ってあった。

山口のプレーモデルをまとめたボードである。

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「これを公にするのは控えてもらいたいんだけど(笑)、実はボスの監督室にも、スタッフルームにも、ロッカールームにも、ミーティングルームにも、プレーモデルを1枚のボードにまとめたものが飾ってあったの。いつでも、みんなの目に入るようにって。これはいいなと。これまでうちも言語化はしていたけれど、可視化はしていなかった。だから、さっそく真似して作ったというわけ(笑)」

「ヨーロッパのサッカーは毎日見てます。フィロソフィの部分でシンパシーを感じるチームは特に。リバプールとか、シティとか、レバークーゼンとか。自分を常にブラッシュアップさせて引き出しを増やさないと、指導はできないからね」

「ヤン(高宇洋)や(川井)歩、(森)晃太や(田中)陸とか、これからっていう選手に、J2仕様のサッカーをやらせたり、外国人ストライカー頼みのサッカーをやらせても、誰も魅力を感じないし、成長できないからね。さっそく今も、レバークーゼンと俺らがやっていることは変わらないんだぞ、って選手たちには伝えています」

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イビチャ・オシム監督をはじめ、多彩なビブスを使い分けるトレーニングは見たことがあるが、選手がハチマキを巻くのを見るのは初めてだった。

「最初にやったのは、'06年にY.S.C.C.横浜の指導をしたときだったかな。判断力を磨くだけじゃなくて、顔を上げさせたいんだ。ビブスだけだと、下を向いていても間接視野で見える。でも、ハチマキは顔を上げないと見えないからね」

「1日の半分以上は練習メニューを考えているかな。自分のやりたいサッカー、こうやって点を取りたいというイメージがあるから、そこから逆算して考えている。だから、全然苦にならないです。プレーモデルに沿った練習や個人技術を伸ばす練習。なおかつ設定をいろいろ変えて、裏テーマも考える。いかに楽しく、身体がキツいか。試合よりも難しい設定にしておけば、試合で楽に感じるだろうと思っています」


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監督にも色々なタイプの監督がいて試合中の采配に優れた『勝負師』の監督。そして霜田監督のように試合前の準備を整わせて勝つ『戦略家』の監督。長い目で見た場合、後者の監督のほうが結果を残す場合が多い。




 
jeep_55 at 01:05│Comments(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 レノファ山口 

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