上海で食べるローカル麺はたいてい細くて長い。
  私はラーメン評論家ではないので「縮れた麺がスープによくからむ」日本風の麺の方が美味いのかどうかは判らない。
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  何だか上海という、忙しく見えて実は大らかで大雑把な街には、腰のない細くて長い麺が合うのだと感覚的に思ってしまう。
  全体にあっさりしているし、量も多くはない。小腹が空いた時にかきこむのに都合がいいサイズだ。

  街の食堂に行けば5元(70円)で一杯出てきたりする。どうも中国ではこの小腹を満たすというのが大事なようで、ファーストフード感覚の麺屋には一日中人が入っている。
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  私は朝と昼はちゃんと食べたい。夜はお酒を飲みながら、だらだら食べたいという人間なので、小腹系の麺はどうにも中途半端で馴染めない。

  何しろ午後になると、一杯目のビールをより美味く飲むためにお茶も控えめにして、なるべくおやつも避けている。

  麺にしてもしっかり量があって、ガツンとインパクトがあるスープを飲み、たっぷりの具を食べたいと思ってしまう。
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  前回、黄魚をメインの具材にしたローカル麺の傑作をご紹介したが、さらに黄魚麺の傑作がもう一品ある。

  日系の会社も多く、日本人に馴染みが深い虹橋(ホンチャオ)地区にその店はある。スープはトンコツだし。チンゲンサイの漬物が細かく刻まれて、スープと一体化している。独特の緑がかった、黄色がかったスープだ。
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  そこに細長麺と黄魚。こってりしている一方、あっさりしている。何とも矛盾した表現なのだが実感だ。上海の気質にも通ずる感覚だ。

  たいていのお客はこの麺に豚のパイコウを別皿でとっていただく。ソースをたっぷりかけて、麺とともにいただく。不思議な取り合わせなのだが、これが妙にマッチしている。
  大き目のラーメン鉢。 麺もスープもたっぷりの量がある。
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  半分食べ終わったところで、黒酢を持ってきてもらい、スプーンで2杯ほど入れる。いままでやや魚くさかったスープ(それが美味いのだけれど)が驚く変身を遂げる。
  くせがすべて取れて、円やかになる。その分、味わいが深くなる。麺もスープもいくらでも持ってこい。みたいな気分になる。箸は止まらない。陶然となってスープを飲みにかかる。

  これは、本当にはまる。ここの黄魚麺は36元(500円)。前回ご紹介した同じ黄魚麺の2倍だ。しかし、2倍の手間がかかっている感じがする。全体に上品で深い。上品といってもたかが麺なのだけれど・・・。
  黄魚の小骨もきれいに取り除かれている。刻みこまれたチンゲンサイの漬物にも、きっと手間がかかっているのだろう。
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  この店、海鮮の麺ならなんでも美味いらしい。食べ終わってからもメニューを見ていたら、一杯120元(1700円)の特別麺を勧められた。よし、上海にいる間に試してみよう。

 

     「蘭桂坊」・・・・娄山関路x仙霞路

 

[青山武祐・中国]

 

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