中国に住むようになって視界が変わった。

  広告制作をやっているとCGを活用することが多い。日本にいる時は、まあ、国内でやるか、よほど予算があったり、特別な技術が必要な場合はパリ、ロサンゼルスのCG会社を頼ったりしていた。
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  それが、上海をベースに仕事をしていると、日本(東京、福岡)、韓国、シンガポール、タイ、オーストラリア、そしてロンドンやパリなどヨーロッパのCG会社も視界に入ってくる。

  もちろん予算次第なのだが、見ている景色が違ってくる。

  「まあ、ここからならローマまで歩いていけるからね」とある方に言われてハッとした。

  たしかに中国大陸にいるとヨーロッパは地続きだ。地続きだと思うと急に身近に感じ始めるから不思議だ。
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  先日我が部下が結婚して、地続きのギリシャに新婚旅行に行ってきた。エーゲ海を二人で見たいなどと、いかにも新婚じゃなければ恥ずかしくて言えない理由を挙げていた。

  簡単なお祝いを渡したら食事に誘われた。当然ギリシャレストランにする。
  2度ほど行ったのだが、いつも、ほどほど人が入っている。このほどほど加減がなかなか和やかな空気をつくっている。
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  従業員も目配りはちゃんとしつつも、適当に気を抜いている。それが私たちにも伝わってきて、何だか共同で穏やかな空気をつくっている気になる。
  要するに居心地がいい。

  やはりここに来たらまずシーザーサラダだろうか? ボリュームがあるチーズを、下から青々とした野菜が盛り上げている。
  少し混じったタマネギが美味い。新鮮、しかしオリーブオイルの効果だろうか、ツンとする嫌なクセも抜けて口の中にフレッシュな香りを残す。
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  ウェイトレスを呼んで褒めたら、タマネギだけ別皿で追加を持ってきてくれた。もちろんレストランのご厚意。

  野菜ついでにジャガイモをオーダーする。これが絶品。単純にジャガイモだけなのだが美味い。
  おそらく一度軽く茹でて中まで柔らかくし、それから表面を焼いている。そしてオリーブオイルをたっぷりかける。
  ちょっと焼き芋っぽい香りと食感。クセになる。
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  肉は各種選べるのだが、やはり最近はまっている羊にする。串焼きの羊は火の通り加減も完璧。表面はこんがり、中は柔らか。

  ワインはハウスワインで十分に楽しめる。首のないワイングラスにドボッと注いでいただく。気を使わなくていい。テースティングの儀式もない。

  大好物のオリーブを別皿で持ってきてもらう。
  頼めばいろいろ気さくに応じてくれる。大らかなレストランだ。
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  新婚さんがいるからと、わざわざケーキをサービスしてくれた。
  ちなみにデザートにはヨーグルトもお薦めだ。はちみつと細かなナッツがトッピングされていて、あっという間にたいらげてしまう。

  上海の地続きにギリシャがあって良かった。


 

     「Greek Taverna」・・・・虹梅路3911号



 [青山武祐・中国]

 

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