2008年02月28日

 先週土曜日(23日)、池袋でワセダ・ミステリ・クラブ創立50周年の記念パーティがありました。
 ぼくは、坂木司さんと待ち合わせて出席するつもりでしたが、折からの強風のため、東西線が浦安の先で停車してしまい、1時間前には着く予定が、都バス、都営地下鉄、そして営団線とアリバイトリックまがいの乗り継ぎをやって漸く会場に着いたときには開始から1時間余経過していて、坂木さんはもうお帰りになった後でした。
 それでも、会場は溢れるような参加者で、正に立錐の余地もないほど。
 あちこちで懐かしい顔に出会いました。さすがワセミス、というところで、ミステリ界で活躍する著者、翻訳家、評論家、編集者、ファンと様々な年代のOBが集まって大盛り上がりのパーティでした。
 ただ、良く見てみると、ぼくの世代から上の人は創立者の仁賀克雄さんなど数人で、話を聞いてみると、病気療養中の人、亡くなった方、親御さんの看護で手の放せない人……等々、厳しい現実を思い知らされました。
 そういえばこの数年、瀬戸川猛資、汀一弘、大井良純……と学生時代からの顔見知りが相次いで亡くなっています。かく言うぼく自身が九死に一生を得たわけですから、他人事ではありません。
 これはまったくワセミスともミステリとも関係ありませんが、パーティのあったその夜、ぼくの好きな一人の歌手が大阪で急逝しました。LOST & FOUNDSOUL FOODSOUL JOINTという3枚のアルバムやたくさんのシングルを発表しているソウルシンガーのORITO(本名、折戸都志郎氏)が大阪でのライヴを終え、友人やスタッフとの打ち上げの後ホテルの自室に引き取ったあとに倒れたようで、翌日姿を見せないのを不審に思った友人が鍵を開けてもらって部屋に入り、すでに冷たくなっているORITOさんを発見したということです。43歳という若さでした。
 有栖川さんの新作『女王国の城』にもモデルとして登場する木曾のペンションで何度かお目に掛かり、生の歌も聴かせてもらっているので、そのニュースを聞いたときは何とも言えぬ気持ちになりました。
 先週は、ヒッチコックマガジン時代からの翻訳家で、トマス・チャステインやジョン・ガードナーなど数多くのミステリを翻訳され、また仁木悦子さんのご主人としても知られる後藤安彦さんが亡くなりました。天藤真さんの『遠くに目ありて』は、後藤−仁木夫妻との交遊から生まれた作品で、文庫化に際して後藤さんに解説を書いていただいた想い出があります。その葬儀の帰り、退院したばかりの戸松淳矩さんと久し振りにお目に掛かりました。話はもっぱら手術や入院のことばかりでしたが。
 みなさんも、健康には充分気を付けてお過ごしください。

jigokuanjigokuan at 22:58コメント(0)トラックバック(0)ミステリの輪  

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