3a4df6aa.gifここからは、本編をご覧になられた後お読みいただければ。

探険野郎エキスプローラの作品全体のコンセプトとか意味とかを語る気はないのですが、重要な補足として植村とトビ子の関係(植村のような奇怪な人物に、なぜトビ子が親密な間柄を維持できるのか)を書いておかねばなりません。
設定では、

トビ子は衛星都市をもくろんで造成されたが、バブル崩壊や人口減少で、微妙に廃れてしまった地方のニュータウンに生まれ、おじいちゃん・おばあちゃんと3人暮らし。田舎暮らしを嫌う母親と婿養子となった放浪癖のある父親はトビ子が生まれて早くに離婚して、家を去ってしまっている。

植村の本名は植村トビオ。放浪癖のある父親と一緒に2人で世界各地を飛び回り、あらゆるサバイバル技術をマスターする。父は、ナイアガラの滝を昇る鮭を捕まえようとし、あえなく水死。父の遺志をついで植村は、世の中の未知を求めて、旅をしていて、野生の感からトビ子のいる町にある緑公園に住み着く。

そう、トビ子と植村は生き別れた兄弟なのです。

放浪癖のある父親は子供2人とともに、世界を回る旅に出ようとしたのを、常識的な祖父母が大喧嘩の末、生まれて間もない孫娘の親権を守ったが、父を尊敬していた孫の方は父と共に国外へ。

探険野郎のシリーズの中で、トビ子が幼い頃に生き別れになった兄がいること、そしてその兄が植村ではないかと探るようなお話を用意するつもりだったんですが、いろいろと事情があり、テックウィンの連載期間中にはできませんでした。それでも、ネット公開時にはできるかもと、ずっと作品を寝かしていたのですが、結局なんのかんのでやりそうもないので、全公開とあいなりました。

植村がトビ子と別れる際、帽子を脱ぐシーンは、帽子を脱ぐと髪の毛の処理がトビ子と同じで、これまで匂わせてきた兄弟説をセリフに出すことなく暗に証明するという臭い演出だったんです。ですんで、トビ子のセリフも
「植村が・・・、お兄ちゃんがいなくなったら、きっとこの町は退屈でつまらない毎日に逆戻りだよ」
とするつもりだったのを、めんどくさくなって、そのまま公開してしまいました。

いわゆるお涙頂戴的なしゃらくさい話は嫌いなので、ギャグ漫画の中でそういったエッセンスを織り交ぜていく形で展開しようとして、失敗した形です。
うーむ、慣れないことはするもんじゃないかな?