私が2年前に発見し、動画や大学の授業などで発表してきた『公務員法の憲法違反』をジャーナリスト堤未果氏が著書『政府はもう嘘をつけない』で取り上げました。

 記事抜粋; 実際は竹原氏が言うように、憲法でわざわざ役割分担された3ステップを、すべて官僚たちがやっているのだ。竹原氏はそもそもこの憲法自体がゆがめられているという驚くべき事実を指摘する。
憲法が定めた「国会議員」ではない役人が、ある悪法によって国会議員と同等の「公務員」に入れられてしまったのだと、竹原氏は言う。「国家公務員法」だ。「この法律によって、国民の手でクビに出来ない官僚が、身分を保証された公務員として自分たちの利益を拡大することが正当化されてしまった。
これは大変な事です。実際には一部の官僚を除いて、彼らの大半はこの事実も知らないしその意識もないでしょうがね。でもこの違憲状態が続いているせいで、彼らが自らを公務員と呼びながらも、全体ではなく自分たちの利益確保にしか動けなくなってしまっていることは明らかでしょう」
 竹原市議は、今回の自民党の憲法改正の肝は、実は9条よりもここなのだと指摘する。「なぜなら、この草案を書いたのが官僚だからです。想像してみてください。この草案で憲法改正すれば、この国は戦前体制を保証する仕組みに戻る。その時に一番得をするのは誰でしょうか?」
「日本国民はわかっていないのです」と竹原氏はため息をついた。

政府はもう嘘をつけない 7月10日に初版、僅か10日で重版決定のベストセラー
 以下読者レビューを紹介する

 彼女の著書は、新刊が出ると必ず拝読している美果ファンですが、この著書は、色々な人に是非読んでもらいたい。いつも思うが彼女の作品に、いつも、心を打たれている。

プロローグのパナマ文章の、彼女のレポートは、非常に面白い。

2008年の米大統領選挙献金を、大々的に調べあげ、その中は、ウォール街の6メガバンク、そのメガバンクは、243人のロビイストを雇う、そのうち54人は元政府の金融規制委員会のメンバー、33人は元国会議員事務所主任、1年で元政府職員ロビイスト1,447人を集め、約300臆ドル(約3兆円)のロビー費を使い、現役国会議員らに「金融業界の規制をさせぬよう」圧力を、「カネ」「ロビイスト」「回転ドア」3種の神器を使いこなす。

日本の官僚は、「憲法73条で、政治家公務員が使う役人『官吏(かんり)』」と書かれていて、昭和22年に作られた、「国家公務員法」から、国民の手で首に出来ない官僚が身分を保証された公務員として自分達の利益を拡大することが正当化された。三権分立の司法と立法を握りながら、国民は彼等の人事はおろか、天下りさえも一切手が出せない。

学資ローンは、初めは無利子のみだったが、今では、4分の3が、有利子で、大学生の二人に一人が借りている学資ローンの延滞は、年々上昇していて、大学の授業料が、80年代の3倍に上昇し「学資ローンビジネス」が数十億ドルの巨大産業に成長していて、
ローンを返しきれずにパンクした学生たちを、派遣会社が勧誘し、戦地に送り込み、戦争と密接に結びついている。

社会を変えるのは、政治家よりも、法律であり、一度変えてしまうと、社会の仕組みが変えられてしまい、元に戻すのは至難の業なのだ。私達の重要法案ほど、芸能人のスキャンダル等のビックニュースで、国民の目が他に向いている間にひっそりと通過してしまう。

2015年11月13日、フランス・パリの7ヶ所で起きた同時多発テロは、国内非常事態宣言を発動し、シリア領内の
「イスラム国(ISIS)」拠点へ、アメリカ、イギリス、ロシア等の国々は、相乗り軍事攻撃を実施し、その頃、株式市場では、軍事産業関連株が急騰していて、「対テロ戦争予算」は、莫大で国々の軍事予算を増額することの障害には全くならない。

NATO同盟国28ヵ国の中で、ギリシャの軍事支出は、アメリカに次いで2位と突出していて、2014年までの五年間で、ドイツ(5億5100万ドル)とフランス(1億136万ドル)はギリシャに、武器を売っている。勿論、アメリカはそれ以上に、武器を売っている。

財政破綻した国に融資条件として国内の民営化や社会保障削減、通貨切り下げ等の構造革命を押しつけ、国をボロボロにするIMFのやり方を(国際版消費者金融モデル)で、グローバル化が国際弁護士たちにもたらした最大の宝ものは、国境を超えた巨大規模の提訴ビジネス(ISDS裁判)である。
今後NAFTAやFTAに続いて、多国間の自由貿易協定であるTPPやTTIP、TISAが締結すれば〈ISDS提訴ビジネス〉はとてつもない規模に成長する。

2014年9月の香港での「雨傘革命」は、全米民主主義基金(NED)やその傘下の全米民主国際研究所(NDI)が、資金やノウハウを提供している。
前作の「政府は必ず嘘をつく」でも、セルビア、グルジア、チュニジア、ウクライナ、キルギス、チェコスロバキア、イラク、リビア等の反政府を掲げ時の政府を潰してきた一連の〈カラー革命〉の背後にもその組織があると指摘している。また、キューバ政権もこの手法でアメリカは圧力をかけていたが、AP通信の暴露から、失敗に終わっている。

ノーム・チョムスキーのインタビューから、「労働者が権利を獲得し、政府がもはや民衆を制御出来なくなった時、広告業界が誕生している」当時広告代理店に課せられたその役割は、〈プロパガンダ〉今は、〈マーケティング〉と正式名をかえている。

ネット検索で注意が必要で、標準的な検索サイトは存在しなく、過去に検索したり、クリックした記事や広告情報を元に、スーパーコンピューターが瞬時に検索結果を弾き出す為に、検索すればするほど、その人の嗜好にあった結果が出てくる、つまり、手に入れる情報がどんどん偏る、アルゴリズムによって出された情報を企業側はピンポイントで、あなたに向けて発信することが可能になる。

ドイツで、メルケル首相の脱原発宣言が出された直後、フランクフルトにある、原発製造元スウェーデンのバッテンフォール社がISDS条項を使いドイツ政府を訴えている。もし、日本がTPPに批准してから日本政府が脱原発政策に転向した場合、アメリカの原発メーカーは、ISDS裁判に訴えるだろう。

2008年10月、アメリカで不動産バブルが破裂し、株価大暴落に連動しアイスランドも破綻した、国家破綻宣言を出し、50億ドルの負債を背負って破産し、クローナは紙くずと化し、株式市場は閉鎖した。

アメリカでは、「Too big to fail(大きすぎて潰せない)」という伝家の宝刀を抜き、納税者の税金で救済している。 しかし、IMFが「構造改革政策」をセットに、アイスランドの救済役を引き受ける、まず無駄を無くし、大胆な民営化や通貨切り下げ政策、医療と教育は真っ先に切り捨てる。削った分だけ民営化すれば外資のビジネスチャンスが生まれる。ギリシャ、イタリア、スペインにも、同じ融資条件を出している。

2009年1月、怒りを爆発させた3,000人(人口の約1%)のアイスランド国民が、それぞれの家のキッチンから、鍋やフライパンを大きな音で叩きなが、国会議事堂を取り囲み、とうとう、内閣は総辞職、首相も辞任、IMFの「緊縮財政案」は、否定され、ホルデ首相と大手3大銀行のCEOを含む約200人には、逮捕状が出された。
ギリシャとは真逆の政策を実行した。
その後、アイスランドは、順調に経済を回復させ借金を返済し、目を見張る成長を遂げている。

世界の各国から高く評価されている、
「国民皆保険制度」、また、世界でも有数の成功した共助モデル、として絶賛された、日本の農業協同組合、カナダの環境活動家セヴァン・スズキは、農協の凄さは、巨大企業と同等の規模を持ちながら、組合員である一軒一軒の農家を助けるために存在し、さらに全国の農協を束ねた〈全国農業組合連合〉の存在がこの協同体を弱肉強食の巨大資本から守っていること、それが日本国民に恩恵をもたらしていると称賛している。株主ではなく組合員が、全員の幸せのために出資し合い、地域の農業から貯金や保険、食の流通に至るまで総合的に暮らしに関わる事業を行う協同組合である農協。
また、日本では病院も株式会社の参入は禁止している。

幾つか、内容をピックアップしたが、彼女の独特の感性からレポートされていて、個人的にはアイスランドの破綻後の鍋とフライパン革命は、知らなかった、また、セバァン・スズキの農協の解釈には、日本メディアにはこの解釈は無いだろう、悪の既得権益組織の代表みたいな、報道されていた事に気が付くが、良く考えると、農家の一軒一軒が成り立つ協同組合の発想は、グローバル化対策の1つに大きなヒントが有るようにも見える、ただ、このスタイルも、問題がない訳ではないと思う。彼女が指摘しているように、マーケティング(プロパガンダ)に支配され、日本に届かないニュースに、大きなヒントが、有るのかも知れない、アイスランドの話も、また、ウルグアイのホセ・ムカヒ、リビアのカダヒィー、ベネズイラのチャベス等の経済政策は、殆ど、日本に情報が入っていない事を考えると、アルゴリズムからのマーケティングの影響が有ることの主張は的外れでは無いだろう。
非常にいい著書です。彼女には、是非、J-waveのジャムザワールドのナビゲーターに復活して貰いたい。