最近の音楽業界の情報には疎く関心も無いので詳しくは知らないのだが、どうやらフリートウッド・マックのシングル「Dreams」とアルバム『Rumours』が42年ぶりに再び全米ヒット・チャートを駆けあがっているらしい。発端は中国産のSNSですか？ 良く知らないし、ふ〜ん・・・としか言えないですねw 最近、この手の話題が多い気がする。今後どの作品がいつ脚光を浴びるか分からない時代ですね。もちろん、古くからの音楽ファンとしては嬉しいことです。今の若い方にも当時の音楽の魅力が伝わっているのならそれで良しとしましょう。今回は決してそれに便乗した訳ではなく、単に前記事1977年の名盤ランキングでフリートウッド・マックが1位だった流れで取り上げるだけですが、タイミングとしては旬の話題で良かったですね。好きな曲としてリストアップするのは、「Go Your Own Way」。リンジー・バッキンガムのボーカル曲です。
私はマックのメンバーの中でもリンジーの曲が圧倒的に一番好きなんです。全盛期のマック・サウンドを創り上げた最大の功労者でしょう。もちろん、スティーヴィーの受付嬢（？）としての役割もバンド人気を支えた大きな要因でしょうけど。彼の独創的なギターとアレンジの才能、プロデュースがなければ、マックの成功は無かったと思います。「Dreams」も、スティーヴィーが書き上げた当初は、クリスティン曰く「平凡で退屈な曲だった」そうですが、リンジーがアレンジすることによって劇的に良くなったとのこと。ちなみにスティーヴィーの曲では、「Dreams」よりも「Rhianon」の方がいいと私は思っているのですが・・・。
「Go Your Own Way」は、リンジーが当時破局を迎えていた恋人スティーヴィーに対し、”君を愛したのは間違いだった。君は自分の道を行けばいい”と決別宣言した曲。それに対しスティーヴィーが「Dreams」で”それって私のせい？ 雨にでも打たれて、目をさましたら？”とやり返した。こんなバンド内の痴話喧嘩を曲の題材にして大ヒットを連発させるとは前代未聞ですよねw スティーヴィーはリンジーに「Go Your Own Way」の歌詞の一節”Packing up, shacking up is all you wanna do”を「真実ではない」として取り消すように依頼したが、受け入れられず、ステージ上でこのパートが歌われるたびに「彼を殺してやりたくなった」と語っている。う〜む、そこまで激しい憎悪を抱いていたとは・・・。それでもステージ上ではちゃんとこの曲のコーラスを担当しているのだから偉いというか凄い。どんなに嫌いな会社の同僚とでも一緒に仕事をしてきっちり成果を挙げる・・・まさに社会人の鏡のようなバンドである。
まあ、泥沼の恋愛関係を歌った歌詞の方はともかく、曲がとにかく素晴らしい。後半の圧倒的なリンジーのギター・ソロは、６つの異なるギターソロをオーバーダビングすることによって作られたという。3人のボーカリストによる力強いコーラス、ミックのドラミングも素晴らしい。ストーンズの「Street Fighting Man」からドラム・パターンのヒントを得たらしい。これもリンジーのアイデアみたいです。
動画は年代別に計5つ貼り付け。1982年のライヴで、スティーヴィーがクリスティンに何かを伝え、クリスティンがそれをリンジーに伝えているように見える・・・二人は直接会話できないくらい関係が悪化したのか・・・というのは考えすぎか？
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どちらかと言えば、ハード・ロックは得意な方ではないので、ヴァン・ヘイレンを”好きな曲”としてリストアップする予定はなかったが・・・エディ追悼ということで、挙げておきます。1982年のアルバム『Diver Down』に収録されている「Hang 'Em High」です。一般的に評価が低い『Diver Down』ですが、個人的に初めて聴いたヴァン・ヘイレンのアルバムということで、非常に思い入れの強いアルバムです。「Oh, Pretty Woman」や「Dancing In The Street」などカバー曲への依存度が高いアルバムで、彼らのオリジナル・ナンバーは今一つ目立たない（だから世評が低いのだろうか？）。この「Hang 'Em High」も彼らの代表曲と言われることはほとんどないと思うが、ハイスピードで疾走するカッコイイ曲。当時、洋楽聴きたてホヤホヤの初心者で、まだディープ・パープルも聴いたことがなかった自分の耳には凄く刺激的だった。それまでこんなに早いテンポの曲は聴いたことなかったと思う。エディのライトハンド奏法も炸裂するし（そんな奏法のことを知る由もなかったが）。
