
監督:北村拓司
プロデューサー:松村傑、廣瀬和宏、山本章
製作プロダクション:日活、デジタルフロンティア
脚本:小林弘利
主演:市原隼人、関めぐみ
共演:新上博巳、浅利陽介、三浦春馬、野波麻帆、板尾創路、堀井茶渡、坂田直貴、
原作:滝本竜彦
音楽:高橋哲也 主題歌:GReeeeN「BE FREE」
邦画 2008年1月19日公開 109分
★ストーリー
寮生活をする高校生、山本陽介(市原隼人)は自分の人生に漠然とした不安を感じていた。バイク事故で死んだ親友の能登(三浦春馬)は自分とは全く違っていた。能登のことを思い出す度、「自分も何かしなくては」と悶々としていた。ある日の夕方、公園で何かを見上げる制服姿の美少女を見かける。そこに、唸るチェーンソーを持った大男が現れた。驚く陽介を尻目に少女は男にナイフを投げつけた。少女、雪崎絵理(関めぐみ)は謎のチェーンソー男を倒そうと闘っていたのだ!
この映画も思春期バカ高校生一直線ムービーのベスト3に入っている。
思春期とは厳密には何歳を指すのだろう?中学生で思春期だよと言うかもしれないし、やっぱり高校生だね、って言う奴もいるし、早いと小学校6年生から入るんじゃない、なんて言う早熟野郎もいたりしてね。ってことになるが漢字で読み解くと、春を思う時期ってことですか?これって異性に対して、かなりのレベルで興味が出るって時期で宜しいのでしょうか?分かりませんが、一応、思春期=17歳と今回は定義したい。なんとなく!(映画セリフの真似)
この映画も思春期バカ高校生一直線ムービーのベスト3に入っている。一つは「ウォーター・ボーイズ」(2001)、もう一つは「グミ・チョコレート・パイン」(2007)、この映画に出て来る男子高校生はホント画(え)に描いたようなバカ男子高校生であり、だから愛すべき永遠のキャラクターなのだ。これが、ハリウッドだと「ドニー・ダーコ」みたいに、かなり社会派で、暗い演出になるか、「ガールネクスト・ドア」のようなラヴコメになるのかもしれないし、ダンス関係映画「ステップ・アップ」とか「ハイスクールミュージカル」、昔になるとブラットパック映画「ブレックファストクラブ」とかになるけど、やっぱり日本の思春期バガ一直線テイストって、日本映画には敵わないし、これはハリウッドに真似される訳がないのだ。このジャンルはある意味世界レベルだ。なんとなく。
17歳、思春期ど真ん中なのか、もう思春期はタイムリミットなのか分からない時期って、やたら人生とか死に対し悩んじゃう時代なんだよな~。もしくは超心理学的なものだったり、心霊現象とか、世紀末もの、「ノストラダムスの大予言」とか今だと、マヤ文明の預言とか、妙に真剣にそんな本を読んで、密かに恐れ慄いていたものだ。そして、一番のファーストインパクトは同級生の突然の死が、思春期ど真ん中時代に体験すると、かなりの精神的ダメージを受けるはずだ。そんな、感受性が豊かで、精神的にまだ純粋で、だから心が脆いガラスの十代の時は、死が不思議な魅力に満ちていたはずだ。
そんな不安定な精神状態の17歳思春期バカの役を市原隼人は完璧な演技で表現する、ホント完璧だ。いや、ここに出ている出演者全員のキャスティングも文句が付けられない状態だ。主人公:山本陽介(市原隼人)の友達役の渡辺(浅利陽介)も、高校時代、なんかいそ~なバカだし、山本陽介(市原隼人)が生前の時からも意識していた友達の能登役をこれまた、今では若手№1の三浦春馬が演じ、これも全然違和感が無く、反対に結構美味しい役を貰ったって感じだ。多分、頭が金髪だったのは映画「恋空」とダブっていた時期なのかな~と考えたりして、でも映画「恋空」よりもこっちの三浦春馬が断然魅力的だ。
原作が面白いからなんだろうけど、原作者:滝本竜彦の同名小説は第5回角川学園小説大賞の特別賞だったのだが、結局、大賞作品よりもこっちの特別賞が漫画や映画にもなったのだから分からないものですね。また、主人公の山本陽介(市原隼人)の学校での演出が実に上手い。窓際で頬杖をついて授業中にぼーっと校庭を眺める市原隼人のだらしない姿は完璧に、落ちこぼれ男子高校生を表していてイイ、そして先生役に不思議キャラ丸出しの板尾創路が真面目に演技しているから、反対にリアルな教師像を見せてくれてこれまたイイ。非現実的な世界、美少女戦士:雪崎絵理(関めぐみ)と謎のチェーンソー男が戦うのは、日光江戸村みたいなテーマパークだったり、人気の無い室内飛び込み台プールだったり、画(え)的にはおいおい!となってしまうかもしれないが、日常生活がリアルだからこそ、1部の嘘が許されていくのだ。と思う。
一件(いっけん)なんの繋がりもない雪崎絵理(関めぐみ)と山本陽介(市原隼人)が出会い、奇妙な縁で不幸の象徴である謎のチェーンソー男退治ゴッコは、お互いの身近にあった大切な者を死によって奪われた整理できていない思春期の感情の癒し効果なのかもしれない。山本陽介(市原隼人)は友達の能登(三浦春馬)が、死に急ぐかのように生前は我武者羅に生きていた姿を突然の死によって永遠に固定されてしまい、自分と今後の人生が嫌ってくらい向き直らされた張本人でもあるから、必要以上に今の自分に対しての焦りを覚えるのも無理の無い話だ。片や雪崎絵理(関めぐみ)は家族の中で自分だけ生き残っていると言う過酷な人生を生きていて、その不幸を何かの象徴とリアルな物体に変換して観ないと気がすまい位に暗い闇に心が落ちていたのだろう。
17歳の不安定な思春期の時代、それは生も死も人生も、未知で怖い存在であり、しかし、いずれその世界に入って行かざるを得ない端境期の中で、その象徴でありメタファーとしての謎のチェーンソー男と戦い続けるのだろう。
個人的には、渡辺(浅利陽介)が能登(三浦春馬)のバイク事故の命日にバラの花束を道路の縁石に置いて自分が吸っていた煙草を線香代わりに置くシーンが好きで感動する。
また、下宿の裕美お姉さん(野波麻帆)もセクシーで良い、あんな下宿先のお姉さんがいたら、それだけでも高校生活はバラ色なはずだが、まあ、いいか!
映画キャッチコピー「誰でも一度は死にたがる・・・なんとなく」。は今現在の高校生が一度は通る心境を上手く表している。
この映画の主題歌も良い!日本映画もまだまだ捨てたもんじゃない、そう久々に思った。
主題歌:GReeeeN「BE FREE」
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