遥かなる山の叫び声DVD
原題:

監督:山田洋次

製作総指揮:

製作:島津清

脚本:山田洋次、朝間義隆

主演:高倉健、倍賞千恵子

共演:吉岡秀隆、武田鉄矢、子ノ葉のこ、ハナ肇、渥美清、鈴木瑞穂、畑正憲

原作:

音楽:佐藤勝

日本・配給:松竹 1980315日 124


★ストーリー

北海道東部に広がる根釧原野にある酪農の町、中標津で、風見民子(倍賞千恵子)は一人息子の武志(吉岡秀隆)を育てながら亡夫の残した土地で牛飼いをしている。激しい雨の降るある春の夜、一人の男が民子の家を訪れ、納屋に泊めてもらった。その晩、牛のお産があり、男はそれを手伝うと、翌朝、去っていった。夏のある日、その男がまたやってきて、働かせてくれという。隣家の娘ひとみが手伝ってくれるが、男手のない民子はその男を雇うことにする。田島耕作(高倉健)と名乗る男はその日から納屋に寝泊まりして働きだした。武志は耕作にすぐになついていった・・・。


☆映画総評

映画監督?映像作家には時として、同じ人物?または同じ名前の主人公やヒロインを使ってシリーズ化した映画作品を作る創作者が現れる事があります。同じ名前!同じキャラクター!同じ俳優を使う監督達。

例えばその地域だけに拘っての映画作りだと大林宣彦監督による広島県尾道三部作映画(『転校生』、『時をかける少女』、『さびしんぼ』)が代表的です。

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▲映画「シェーン」へのオマージュで映画製作されたからか、何か似たシーンっぽいです。
 


山田洋次監督の民子三部作(『家族』1970年・『故郷』1972年・『遥かなる山の叫び声1980年』)と同じ主人公やヒロインに同じ名前を付けて映画制作する作品では、同じ日本映画の映画監督で石井隆監督が思い付きます。所謂!「名美」シリーズです。

こちらは、どちらかと言うとダークな感じで、裏社会!闇社会!夜の社会に生きるヒロイン!役であり、または何かのきっかけで人生を転落してしまった女性の名称として名前を「名美(なみ)」にしています。

 
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▲最初は高倉健に警戒感があった吉岡秀隆! 


そう考えると、山田洋次監督のヒロイン民子さんも、薄幸な女性が感じがします。多分、映画やドラマなどの登場人物でヒロインの場合は、何かドラマチックな特長が無いと話が面白くならない?から、ヒロインは幸せよりは不幸の方が断然!映画鑑賞客達も安心して感情移入し映画物語に浸れるのでしょうね。 

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▲高倉健さんの鍛えられた上半身がお宝ムービー  


ネットでも解説されていましたが、映画元ネタになるのは西部劇の名作こと映画「シェーン」(1953年)なんですね。とは言え、訳ありの凄腕ガンマンでは高倉健さんはありませんし、昔は伝説の任侠やくざだったが、今は地方・北海道まで身を隠してひっそりと生活?な役でもありませんが、やっぱり、訳あり!情状酌量の余地はあるかも!だけど、人を殺して逃げています。

 
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▲ハナ肇に言い寄られるヒロインで未亡人美女役の倍賞千恵子 


そんな昔ながらの無口で不器用だけど愚直に誠実に生きる男の役は、やっぱり高倉健さんの嵌り役です。

1980年制作映画ですから今(2018年)から38年も前の映画であり、映画「幸せの黄色いハンカチ」(1977年)出演組が結構揃って出演し、ヒロインは倍賞千恵子を筆頭に高倉健、武田鉄矢、渥美清が出演していました。

そして、倉本總脚本「北の国から」(1981-2002)の前哨戦って感じで子役の吉岡秀隆も出ていました。

 

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▲北海道の獣医役には懐かしきムツゴロウ王国の畑正憲が飲んだくれキャラで出演!

41年前!38年前は北海道を舞台にした映画が製作し始め、TVドラマ・倉本總脚本「北の国から」で、北海道が注目されていましたが、今は高齢化の波にさらされ衰退としての少子高齢社会の象徴として、北海道・東北がフューチャーされ、41年前のあの元気で活力のある映画内の世界は見る影も無くなっています。

 

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▲謎の男!高倉健さんはやっぱり訳ありで、護送中!

そんな近未来?2020年後の北海道や東北、そして地方の衰退を対比する映画として、貴重な資料として観るのが、今時のお作法になるのでは?と、うがった見方をしてしまうほど、約40年前の時代を懐かしさよりも驚きと絶望を憶える、そんな映画でした。

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▲護送中の高倉健さんに会いに来た倍賞千恵子と、何時しか舎弟になったハナ肇!このシーンは感涙シーンでした。