JIM-NETスタッフblog

JIM-NET(日本イラク医療支援ネットワーク)では、
イラクの小児がん医療支援、イラク国内避難民・シリア難民支援、福島の子どもたちを放射能から守る活動を行っています。

JIM-NETハウスでイフタール〜ラマダン中の患者家族支援〜

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イスラームの五行の一つ、一か月間のラマダーン月の断食も折り返しを過ぎました。

日中、一切のものを口にせず日没を知らせるアザーンが聞こえた後にイフタールと呼ばれる日没後初めての食事を取ります。

今のイラクは連日40℃を超え、45℃に達する日も珍しくありません。当然病気の人は断食をしてはなりませんが、それを支える家族の多くは断食をしています。
JIM-NETハウスではこのラマダーン中、週に2回ほどイフタールに患者家族を招待し、食事を共にしています。

今週はシンジャールからの患者家族とシリアからの患者家族が訪れ、食事をした後は日頃病院ではしないような話をしながらゆったりと時間を過ごしています。
今日訪れたシリア人患者ムーサ君のお父さん(アブムーサ)はおもむろにシリアのことを話し始めました。

何かを訴える訳でもなく、記憶を辿るかのように静かな話でした。
ダマスカスのカシオン山から見た夜景が美しかったことや、美味しかったシリア料理のこと、ホムスで働いてた時のこと、過ぎし日の思い出が色褪せてしまいそうだと言っていました。
シリアの写真を一緒に見ながら、「いつかうちに招待するから、その時は来てくれ」と僕とローカルスタッフに告げられ、僕たちスタッフは「もちろん」と口を揃えました。
帰り際、「薬代だけでなく、モーテルやイフタールのサービスまで本当にありがとう。助かっているし、何よりこうしてサダーカ(友情)が生まれることが嬉しいよ。」という言葉を残していきました。
病院では息子が病気になったこと、そしてシリアの状況が好転しないことも相俟って不満を口にすることが多かったアブムーサ。

JIM-NETでは決して彼らが満足するだけでの薬代を支援できているわけではありません。しかしJIM-NETハウスやモーテルといったサービスを提供することによって、患者家族に少しでも寄り添える、サポートできることを目指しています。

引き続き、皆さんの温かいご支援や応援を頂けたらと嬉しく思います。
どうぞよろしくお願い致します。
募金はこちら↓【イラク小児がん支援を選択してください。】
http://www.jim-net.org/support/donation.php

市民社会を抑圧する「共謀罪」に反対

JIM-NETは、「共謀罪」法案に反対する市民団体とNGOの共同声明に賛同しました。
しかしながら、残念なことに6月15日の朝、法案が可決されました。

2003年のイラク戦争以前では、「イラク」という国が、テロ支援国家のレッテルを張られ、イラクの白血病の子ども達を支援することすらも、まるでテロリストの子ども達を支援するようなイメージで見られ、挙句、アメリカはイラク攻撃に踏み切ると、日本政府は支持を表明。

戦争に反対すること=テロ国家を支持することのようにレッテルを張られてしまいましたが、結果間違っていたのは、アメリカであり、それを支持した日本政府です。

サダム政権が崩壊するとイラクは混乱に陥り、JIM-NETはバスラで放射線治療を受けられない子ども達をイランに送って治療をさせました。
しかし、イラクへの送金に「イランに子どもたちを治療に送るため」と理由を書くと、イランという文字があるだけで、送金ができないということもありました。

イラクや、イラン、シリアという名前だけで、まるでテロを共謀しているようにされてしまう。
NGOの人道支援の大原則は、たとえどのような国であろうが、命の危険にさらされている人々へ支援を届けること。

JIM-NETは、イラクであろうが、クルドであろうが、シリアであろうが、それがアサド政権であろうが、そして「イスラム国」であろうがそこで苦しむがんの子どもたちの命を助けることをこれからも続けていきます。

何がテロで何がテロでないか、しっかりとした判断が必要です。
私たちは、がんの子どもたちの支援を続けます。
そういった活動を是非日本の市民の皆様から支持していただきたいと思います。

佐藤真紀(事務局長)

2017年 5月29日に発表されたNGO・市民団体による共同声明はこちらです。
http://www.foejapan.org/infomation/news/170529.html

東京事務所移転のお知らせ

いつもご支援、ご協力くださり、誠にありがとうございます。

6月22日に、東京事務所を移転いたします。

新住所
〒169-0075
東京都新宿区高田馬場4丁目4-11 内藤ビル2C
電話・FAX:03-6228-0746
メール:info-jim@jim-net.net
(電話・FAX・メールは変更なし)

最寄り駅:高田馬場
JR戸山口より徒歩2分
JR/西武新宿線 早稲田口・東京メトロ1番出口より徒歩5分

新しい事務所にも子どもたちの絵や、シリア難民ママたちのグッズなどを飾り、
ボランティアや募金者の皆さんが集まりやすい環境を作って行きたいと思っております。





【イラク小児がん支援〜がんと闘いながら勉強に励むハウレスト君〜】

エルビル郊外に住む11歳のハウレスト君は三ヶ月前に急性リンパ性白血病を患い、現在癌の専門病院であるナナカリ病院で治療を行っています。

ハウレスト君
(ハウレスト君とお父さん)

病気が原因で両目を手術をし、今は左目の視力がほぼ失われています。しかし家族や病院の先生のサポートもあり、現在は学校にも戻り学校生活を送っているとのこと。
毎日フルタイムで通うことはできてはいないけれど、ハウレスト君はとても勉強熱心です。
2ヶ月、治療で学校に行けなかったですが復学後の努力もあり先日の進級テストも見事パスし、進級できました!

お母さんも5年前に癌を患い、お父さんも建築業の仕事していますが背中を痛め以前のように働くことができません。
以前は借家に住んでいましたが、多くの人からの寄付や援助を受けエルビル郊外の家を譲り受けこちらの家で暮らしています。なるべく買い物をせずに済むようにと、家の前の敷地では小さな野菜畑を作って育てています。

ハウレスト君➁
ハウレスト君
(庭で色々な野菜を育ててます)

兄たちもハウレスト君の病気を心配し、勉強を教えたり家族みんなで支えていました。
スタッフは「家に行ってみると色々と分かることがある。どういう環境で生活していて、どういう支援が必要なのかということが分かったりするから家庭訪問は大事だ。」と言います。
癌の子どもたちが治療のために勉強が遅れてしまうケースはよくあると言います。
今後はそういった支援もしていきたいと考えています。

ハウレスト君の兄弟も皆、大のサッカー好き。
メッシが大好きだという写真の兄。ハウレスト君とまた一緒にサッカーがしたいと言っていました。
JIM-NETではハウレスト君の薬の支援を行いました。
またお兄ちゃんたちと一緒にサッカーができる日が来るといいね!

ハウレスト君
(ハウレスト君のお兄ちゃん)

(斉藤)

【イラク小児がん支援〜国内避難民支援〜】

スルタン君(13歳)一家はモスルにほど近いシンジャール出身で、3年前にISの攻撃から逃れ、シリアに逃れたあとここエルビルにやってきました。今はパシュタパというエルビル郊外の村に身を寄せています。

スルタン君
(スルタン君)

シンジャールの村で生活していたスルタン君は当時小学校に通いながら羊の世話をしていましたが、ISに羊も奪われ、彼らは激しい攻撃から逃れるために避難を決めました。
先月、スルタン君の体調の異変に気付いた家族が病院に連れいて行くと急性リンパ性白血病と診断されすぐに治療が必要だと言い渡されました。

スルタン君には14人の兄弟姉妹がおり、2つの部屋で20人ほどで生活しています。
スルタン君➁スルタン君
(スルタン君の家)

スルタン君の父は現在仕事がなく、兄の僅かな収入で生活しているのが現状です。
病気のことを考え、今の生活環境はいいとは言えずまた病院から遠いこともありもう少し市内の方へ引っ越したいという願いがあるのですが、そのお金もありません。
そしてもちろん薬を買うお金や病院に行く交通費(往復で約2500円)も毎回捻出することは難しいとのこと。
定期的な抗がん剤治療をしっかり受け、感染症対策を徹底することは小児がんの治療には不可欠ですが、それが難しく途中で治療を放棄してしまったり感染症にかかってしまう子もここイラクでは少なくないといいます。
サッカーが大好きなスルタン君、元気になってまたサッカーがしたいそうです。メッシが好きだというスルタン君、またサッカーができるといいね!
受けるべき治療を継続して受けれるようにJIM-NETも出来る限りスルタン君の治療をサポートしていきたいと思います。
皆様の温かいご支援、どうぞよろしくお願い致します。

■イラク小児がん支援
http://www.jim-net.org/support/donation.php


スルタン君
(スルタン君一家)

スルタン君

(斉藤)

ラワの訃報を受けて。

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現地の斉藤から、ラワがなくなったという連絡が入った。モスルから避難し、ハーゼルという難民キャンプで暮らしている。治療のたびにアルビルに来る。薬を買って上げたり、JIM-NETハウスに宿泊したりと支援をしてきた。

キャンプに帰るお金がないというので、スタッフが送っていってあげた。
そのあと息を引き取ったという。

僕が5月の半ばにイラクを出発するときには、弱り切っていて、ほとんど何も食べれてないといっていた。4月のおわりに、バルセロナと、レアルの試合があったときに、彼女はレアルを選んでサカベコを書いてくれた。その時は、残念ながらレアルは接戦の末、バルサに敗れた。

6月3日、レアルはチャンピオンリーグの決勝を戦っていて、ロナウドの活躍もあり、4-1でユベントスを下してレアルが優勝を決めた。おそらく多くのイラク人たちは大喜びしただろう。
ロナウドやメッシともなると”できたやつ”で、がんの子ども達のことを思い、ゴールを決めている。子ども達の支援も怠らない。彼らのパフォーマンスは、子どもたちへの希望だ。ロナウドの2ゴールも、ラワには届かなかったのか。

彼女がサカベコを書いてくれた時のことを覚えている。ちょうど輸血をしている最中だった。肺に感染症を起こしていたのか、苦しそうに咳をしていた。その後も、ラワは何時もしんどそうにしていた。この背番号4番のサカベコを一緒に作ったことが、唯一の楽しい思い出となった。

JIM-NETのスタッフたちが彼女に寄り添って、学んだことはたくさんある。その一つは、戦争の直接的な被害だけでなく、いかにこういったがんと闘う子ども達を苦しめているかということ。

どうしたら彼女の命を救うことができたのか?抗癌剤が足りなかったのか、感染症なのか、抗生剤なのか。あるいは、救えない命なら、いかに彼女が生きた時間を有意義にすごさせてあげることができるのだろうか?

彼女の死を無駄にすることがないように、JIM-NETハウスを充実させていきたい。

ラワのサカベコが、またどこかで出て来たら彼女のことを少しでもいいから思い出してほしい。そして、多くの子どもたちががんと闘い、そして私たちが仕掛けた戦争で苦しんでいることを決して忘れないでほしい。イラク戦争から14年たち、僕たちが支援を始めたきっかけは、イラク戦争前に出会ったモスルの少女だった。
イラクの医師は「経済制裁(湾岸危機から始まった)が解除され、イラク戦争を避けられるなら、イラクは、石油のお金で支援なんかいらない。日本は国際社会で戦争を始めないようにしてほしい」その言葉を思い出す。

日本の責任は大きく、少なくとも無関心でいてはいけない。我々JIM-NETが現場で起きていることを伝え続けることの責任を改めて感じだ。

佐藤真紀(JIM-NET事務局長)@TOKYO

Rest in peace 〜ラワちゃんが旅立ちました〜

先日、難民キャンプに戻ったラワちゃんが昨日亡くなりました。
逝去の知らせを受けたスタッフがその時のことを綴ってくれました。

+++
3日前、「また会いにくるね!」とラワとラワのお母さんと約束をして僕は週末ドホークの家に戻りました。
週明け、ドホークから病院に向かう途中電話が鳴りました。
ラワのお父さんからでした。
「色々無理なお願いまで聞いてくれて本当にありがとう、アーデルや他のスタッフは本当に息子のようだ。感謝してもしきれないよ。ありがとう。」
僕は「いやいこれが僕たちの仕事なんだ、そう言ってもらえると嬉しいよ。」と告げると、ラワのお母さんに電話が渡されました。
いつもと違った低くて小さい声に一瞬息を呑みました。
「ラワが亡くなったよ。」
最初は聞き取れず何度か聞き直しましたが、確かにその言葉が発せられました。
僕は何と言っていいか分からず、ただただラワとその家族に申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。
何もしてあげられずにごめんなさいと。
そしてこの知らせをJIM-NETのスタッフたちにどう伝えていいかもわかりませんでした。私たちは家族のようだし、皆ラワのことを気にかけていたから。そして彼女のことが大好きだったから。
ラワにお疲れさまと伝えたい。
いっぱい苦しんだけど、もうがんのない世界でゆっくりしてね。
安らかに眠ってください。

アーデル

+++
写真は5月に現地報告会を行った際に、skypeでゲスト参加してくださったフォトグラファーの鈴木雄介さんが撮影してくれたもの。
スタッフもこの写真がとても気にいっています。
また会う機会があるのなら、ラワの家族にこの写真をあげたいとスタッフたち。
ラワちゃん、安らかに眠ってね。
ご支援、応援していただいた皆さん、どうもありがとうございました。
亡くなった原因を再度先生から伺い、我々が今後ラワのような患者に対し、どのようなサポートができるのかということを改めて考えていきたいと思います。
(アルビル事務所:斉藤)


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ラワちゃんの過去の記事はこちらです↓
https://www.facebook.com/JapanIraqMedicalNetwork/posts/1426559317411915
https://www.facebook.com/JapanIraqMedicalNetwork/posts/1465464596854720:0
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