近所に住んでいた同級生のK君の母親が
ある日突然亡くなった。

僕らがまだ小学生だった頃の話。

今では全く交流はないけれど、小学校へ入学して初めてできた友達はきっとK君だった。

兄弟以外で初めて殴り合いの喧嘩をしたのも彼だった。

殴られた痛みより、自分が友達を殴ったときの痛みの方がよっぽど僕には堪えて。
彼を殴りつけたときの感覚はいまだに忘れられないほどだったりする。

時に喧嘩をすることはあれど、近所に住む僕らはほぼ毎日遊んでいるような仲だった。

そんな彼の母親が亡くなったと聞いたとき、僕はひとつだって励ましてやることもできなかった。

それ以来、彼は学校を休みがちになり、心配になった僕は近所に住む彼の家へとひとりで向かった。

「Kくーん!!!」

玄関から何度か呼び掛けてみたが返答はない。

何気なく"ドアノブ"に手を掛けてみると鍵が開いていたようで、ドアがゆっくりと開いた。

そして、目の前の光景に僕は驚いた。

彼の母親が亡くなる前に何度かこの家へ遊びにきたことはあったのだけれど、物はそれなりに多くとも程ほどに整理はされており、なんてことはないごく普通の一般家庭の家。

それが、その日。ドアを開いた先には、大量に積み重ねられたゴミの山で。物凄い異臭がした。

Kくん、、生きているのか?
嫌な予感がした僕はゴミ山を掻き分けさらに奥へと進み、リビングまでたどり着いた。

リビングも勿論大量のゴミの山。そんなゴミ山に囲まれながら彼は小さく丸くなって、すーすーと眠っていた。

よかった。生きていた。

ふ、と僕の陰に気づいたKくんは目を覚まし、僕の存在を確認するとしばらく黙り込んでいた。

僕も言葉は見つからず、ただ目の前で、
突っ立っていることしかできなかった。

彼は次第に微かに震え始め、
目に涙を滲ませた。

「お願いだから・・お願いだから・・お願い・・。このことは誰にも言わないで・・お願い・・」

振り絞った涙声で彼は僕にお願いをした。

"このこと"というのは、
この家の現在の状況のことだろう。

「大丈夫。誰にもいわないよ。」

そう約束して、僕らはそれから少しずつ疎遠になるまで、本人とすらこの話は一切せずに友達としての付き合いを続けた。

大切な人を失うこと。
ぽっかりと空いた穴を、
ゴミ山で塞がれた家。

向き合いきれない現実。

処理しきれない彼の感情が。
そのままゴミとなって具現化されているようで。

家を出るとき、僕はなるべく積まれたゴミを崩さないように。慎重に、慎重に、足を忍ばせながら出ていった。

ゴミだとわかってはいても。
彼の"心"への触れ方がわからなかった。 

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先日しゃんそんズの練習後にみんなで路上飲みをし、缶チューハイを何本か飲んでほろ酔い気分で帰宅した。

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この日僕は朝からなんだか落ち込み気味で。
周りの全てが敵に思えてしまうようなバットな状態だった。

けれどしゃんそんズの練習はとても楽しくて、ざきちゃんとおーちゃんと飲むのも楽しくて。

「生きててよかった!」なんて何度も言いながらすっかり上機嫌になって笑っていた。

そんな心地の良い気分で帰宅しベッドに倒れ込み、部屋を眺めた。

"あぁ・・やばいな。このままじゃいけない。"

そう、恥ずかしい話しなのだけれど。
僕はここ数年、掃除というものが全くできなくなっており、狭いワンルームの中は大量のゴミだらけになっていた。

「このままじゃいけない!!!!!」

酔った勢いもあったのだけれど半ばヒステリー気味に僕は突如散らかり放題だったゴミをゴミ袋へとまとめ始めた。

数年放置していた。一度動き出したら止まらなくて。いるものかいらないものか。そんな判別もろくにできずにひたすらゴミ袋へと物を突っ込む。

捨てても、捨てても。捨てきれない。
捨てても、捨てても。まだまだ消えない。

なんだか泣けてきた。

何故こんなにも、
目の前のものを放置していたのだろうか。

放置、できていたのだろうか。

これはいつのゴミ?しらない!
これはいつのゴミ?いらない!

いらない!いらない!しらない!

体力が尽きた僕はそのまま眠りにつき朝を迎え、シャワーを浴びていて気が付いた。

あれ?歯みがき粉がない!
あれ?洗顔がない!
あれ?ボディーソープがない!

あれもない!あ!あれもない!

昨夜、冷静な判断を失った僕は必要なものまでまとめて捨ててしまっていた。

本当にばかだ。

自分にとってなにが必要か。そんなことも分からなくなってしまうくらいに僕は目の前の僕と向き合うこともせず、ゴミと一緒にしてしまっていた。

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心も体も、ちゃんと向き合って丁寧に扱っていかないと、しっかりと壊れていくんだなと最近よく実感するようになった。

次から次へと身の回りのものが壊れていく。

まぁ、いいや。まぁ、いいや。
で無視を続けた自分の現状はそれ相応に悲惨だ。

Kくんは今、どんな家に住んでいるのだろうか。分からないけれど。

「お願いだから」と彼が隠そうとした彼の心をそのまま鵜呑みにした僕は、その後も彼と付き合いは続けながらも"ちゃんと"向き合うことはできず、徐々に疎遠になった。

そうして今は僕自身が、
触れられなかったあのゴミ山の中に
ひとり取り残されているような。

処理しきれない感情の中、
いつまで目を逸らしている気なんだ。

全部全部、ごみと一緒に埋もれてしまう前に。

もう一度あの開けっぱなしの
"ドアノブ"に手をかけて。

目の前に広がる大量の感情を。

一個ずつ、整理していかなければ、と。

ようやく思うことができた、27歳。

もういい加減に思春期やめような。まじで!!

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彼女と二人っきりでいるとき、
なんかいい感じになってるとき。

まるで世界の中心に、
自分たちがいるような錯覚に陥る。

目の前の彼女の全ては、
いま自分に託されているんじゃないか。

自分だけが理解してあげられるのではないか。

自分だけが本音を聞けるのではないか。

彼女にとって僕は"特別"なんじゃないか。

誰かの特別になれたとき、
世界は自分を中心に回り始めていく。

けれども、彼女にとって。

そこは案外、
世界のほんの隅っこだったりするわけだ。

うーん。世辞からい。

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特別だとのぼせ上がってしまった男とは全く阿呆なもので。彼女との関係がいまふたつになってからも、世界の中心から抜け出せない。

本当はまだおれのこと好きなんだろう?
おまえのことを理解してあげられるのはおれしかいないんだろう?

自動車学校であれほどやってはいけないと言われていた"だろう運転"全開。事故る。"だろう?"は事故る。

新しくできた道路。
新しい彼氏の存在に気付かず、正面衝突だ。

元カノといつまでも連絡を取り合っていると、いつの日にか電話口の相手が変わる。
「てめえ、人の女に手出してんじゃねぇよ」
と、ドスの効いた声で怒鳴られて終了。

こわかった。
17歳の頃の僕の話です。

世界の中心から、一瞬にして陰奥底へ。
断崖絶壁、隅の隅へと追いやられる。

元カノに固執するのはダサいからやめよう。

そう誓った、17の夜。

友人からぼったくられて数十万で買ったオンボロの原付を走らせ、泣いた。

そしてそのとき彼女は、新しい彼と世界の中心でセックスを楽しんでいたわけだ。

誰かが泣けば、誰かが笑う。

世界中で今夜もそんな、
"居場所"取り合戦が行われている。

つい数日前。あのときのあの子からの結婚報告で、僕はまた、また、より一層世界の隅へと追いやられてしまった。

まぁさほど悲しいわけではないけれど、
たまには僕にも叫ばせてはくれませんかね。

世界の中心で、愛ってやつを・・・。

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やらなきゃいけないことなんて、
生きること、生活。
それ以外にきっと、なにもない。

やりたいことをやっているだけの毎日です。

どうしようもなく溢れてくる、あれこれ。

けれど、突然。
"虚無る"ことがある。

あれ?なにしてんだっけ?
攻めて、攻めて、責めて、攻めて、
その先になにが欲しいんだっけ。

一個軸を失うと脆いもので、
また虚無る。

そもそもなんだっけ。と、考える。

そういえば今年の抱負。
恥ずかしくなって誰にも言えなかったけれど、"雑魚を黙らす"だった。

そうだ。そうだ。

僕の周りの頑張っている人たちが"雑魚"に横から文句とか言われているのがどーしようもなく気にくわなかったんだ。

雑魚共の文句、ノイズが届かないところまで走って走って。振り切りたかったんだっけ。

中学生の頃、かめはめ波が撃てたらどれだけ楽に生きれるかなーなんて夢想していた。

そうだ。

僕はかめはめ波が撃ちたいんだ。

しょーもない事柄全てに、かめはめ波を。

そうしたら僕の好きな人たちの邪魔をする雑魚を全員蹴散らしてやれる。

いやー、撃ちたい。

あれ内側からのエネルギー的なあれだよね。

めらめら燃えてくる気があれば。
撃てるかな~。

でもいますごい虚無ってる。

雑魚全員黙らせたあと、
どーしたいんだっけな。

むむむ。

やるべきことなんて、ひとつもない。

やりたいことをやるだけの毎日。

たまに"虚無る"ことも、まぁ、あるよね。

毎度のことだけど、
やっぱ一番うるさい雑魚は自分自身だな。

誰か僕にかめはめ波を撃ってくださいよ。

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