「LOST」のジャックこと、マシューフォックスが出演しているのが気になって『バンテージポイント』観てきました。一言で云えば面白かった!でも面白かった派と不完全燃焼派とに二分される映画かも知れない。ほとんど灰色の脳細胞を使わないワタシとしては単純明快な映画の方が好きなんですが。

上映時間は映画としては比較的短い90分だけど、短く感じさせないテンポの良さとスピードあふれる緊迫感が、次の展開を想像する余裕すら与えない。この映画を観ながら何故か、キアヌリーヴス、サンドラブロックの映画「スピード」を思い出してしまった。

ややこしい伏線もなくストーリはいたって単純、人間描写などの思い入れもなく、ただひたすらラストへと疾走する作りが似ているからでしょう。
確かにバンテージポイントも複雑に絡み合う人物描写などほとんどないし、ストーリも余計な贅肉すべてそぎ取って、単純明快に一直線に進んでいく。

ひとつの出来事を7つの視点で見、8つ目の視点でストーリが急展開する。その間何度も12:00に戻り、正確に言えば11:59.58秒に戻り、そのたびに大統領が会場に向かう車列が映しだされるのです。それが退屈かというとそうでもない。毎回戻るたびに新しい事実が描かれ、観る者に新たな発見を与えてくれるから。

しかし8人の視点という割には、それぞれの人物に隠された内面的なものは最小限度に抑えられ、大統領狙撃・大爆発と言う事実だけが淡々と描かれている。別に8人でなくても良かったのではと思ってしまうけど。

むしろハンディカメラを多用した撮り方が、逃げまどう人々やカーチェイスの臨場感を上手く演出しているように思う。特に車で追跡するデニスクエイドの肩越しからのカメラは、まるで彼と一緒になって追いかけているような錯覚させ覚えてしまう。

ところでこの映画、ツッコミ処もいっぱいあります。
これほど大規模なテロは政府中枢によほどの大物がいないと実現しないしぃ。
大統領が戻ることまで知っての大作戦は綿密な計画と実行協力者が必要だしぃ。
そこに至る経緯も分からないしぃ。
と分からないことだらけ。
そう言う複雑な説明を全部無視してるところが逆に潔いかも。

それにフォレストウイッテカー、いつもイイ役してるけど、今回は
ビデオカメラオタクのアメリカ人旅行者

と言う設定。

このソニーのハンディカムに撮られた中身が犯人の決め手かと思ったけど、さほど重要でもなかった・・・。
しかもこのウイッテカー、頼まれもしないのに、撮影しながら犯人を追いかけるが、コレもまったく役に立っていない。ただのイッチョカミおじさんかと思うと最後にちょっとイイ役。何かイチバン得してますねこの人。

まあ犯人は大体想像していた通りだった。でも動機がイマイチ納得できない。この辺りが不完全燃焼派としてはちゃんと説明してくれよ!と思うところでしょうか。
ついでに云うと
冷酷で無慈悲で問答無用のテロリストが、最後に道路にさまよい出て来た少女を轢いてしまうのをためらい、回避したことにより事件が解決というのも

なんだかなぁ〜!

の結末でした。何のためらいもなく何人もの命を犠牲にし、緻密で計算され尽くした計画が、たった一人の少女の命をためらった為に・・・
と言うのも如何にも人間的です。

それともうひとつ・・・
シガーニウィヴァがどんな活躍するのか楽しみだったのに、登場は始めだけでした。しかもすっかり老けてたしぃ。
全体としてはもう一度観てもいいなと思う映画でした。
あまりのスピード展開なので見落としていたところもあるかと思うので。