タイトルが全て。

いきなり違うシステムの話をします。

クトゥルフ神話TRPGのリプレイシリーズと言えば内山靖二郎先生の「るるいえシリーズ」は外せないところでして、その中のシリーズに「るるいえびぎなーず」という初心者向けの解説をふんだんに交えた本があります。

TRPGという遊びを初めて聞いたというスタート段階の人に対してTRPGとはどんなものなのか、その中でクトゥルフ神話TRPGとはどんな遊び方をするのか、どのように楽しめば良いのかというものをリプレイや解説といった形で紹介している本ですね。


「アマデウスEX 放課後ミソロギア」はその「るるいえびぎなーず」をさらに進化させた「入門書」として最適なんじゃないかと思います。
何故そう思うのか、2点ほど。


【冒頭のマンガ形式リプレイ】

今までのTRPG書籍は「読めばシステムについてわかりやすく書いてある」ものは多かったのですが、少し興味を持った人がいざ文字だらけの本を目の前にして読んでくれるかというと少しハードルが高かったんじゃないかと思うんです。
はじめの2〜3ページを読んで「なんか難しいな…」で本を閉じて終わり、となってしまっては自分で遊んでみるというステップまで進みません。

その点、放課後ミソロギアは本の半分以上、100ページを「マンガ形式のリプレイ」に割いています。マンガを使うことで視覚的にわかりやすく読み進めやすいリプレイに加えて、冒険企画局お得意の「欄外注釈」でしっかり世界観を説明するというコラボは読み始めるというハードルをグッと下げてくれるんじゃないかと。


【各神群の相関図がニクい】

何より言いたいのがこれだったんですよ。放課後ミソロギアに収録されている「各神群相関図」。
これ、初心者にとっても遊んでいる人にとってもものっすごく親切だと思うんです。

現状で登場している神群だけでも日本・ギリシャ・エジプト・クトゥルフ・ラストクロニクル・北欧・中華・ケルトとたくさんあるじゃないですか。これの全てについて資料を揃えて調べて遊ぶ人ってものっすごく限られた層ですよね。
大体の人は日本神話やギリシャ神話、クトゥルフ神話に至っても「名前は聞いたことあるけどどんな話か知らない」という知識だと思うんですよ。
そんな中でその神があなたの親です! さぁ、会話して! って言われても「……どうしたらいいの?」ってなっても仕方ないです。そりゃーそうだ。

そんな時に相関図ですよ。

「お前のかーちゃん俺の父ちゃんの弟!」とか、他人の親神に対して「うるせー末っ子!」とか、そこを切っ掛けにして色々会話ができるんじゃないかと思います。
また、個別に調べていると混乱しがちなそれぞれの神同士の逸話であっても、相関図があることによって整理がしやすくなるんじゃないかと。

ぶっちゃけ、個人的にはこれだけのために買ってもありだと思います。



以上、ものっすごく長文書きましたが、それだけ「他人に勧めやすい」「誰が読んでも得をする」という素晴らしい本だということが言いたかったんです。
個人的には「アマデウスに興味あるんだよね」という人がいたらとりあえずこの本を投げつけておくというスタンダードになりました。

まだ買ってない人は是非買って読んでみてください。損はしない。