日露開戦当初
日本陸軍の主眼は満州平原での一大決戦に置かれており
旅順要塞はさほど重要視されていませんでした。

日清戦争では旅順はわずか一日で陥落しており
竹柵で囲っておけば良い、なんて言われたほどです。
それでも少なからぬロシア軍を旅順に残すのは後顧の憂い、という訳で
遅まきながら旅順要塞攻略軍たる第3軍が編成されて
乃木が軍司令官に任命されたのです。

しかし、皆さんご存知のとおり
旅順要塞の実体は参謀本部の予想をはるかに超えて
難攻不落の近代要塞に生まれ変わっていたのです。

以前にも書きましたが
幾重の塹壕に囲まれた多数の堡塁群は
機関銃装備の上、コンクリート製で
旅順要塞は世界の戦史上初の「永久要塞」だったのです。
このような要塞に挑んだ軍隊など世界中の何処にもなく
当然、攻略方法など編み出されていません。


おまけに要塞を守るロシア軍の兵員数は当初の予想の倍、4万人。
通常、要塞攻略には攻め手は守備側の3倍の兵員数が必要といわれていますが、
第3軍は6万に満たない兵員しか与えられていません。

しかも、乃木第3軍の任務は旅順を迅速に攻略、
急ぎ北上し満州軍に合流
奉天辺りの一大決戦に備えなければならない、

つまり時間がないのです。

兵数も砲弾も、時間もなく、攻略法も前人未踏で誰も知らない.....。

乃木以下、第3軍の幕僚達はア然としたに違いありません。



そのような状況で
十分な準備期間も与えられず
周囲から急かされる形で実施された数次にわたる総攻撃

乃木の第3軍は旅順の堅陣を抜くことが出来ません。

そして予想より一桁違う戦死傷者数。

旅順要塞が超難攻不落の永久要塞であることなど
世間は知りませんから
国内世論は乃木に非難が集中
軍中央でも乃木更迭論が巻き起こります。


1904年(明治38年)12月

映画では

満州軍総参謀長である児玉源太郎は旧友乃木の苦境を見かねて
決戦間近の満州の平原から単身旅順へ乗り込んで来ます。

そして、第3軍の作戦指導に介入することを乃木にほのめかします。


3P1 IMG_20180426_0002児玉

「乃木、おぬしの気持ちなど詮索しているひまなどワシにはなーい!
ワシが考えていることはのォ、ただこの戦争に勝つこと、それだけじゃ!!」

丹波哲郎演じる児玉源太郎でした。



児玉と乃木は同郷の長州藩出身
幕末維新、明治の近代国家建設を陸軍軍人として共に歩んだ親友同士です。
その二人が今や年老いて、旅順攻囲戦で最大の国難を迎えているのです。



満州の平原では日露両軍の主力が集結しつつあり
海上ではバルチック艦隊が極東を目指して回航中です。

旅順要塞攻略には一刻の猶予もありません。



ついに
第3軍は現状打開を模索し
一時的に攻撃目標を
東北正面の本防御線から西方の二百三高地へ転換します。



..........物語はいよいよ佳境に入るのでありました。

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以上、映画の流れはこんな感じですが
史実はやや違うようです。

乃木第3軍をめぐる悪条件はそのままですが
児玉の作戦指導によって二百三高地が陥落する、
というのが違うのです。

史実は、これほどの悪条件にもめげず、二百三高地も旅順要塞全体も乃木第3軍が陥落させたのです。

このくだりは別の機会にお話しますが
もし、史実通りに映画化したら、更に素晴らしい作品になっていたのでは
と思ってしまいます。

もちろん、リメイクしても
乃木は仲代達矢、児玉は丹波哲郎です。


次回に続く




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