2017年12月06日

高畑充希はやっぱり可愛い!夫婦愛を描いた和製ファンタジー「DESTINY 鎌倉ものがたり」は非常にツボった!!4


1506654774_64414799959cdba36542d8

レンタルでいいかなあと思っていた作品だったが、たまさか試写会が当たったので出向いたら、まさかの舞台挨拶付きで主演の堺雅人、高畑充希、そして山崎貴監督が登壇する機会に立ち会えたのはラッキーだった。

思ったよりテンションの高い堺雅人に比べ、少々大人しめの高畑充希が意外だったが可愛かった。ふたりは終始食べ物の話をしていた印象で、舞台裏も一様に和やかだったことが伺えたが、山崎貴は少し違っていた。山崎貴はこの作品を少なからず日本映画に一石を投じれるだけのファンタジーに仕上げる覚悟と責任を感じていたようで、ぼくはそれが印象的だった。

山崎貴のVFXは「リターナー」の頃から大好きなので、白組が作り出す映像に特段心配はしていなかったけれど、それよりも物語がファンタジーとして成立するのか、それが心配ではあった。

結論から言うと、山崎貴らしいファンタジーにそれなり仕上がっていたと思う。もともと「ALLWAYS 三丁目の夕日」と同じ原作者とスタッフでの作品だけに、あの作品と同質のテイストは非常に強い。ぼくからしたら「ALLWAYS 三丁目の夕日」こそ昭和ノスタルジーを主題にした壮大なファンタジーだと思っているくらいだ。

山崎貴が今回試みたのは「スター・ウォーズ」などのようにクリーチャーを多用したファンタジーだ。そして黄泉の国という創造世界の構築だった。山崎貴は「DESTINY 鎌倉ものがたり」に登場する黄泉の国は自身がイメージする、そうであってほしい世界観であることを吐露している。そして、それは誰もが一見して感じただろう、「千と千尋の神隠し」の世界と同質であったことを・・・。ただ日本人や東洋人の天国感はある意味こんな世界だろうことは疑わない。だから山崎貴が描いてみせた黄泉の国には非常に共感できたのである。

作品自体は堺雅人が演じるミステリー作家と高畑充希が演じる妻との夫婦愛の物語だ。どんなに引き裂かれても運命的に繋がっていく愛の姿を完璧なファンタジーで描いてみせたのは一興だった。また鎌倉という場所を異世界に仕立て上げ、魔物と共存させるアイデアは西岸良平という漫画家のすごさでもある。そのアイデアを2時間の和製ファンタジーに仕上げた山崎貴は流石であった。

全体的には申し分なかったと思うが、いろんなしがらみで残念になったこともいくつかある。その最たるは後半の黄泉の国パートの単調さだ。もっといろいろミステリアスなエピソードを期待したが、やはりあまり時間を懸けれなかったのは日本映画のお家事情なのだろう。そしてラストもあっけなかったので、泣きどころを見失ってしまった次第だ。

ところで、ぼくは奥さんと観に行ったんだけど、奥さんは、橋爪功と吉行和子が扮した夫婦のように、死んだ後も生き続けて相手と連れ添い一緒に黄泉の国に行ける素敵なシステムにとても魅了されたらしく、鎌倉に本当にあるなら引っ越したいと言っていたぐらいだ。だから、この作品は恋人や夫婦など愛する人と一緒に鑑賞すると非常に効果的かもしれない。


このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック
jinfs at 21:49|PermalinkComments(0)

2015年10月10日

東野圭吾原作の問題作「天空の蜂」は堤幸彦らしからぬ骨太ハードボイルドミステリーだった!4



原作も読まず、なるだけ情報をシャットアウトして、この作品に向き合うのが礼儀だろう。

東野圭吾原作、堤幸彦監督という映画では初のタッグとなるはずだ。福島第一原発の事故により映像化はほぼ不可能と言われていたが、堤幸彦は非常に丁寧に映像化したと思う。そこには普段の堤幸彦のユーモアは一切封印されてしまっていたのである。出演した仲間由紀恵もメイキング映像でそうぼやいていた気がする。

テーマは幾つもに跨がり複雑に絡み合っている。この辺の絡み具合は東野圭吾の独壇場と言えるだろう。

原発を通して浮き彫りになる矛盾やら軋轢やらに翻弄された男たちが、その矛先を日本国民に向けてしまった犯罪ではあるが、そこには「原発に反対する」弱者だけでなく原発に従事して「使い捨て」られる弱者や原発を肯定したがために「虐げられる」弱者などあらゆる弱者が存在し、その点が線となって最新鋭ヘリをリモートコントロールで原発の上空に据え、原発に抗う構図を作り上げたのである。

映画的には非常に骨太なハードミステリーとなった。堤幸彦のいつものノリは封印され、手に汗握るハードボイルドなサスペンスとなっていた。それはいい意味でだ。それはキャスティングの妙でもあるし、原作に内包された濃密なメッセージがそれを後押ししたはずである。

ラストも印象的だ。大震災と原発事故を経験したからこそ描かれたメッセージがそこにある。非常に非常に重いメッセージである。それを鑑賞したぼくらはどう受け止めたのだろうか・・・。 

機会があれば原作も読んでみたいと思う。 


このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック
jinfs at 10:35|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2015年08月13日

2があるんで「テッド」見たけどエログロすぎ!R指定はしかたない…3



クマのぬいぐるみを抱きしめ雷に怯える典型的なアメリカンキッズの物語のような展開で、それにドラえもん的な要素を加えるとファンタジーに変わるのかと思いきや、 いろいろめちゃくちゃな半生を早回しで綴った挙句の27年後をエログロ満載のブラックコメディーとして描いている。主人公は8歳のアメリカンキッズではなく35歳の独身男性、そしてその横には喋るクマのぬいぐるみが寄り添っている。

とにかくドラッグやセックスやウンコのネタがこれでもかと出てくるので純真無垢な方には絶対オススメできない。それを踏まえてご覧になるなら、さらに以下の作品を見ていないと意味不明なネタがてんこ盛りだ。つまり、この作品は非常にマニアックで放送禁止的な要素が多すぎて一般人はついていけないのではないかと解釈できそうだ。それでもなかなかの興業成績を上げ、続編までできるのだから、つまり変態さんもしくは変態好きが多いということだろう。

ということで、観ておくべきネタ作品は以下のとおりだ。

本作を通して最も影響力のある作品が古典SFドラマ「フラッシュ・ゴードン」そして「トップ・ガン」だろう。

後は小ネタなので羅列。
「E.T.」
「レイダース」または「インディー・ジョーンズ」
「007オクトパシー」
「愛と青春の旅立ち」と「サタデー・ナイト・フィーバー」とそれをパロった「フライングアイ」
「エイリアン2」
「スター・ウォーズ」
「ブリジット・ジョーンズの日記」
「ナイトライダー」
「グリーン・ランタン」
「スーパーマン・リターンズ」
テレビCMから「ファーファ」
それから作品ではないが人物としては「ノラ・ジョーンズ」「ピンク・フロイド」そして「ランス・アームストロング」

まあこれだけじゃないが挙げ出したらキリがないのでこのへんで。 

ところで本作は非常に翻訳泣かせだったようだ。というのも元ネタがあまりにもローカルすぎたりマニアックすぎるため、実際の単語を字幕で出したところでほとんどの日本人には理解できないからである。そのため「くまもん」や「ガチャピン」や「星一徹」といった日本に馴染みのある単語でムリクリ当てはめているのだ。まあそう言ったところも考慮して観てあげてほしいものだ。

という自分はまだ「2」を観るかどうかという選択さえも検討していない状況である。 


このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック
jinfs at 18:29|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2012年10月10日

「天地明察」って、そっちの滝田洋二郎かよorz



冲方丁の原作を読んでから観賞してしまったので、その残念度は半端ないかも。

感想を言えば、この作品は「おくりびと」の滝田洋二郎ではなく「陰陽師」や「釣りキチ三平」の方の滝田洋二郎が監督した作品だった。

原作がSF大賞も取ったライトノベルの旗手であることを考えれば想像できたものを、変に滝田洋二郎がメガホンを取るから期待しちゃったじゃないか。


このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック
jinfs at 16:55|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2009年05月15日

「天使と悪魔」は「ダ・ヴィンチ・コード」よりはエンターテインメント



「ダヴィンチ・コード」よりも映画的には良くできていたと思う。

前作があまりにもメタレベルの謎解きに特化してしまったがために、評価を二分してしまった。

しかしながら、今回はどちらかとうとミステリーアクションの極みである。

謎解きを待たずしてストーリーは展開する。

どちらが良いかと言われると難しいが、これはこれでよかったと思う。

そういう意味では、「天使と悪魔」はエンターテインメントして良くできた作品である。


このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック
jinfs at 15:52|PermalinkComments(0)TrackBack(0)