jinkan_mizuhoの映画の部屋

劇場公開、レンタル、TV等で鑑賞した映画の感想。

『リオ40度』'56

ネルソン・ペレイラ/監督&脚本
リオ40度

ブラジルと聞いて思い浮かぶものは、サンバ,リオのカーニバル,サッカー,コーヒー豆,アマゾン,日系移民と言った、断片的な知識ばかり。
そんな頭をガツンとやられたような作品である。

本作は、5人の少年が狂言回しのような役を演じて、ブラジルのさまざまな階層の人々の生活の断面を紹介している。

モノクロの画面からは、生き生きとした人々の暮らしが垣間見える。

先日、入洛された際のペレイラ監督の話では、中心になった2,3の方はプロの俳優だが、それ以外は素人であったそうだ。
監督ご自身もお認めになっていたことだが、イタリアのネオレアリズモの影響を受けた作品だ。

といっても、単なる模倣ではない。





乾いた人生 '63

ネルソン・ペレイラ/監督&脚本 グラシリアーノ・ラモス/原作

乾いた人生

先日(5/16)、京都文化博物館にて鑑賞。
映画は、干ばつにより難民生活を余儀なくされた一家が、必死の思いでついた農場での生活を中心にしている。

地主の搾取や警察官の横暴にさらされる主人公。無知であるが故に、正当な抗議も受け入れられない。理不尽な境遇に酒と博打で、憂さを晴らすしかない。そして、それがまた新たな悲運に見舞われる。

原作は50年代のものではあるが、今日でも状況は根本的には変わらないという監督の発言がある。
それは、ブラジルの写真家、セバスチャン・サルガドの写真集『TERRA(大地)』(1997刊 ※現在は入手困難)にも示されている。

悲惨な農民というか牧民の有様を描いているが、妙な湿っぽさはない。というか、どんなに踏みつけられても簡単には倒れない民の強さとしたたかさが、感じられる作品だ。




おやじの蔵









木屋町や河原町界隈の若者向け居酒屋に比べると、少々値段設定は高いかもしれない。
しかし、料理には一切の手抜きが見られない。正直、納得の値段だ。

1階は、カウンター席のみ。階段を上った2階は、テーブル席。テーブルの間の距離も適度で、ゆったりとした気分で酒飯できる。
BGMにはジャズが、心地よい音量で流れている。

まず、つきだしは「ホタテの辛子味噌和え」。この一品でこの店の誠実さがわかる。辛味と甘みが程よく調和してホタテの旨みを引き出している。

「海鮮だいこんサラダ」は(自家製と思われる)ドレッシングが海鮮-つばす・ホタテの刺身-の味を引き立てている。

「鶏軟骨の唐揚」や「とうもろこしの天婦羅」といった揚げ物には、いい油を使っているのだろう。腹持ちはいいが、決して胸焼けする代物ではない。

そのほかにもいろいろと注文した。飲み物も含めて一人¥3000程度。
格安のお店ではないが、料理のレベルを考慮するとコスト・パフォーマンスに秀でたお店といえるのではなかろうか。




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店名:おやじの蔵
最寄駅:
料理:和食一般
評価:★★★★
一人当たりの支払額(税込み):ディナー1,000〜3,000円
用途:デート

Ray レイ '04

テイラー・ハックフォード/監督 ジェームズ・L・ホワイト/脚本

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出演:ジェイミー・フォックス
販売元:ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
発売日:2005-11-25
おすすめ度:4.0
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今更、この名作を褒めてもあまり意味はないかもしれない(苦笑)
でも、敢えて言います。いい映画です。

主演のジェイミー・フォックスは勿論、脇を固める役者も素晴らしい。まあオスカーの主演男優賞受賞も納得の歌唱とピアノ演奏だ。
途中から、R.チャールズ自身と錯覚するくらい。

脚本もR.チャールズという不世出の芸術家を美化することなく、暖かな目で厳しく描いている。

さらに、物語を引きたたせる上で、美術監督の貢献大である。
南部の街も、ニューヨークの街も、バーの内部も、本当によく出来ている。

スタッフもキャストも一丸になって出来た作品だ。







路上のソリスト '09

ジョー・ライト/監督 スティーブ・ロペス/原作 スザンナ・グラント/脚本
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出演:ジェイミー・フォックス
販売元:ジェネオン・ユニバーサル
発売日:2009-10-23
おすすめ度:3.5
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先月末に川越を散策した際、偶然に川越スカラ座で上映中であることを知る。時計を確認すると上映15分前。

これも何かの「縁」とばかりに映画館に歩みを進める。
旅先で映画を観るのは、久方ぶりだ。
館内は、平日午前中ということもあり、10人程度の入り。なにか、映画『オリヲン座からの招待状』に出てくるオリヲン座のような館内。

映画が始まる。主演は、ジェイミー・フォックス。
『Ray』とも『ドリームガールズ』とも違う顔つきだ。当然といえば当然なのだが、その仕草の自然なこと。本当に精神に障害を持つ芸術家の顔に見えてくる。

実話に基づく作品であるためか、ぐいぐいと作品に引き込まれるように見入る。
そうでなくても、ベートヴェンの曲を大音響で聴けるのは嬉しいものだ。

破れ太鼓 ’49

木下恵介/監督 木下恵介&小林正樹/脚本

出演:阪東妻三郎、森雅之、桂木洋子、沢村貞子、宇野重吉

小学生から中学生の頃にかけて、TVドラマ「木下恵介アワー」で放映された『おやじ太鼓』は、本作をTVドラマ化したもの。
ホームコメディーというか喜劇である。

成り上がりの頑固親父と優しい母親。それを取り巻く息子や娘たち。
夫婦でもめると、子ども達は一斉に母親の味方に。

戦前の家制度崩壊後の典型的な家庭を描いている。
TVホームドラマの原型になったような作品だ。

映画は、若干古臭さは否めないものの、ホームドラマとしてはよくできている。
今鑑賞しても、面白味がある。

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出演:阪東妻三郎
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おすすめ度:5.0
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田園調布の古い駅舎が、時代を感じさせる。
また、板妻のちょっとした表情を見ていると、彼の長男・田村高廣が父親によく似ていると、改めて実感。

のだめカンタービレ 最終楽章 前編 '09

武内英樹/監督 二ノ宮知子/原作 衛藤凛/脚本

出演:玉木宏、上野樹里

話題の映画を昨年、封切りの日に観にいって来ました。
前宣伝どおり面白い仕上がりになってました。

今も上映中ですので、ネタバレになるようなことはいえません。
よって、ネタバレにならない程度で感想を。

映画のほうは、TVドラマ版やスペシャル版をグレードアップした感じ。
特に、演奏シーンは今まで以上。やはり大画面と音響機器の影響でしょうか。作り手も、大きいスクリーンに映るということを意識しているようです。

チャイコフスキーの「1812年」の演奏シーンが今回の山場でしょうが、個人的にはバッハの「ピアノ協奏曲第1番」をもっと聞きたかったなあ(苦笑)

とにかく木戸銭払っても、後悔しない面白い作品です。
ただ、後編も観ないと消化不良になるかも。
つまり、この作品だけでは、物語は完結しません。鑑賞後、4月に公開される後編が、待ち遠しくなりました

ココニイルコト '01

長澤雅彦/監督 長澤雅彦&三澤慶子/脚本 最相葉月/原案

出演:真中瞳、堺雅人

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『青空のゆくえ』『夜のピクニック』『天国はまだ遠く』の長澤雅彦監督の本格的な処女作品。

原案は、最相葉月のエッセイ「わが心の町 大阪君のこと」(『なんといふ空』所収)。ほんの3ページほどの短いエッセイにすぎない。

長澤雅彦は、映画製作には脚本で加わっていたので、本作も脚本を(共作で)手がけている。
後の作品でも分かるように、脚本がよく出来ている。
原案からエッセンスを抜き取り、ストーリーを仕立てる。
見事なできばえだ、と思う。

その上、雪のシーンやプラネタリウムのシーン、それに通天閣を見上げるシーン。主演の真中瞳が、一番輝いて見える角度からとらえている、という印象を持つ。

物語は、恋愛-不倫ですが-にも仕事にも行き詰った広告代理店の新米コピーライター・相葉志乃が主人公。

東京から大阪に転勤になり、仕事もクリエーターから営業に。
会社の女子社員からは「イジメ」にあうし、何もかもがイヤになっていた。
ただ、同僚の前野だけが「ええんとちゃいますか」としなやかに受け止めてくれる。

恋愛映画のようで、そうでない。
主演の真中瞳の表情が、あまり豊かでないのが残念だが、前野役の堺雅人が上手にカバーしている。

大阪の町が、少々、東京方面から見た印象でかためられている、という印象は持つものの、後味のいい仕上がりだ。

前野が亡くなるという結末にもかかわらず。
監督の演出力を感じる。

喜びも悲しみも幾歳月 ゜57

木下恵介/監督&脚本

出演:高峰秀子、佐田啓二、田村高弘、仲谷昇

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おすすめ度:5.0
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木下作品の高峰秀子といえば『二十四の瞳』を第一に挙げなくてはならない。(まあ当然ですが

本作も、家族の幸福や反戦の立場を女性の視点から描いている。
とはいえ、社会派というより家庭ドラマといった方が適切か。

燈台守の夫妻の戦中戦後をはさむ25年をロケ撮影。室内や灯台は(おそらく)セットだったと思いますが。
とにかく、北は納沙布岬から南は五島列島までロケーション撮影を敢行したそうだ。
であるから、当時の風景を楽しむこともできる。

(多分)設定では、高峰秀子は女学校を卒業して、それほど時を経ずして結婚したのだろう。
夫婦の25年というのだから、年齢は20歳前後から40代半ばまでと考えられる。
だとしたら、今から半世紀前の40代や50代は随分と歳をとっていたものだなあ。今の感覚からだと、年齢に+20年加えたぐらいの感じである。

それにしても、田村高弘と仲谷昇の若いこと若いこと
まあ50年前以上の作品ですからねえ

また、映画のオープニングで主題歌を流すのは、古いフランス映画の趣だ。
主題歌は映画は観てなくても、一度は耳にしたことがあるくらい有名。




幸福な食卓 '06

小松隆志/監督 瀬尾まいこ/原作 長谷川康夫/脚本
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出演:北乃きい.勝地 涼.平岡祐太.さくら.羽場裕一.石田ゆり子
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発売日:2007-06-22
おすすめ度:4.5
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主演の二人は健闘しているものの、脇を固める役者に山椒のような味わいが欲しかった。

直ちゃん役と小林ヨシコ役の役者の力量か演技指導に問題があるのかなあ。
原作から受ける、直ちゃんの飄々とした感じと小林ヨシコの図太いけど細やかという点が、十分でなかったような…

つまり、北乃きいと勝地 涼は、一生懸命演じていると思うのですが、脇を固める役者に人を得てないと言うか、演出がどうもなのか、ということだ。

それにしても、石田ゆり子は、成人した子どもがいるには若すぎるなあ。
母娘はいいのであるが、母息子についてはほとんど親子という感じを受けなかった。(この映画に出演している時期は、30代後半だろうけど、もっと若く見えるもんなあ)

ラストに流れるミスチルの曲が、一番印象に残った。
うーーむ、もう少し映像そのものに力が欲しかった。

原作は、なかなかの傑作だと思うのだが、どうも原作の力に頼りすぎた気配を感じる。
物語の展開も、時間列が前後したり、ちょっとした原作に書いてあるカットがはいったり。それもこれも、原作を読んでいたら理解できる箇所ではあるが……。

はよかった。これがあるから観て損したとは思いませんが……(苦笑)






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