ソレイユがダブルエムとの対決ライブをする2ヶ月前。ユリカもまたアイカツ中であった。
吸血鬼キャラなのに朝のシリアルのCMオファーが。
主役を張るユリカには裁量権があり、セルフプロデュースでスタッフと打ち合わせしてロリゴシックのデザイナーの家を借りて、600年ぶりの早起きする甲斐があったとCMを手掛ける。
これが当たりベリーグッドモーニングシリアルは大ヒット。
その人気のまま握手会をするのだが、そこにユリカ様に憧れる昔を知らないファンの女の子、ちまきが現れて、どうしたらユリカ様みたいに強くなれますかと聞いて来る。
答えられないまま握手は終了するのだが、ユリカはその言葉が引っかかり、同じく吸血鬼キャラのデザイナーに相談する。
新しいファンはユリカ様を無敵の吸血鬼だと思っているけど、自分はとんでもなく弱かった。
スキャンダルで危ない時もありロリゴシックのプレミアドレスがあったから今があるし、ファンも見放さなかった。
だからロリゴシックとファンを大事に思っている。 
でも新しいファンはその時のことを知らない。
ユリカはロリゴシックの星座ドレスのお披露目でその子が来るはずだから、あの子はかつての自分と同じだから、弱かったこと、強くなったことを伝えたいと。
しかし握手会で会っただけで熱心なファンだと思うけど、名前もわからない。
これに事情を聞いたかえでがいちごと一緒にその子を探して、ユリカも好きだった変身カレンダーの本を持っているのが目印だから探し出した。
そして舞台裏に連れて来ると眼鏡の普段の姿で現れ、質問に答える。
それはロリゴシックでアイカツしたかったから。
自分を変えたかったから少しだけ自分を変えること。
早起きするのも良い。挨拶の声を大きくするのも良い。オシャレをするのも良い。
それが出来ればいつの間にか憧れた自分に変わっている。
だから頑張って欲しい。
見事ステージも成功させたユリカを、織姫学園長から一歩一歩自分の道を進んでおり唯一無二にアイドルだと。
 
山羊座のユリカ様。
なんと1期の20話、スキャンダル回以来79話ぶりのユリカ様単独メイン回。
うわー、感無量。
今回がもうパーフェクトだったため、ユリカ様の成長も堪能出来て非常に素晴らしかったです。
いやあ、もう、ねえ、良かったよ。

特に今回良かったのが、ユリカ様の成長が、そりゃ79話も経ってるからだけど、デザイナーの魔夜に認められていることで、泣けてくるぐらい上手く回収していて。
あの時、スキャンダルのピンチをドレスで突破したけど、あの時は口だけだったのよ。
ドレスに似合うようなアイドルになるために頑張るから頂戴って、全然説得力なしだった。
でも、今なら、ドレスの似合うアイドルになってるのよ。
ずっとそれを示し続けてきたから。魔夜さんが認めてくれてるから。
この経緯を知っていると静かに熱く燃えるのよ。 
あの時の口だけ女が、頑張って頑張り抜いて、証明し続けた。デザイナーに認められるまでになったのだ。
視聴者もユリカ様が諦めてないのを知ってるのよ。
だからこそユリカにとって自分がアイドルでいられる、いようとする動機になったロリゴシックと見捨てなかったファンは宝物なのだ。 
ピンチに助けてくれた魔夜さんは恩人だし、古参ファンも恩人なのだ。

そのユリカ様がかつての自分のようなファンを見つけて、強くなる方法を憧れの自分になる努力をしなさい。
それは少しで良い。早起きでも挨拶の声を大きくするでもオシャレをするでも。
それをしていたら自分は変わっている。
そう伝えるのが、眼鏡ロングのユリカからめがねを外して髪もツインテールにしてユリカ様へ変身することで印象付けられるし、ちまきの目線が前髪で隠れていたのが見えるようになってることで少しだけ自分が変わることが描けている。 
このシーンも良かったな。

ちまきがどんなキャラでいかにユリカ様が大好きなのかも見た目の地味な感じに握手会で並ぶ時に先に行かれてしまうどん臭さ、でもユリカを生で見たら、本物がいるよという大興奮して、でも出番が近付くと、どうしようどうしよう、なに喋ろうって混乱してしまう様子で見事表現されている。
だから直接会えたら、人生が一変するぐらいの衝撃を受けるのも納得なのだ。
この本人視点の演出も見事。

あとはかえでも良かったのよね。コンビユニットなので、ユリカがスキャンダル食らって悩んだこと、それをデザイナーとファンが支えてくれたから大事にしてるという気持ちを理解して、かえでがユリカがその子に会いたいと言ったら探しに行くよって率先して行ってくれる。
いちごを肩車して探そうとしてくれて良い子なんだよ。 本当に絆が深まったよ。

そしてCMをユリカ様自らプロデュースするのが、これが仕事モノとして、ユリカの成長、才能として非常に良かったのよね。
やるもやらないも自分次第のところがあるアイカツ芸能界だけど、じゃあやるとしたらで、自分の責任でやっており、屋敷を借りる交渉をしました、スタッフと一緒に世界観を作って行くのは面白く得難い体験だったって、苦労を語ってくれる。
夜はロリゴシックで朝の爽やかさはハッピーレインボーだったのも場面展開で印象付けてるって解説されて、やるなって。ロリゴシックのデザイナーの家でハッピーレインボーはどうかと思うけど、CMとしてはありだし。
朝日を浴びると灰になっちゃうと思いつつも、もう許せてるからね。
お披露目ステージも手伝っているから、レベルが上がってるのだとわかる。

ユリカのアイドルへの情熱、努力、仕事が出来るようになった成長、恩人である魔夜やファンへの態度、お見事なライブ。
かえでとの絆も深まり、そして最高水準の作画ともう完全無欠。完璧でした。ファンも大満足よ。 

しかし2ヶ月前って対決ライブの訓練中?時間がないのに来たのか。 
でもスタッフジャケットと帽子で観客席を探すのは相変わらず丁寧だったな。あれがあるだけで客層が違うのもあるがトップアイドルが客席にいても通じる理由作りになってる。学生服より遥かにマシで、こういう1シーンだけど丁寧さが全体を底上げしている。