風邪気味のコナンは事務所に帰ると西の高校生探偵服部平次が工藤新一はどこだとやってきており、そこに毛利探偵への依頼者外交官の妻が息子の恋人の素行調査を依頼して来る。
そういう行為をしていること自体が醜聞になるため家族連れがやってきたという目晦まして家を訪ねるのだが、いざ依頼人の外交官に会うために鍵の掛かった書斎に入ると毒針で刺されて殺されており、死亡は状態から会う直前だった。
このことから妻を除いて家にいた、息子と婚約者、祖父の3人に絞られるが、それ以前に書斎の鍵は二つのみで開けるのに使った妻のと外交官自身がズボンに入れていたので密室殺人、不可能犯罪であると。
しかし平次はドアの下の隙間と書斎の死体のあった机までが一直線であること、鍵のキーホルダーにテープが付着していたことから釣り糸を針に通してテープで止めてズボンを通して糸をドアの外まで引っ張り、鍵を掛けてから糸を引っ張ると鍵は糸を通しているズボンに入り、強く引っ張れば糸はテープから外れて回収可能。
このトリックが可能なのは釣り好きの祖父であり、いたという居間から糸を発見したと。祖父は認める。
だが、パイカルを飲んで元に戻った新一が現れてそれは机上のトリックだ、ズボンに入っていたが二重ポケットで、しかもくの字に入っており、園方法では鍵が外に飛び出していたはず。
本当の殺害方法は書斎に入った直後のオペラをステレオで鳴らして無意味に机に詰まれた本が呻き声と苦しむ顔を誤魔化すため。そう普通に合鍵を使って部屋に入り起こすために近寄った妻が針で刺したのだ。
釣り糸は家中に隠されており、祖父がどこにいても通用するようにしていたと。
これは鍵を釣り糸でポケットに運べるというテープの偽装で祖父を犯人仕立て上げる偽装トリックであり、わざわざ探偵を呼んでその目の前で殺害しないであろう、今殺されたとは思わないであろう心理的な密室トリックであったと。
動機は実は妻の前夫は今の夫に嵌められて獄死して、そのことに気付かずに結婚したが、婚約者が実子であり、息子が婚約者として連れて来たのが獄死させた相手の娘であることが気に食わず全て話してしまい、怒り狂った妻は復讐。祖父はその冤罪に協力していたと犯人に仕立て上げられ、そのことに気付いて自白したのだ。
事件は解決したものの、パイカルを飲んで一時的に戻ったもののすぐにコナンに逆戻りしてしまう。


服部平次初登場回であり、推理対決、パイカルを飲んで元の姿にという重要展開なのだが、とにかく事件トリックが見事で、平次がミスリードに引っ掛かるものの、最初の密室だ、いや糸を使って密室にしたんだ、それはミスリードで入ってから刺したんだよ。俺たちの目の前でという、堂々と殺したなんて思わないだろう。
これが単純でありながら、だからクラシックを聞くのにオペラを聞いて変だなと思っていたら声を掻き消すためで、机の本も顔を見られないように。睡眠薬で眠らせているのも眠らしてから殺したのだからたいした問題じゃない。
糸も用意して祖父を犯人に仕立て上げる意味でもミスリードになっている。
ちゃんとそのトリックではポケットに入らない、同じキーホルダーだから針を入れる隙間があるから証拠で。
この偽装に引っ掛かることで、しかしそのトリックで決まりだと思えるような説得力、それを見抜いて上回るひっくり返しての、二つトリックがあるように感じさせて、大満足回。

平次の能力もちゃんと蘭相手に電話で話してるのにそっちの様子を聞かないのは直接見て探ってるからだとか毛利探偵を助言を聞いて動いてると見切っていたり、優秀に描いてるし、子供に死体を見せるな、病気かと気遣ったりして、普通に良い兄ちゃんさを見せてる。

そしてエピローグに読書感想文のために図書館に行くで、ああ、悪名高い津川館長回かと思い出している。