グレンやバスジャック犯など複数の情報から銀行強盗が行われる。その情報を得てイタズラで爆弾が仕掛けられたと調べに来たと言い出して深夜になんとか内部に進入するが、生体認証など高額な貸金庫として運用されており、銀行強盗があるとは伝えられないと近くで待機するのみで一緒に来ていたグレンが不法侵入。
愛知県警にも朝に出勤して来るため深夜に残ってる人員と顔合わせするのみ。
そうして朝、警備のトラックが偽者で銀行強盗が発生。
グレンが監視室を確保するも警備室は強盗に確保され、さらにお忍びで来ていた官房長官が拉致される。
鬼塚はバスジャック犯からのヤクザの若頭が勝手にやっているという情報や構成員だと顔をアヒルのマスクで隠しているし顔だって見えないのに、監視所のグレンとの連携で組員だろうという情報から交渉を開始。その間に警備員を逃がしてSITを潜入させると一人ずつ拘束。
しかし途中で若頭が警察に扮して鬼塚を人質にしてプログラマーを解放させられる。
だが、鬼塚は全員解放されればいいと自分も裏切って50億のアフリカの涙が入手出来るなら協力すると防弾チョッキのグレンに発砲。さらにハイジャック時に柚木が使おうとした作戦であるヘリに催涙弾を仕込めというのをヘリで逃げるからと通達することで自然なサインで仲間に伝えて見事全員逮捕する。
のだが、ダイヤはグレンが偽物と入れかえて持ち去っていた。

どうなっても犠牲者は寝返った支配人だけなんだけど、現在進行形の事件に対処するという形式での展開で、銀行強盗に名前を知っていると食いつき、グレンとSITの潜入で電源落として金庫突破をさせないようにしてうろついてる一味の数人を捕獲して、その交換交渉で人質を解放させるところまで持って行くが、入り口の警備員こそが黒幕の若頭だったことで鬼塚自身が人質に追い込まれながらもレコーダーで組長への叛意の言質を取られて、また柚木の作戦を使えという暗号会話をそれとなく伝えるなど、鬼塚の知力、胆力、それを受け取るチーム力が発揮されて、これまでの人質事件などの交渉ではないからミスったら人質を殺される可能性は高く、対面交渉に至ってはイラだって射殺もあり得て。
だからこそという具合で。

この推理調査ではなく現在進行形にしたのは、これらが一連の事件としてのことで間が詰まっていることでもあったけど、1話完結の推理半分交渉半分をやっていくよりも、そういう事件が起きてる現場からスタートしたほうが、交渉人として活躍が多くて都合が良いからなんだろうなと。
実際、よく練られているシナリオには目が離せず、最初の交渉なんて警備員の脱出とSIT潜入の時間稼ぎで、指揮官と話してる間ならそれが出来るで、名前を出して、なんで知ってるんだよという切り札をいい加減打ち切りだという直前でやることで見事だった。
さらにグレンたちが一味を確保することで、それもハッキングできる重要人物を捕まえることで、こりゃ優勢だと思うぐらい押せ押せに状況を操っていたのに、若頭がいきなりやってきて捕まるという大ピンチという逆転で。
それでも鬼塚の対面交渉で全滅させる罠に誘い込む頭脳が際立っており、あの危険度の中で潜り抜けて見事で。

ここで人質解放も大事だが金もいるから仲間に入って、さらに組長への叛意を録音するという行動に出られないと一枚上手の若頭が脱出してしまうというキレ者ぶりで。
だからこそという難易度で。
しかもこの録音ネタを警視正が突入したら官房長官ぐらい死ぬけど現場では起きるからとしているのを録音しているという事前の前フリがあってで。
グレンの防弾チョッキネタも鬼塚や柚木が撃つたれても無事だったでありでね。

狂犬の掃除屋広田が乱入して逃げた舎弟をこっちの若頭の命令で始末に来てるのも、こいつらも事情を知っていたという伏線で、複数勢力の動きがある。

一方、各個人も組に会社が買収されて参加させられるという可哀想な一般人もいたりして、いきなり犯罪者の可哀想さもあって。

今回は鬼塚の凄さ、グレンの凄さが全面に出ており、だからこそのオチのグレンの裏切りが響くね。