July 07, 2004

石畳、石畳、石畳 TdF Stage 3

石畳

車が環状線を越えてパリ市内に入ると、ロードノイズの変化でそれがわかります。
石畳です。

アスファルトやコンクリートが普及する以前の舗装方法は、石畳でした。

馬車が普及していたヨーロッパでは、雨が降るたびに道路がぬかるんでしまわないよう、古代から石畳が整備されてきました。

いまではその石畳も単なる悪路。
アスファストへの再舗装があちこちで進んでいます。

でも、この”悪路”が、自転車ロードレースにとっては面白いんですね。ヨーロッパの石畳は大きな自然石を埋めて造られているんですが、年代の古いものは荒れてかなりごつごつしています。極端に言うと河原の石の上を走るようなもの。

ここでドラマが生まれないわけはありません。

北のクラシックと呼ばれる春先に行われるワンデー(一日で終わる)レースでは、このフランス北西部〜ベルギーの石畳の道ばかりを通るレースが人気です。

昨日のツール・ド・フランス第三ステージは、クラシック・レース「パリ〜ルーベ」の石畳を通るのが注目でした。

クラシック・レーサーとタイプの違うステージ・レーサーがどんな走りをするのか。そして期待は、どんなドラマが起こるのか。

前置きが長くなりました。

昨日のレースは、前半に集中していた山岳ポイントを、現在山岳リーダー・ジャージのベッティーニ(クラシックも得意)がとりに行く展開から始まりました。

やがて二人の逃げを追いながら集団は安定します。逃げの二人を泳がせてタイム差を保ち、新たなアタックが生まれないよう均衡状態のまま集団が進みます。

焦点は今日のコースの最後に設定されている、2kmと1kmのパリ・ルーベの石畳です。石畳としての難度はそれほど高いものではありませんが(そんなに荒れた路面ではないと言うこと)、ツールのステージ・レーサーが大集団でここを通過するのです。

各チームとも、ナーバスになっています。

とくに、総合優勝を争う有力チームは、ステージ前半のこんなところで脱落してはいけません。
細くて、落車の危険もある石畳セクションは、後ろにいればいる程不利、クラシックを見ていればよくわかる鉄則です。

パリ〜ルーベでは個人単位で争われる石畳前の位置取り争いが、なんとツールではチーム単位のトレインの争いになりました。ほとんどゴール前スプリントのトレイン対決です。

この場合はプリンターのための位置取りではなくて、総合優勝を狙うエースを少しでも前の方で石畳に入らせたいという戦いです。

先頭でトレインを形成して争うのはもちろんUSポスタル、TモバイルのBIG2、それにハミルトンを要するフォナック、マヨのエウスカルテル、旧オンセ、リバティ保険のノサル(!)も必死の形相で引っ張ります。

で、このトレイン対決の中で落車が発生、やはりスプリント争いに弱いエウスカルテルが、ファッサや他チームを巻き込んで脱落します。

痛かったのはマヨが落車に巻き込まれてしまったこと。単独で追走を始めたマヨを、アシスト全員を下げて必死に引き上げます。
しかしもう、集団後方に追いつくのがやっと。位置を上げる余裕もなく、集団は石畳に入っていきます。

集団先頭をとったのはウルリッヒ擁するTモバイル(ドイツのドコモ)、しかしカメラバイクに引っかかって脱落、USポスタルがちゃっかり先頭に。

石畳は道路自体が細いのと、一番走りやすい箇所を探して走るので、集団は一列になってしまいます。
もう抜けないのです。

しかも、先頭争いで果てた有力チームのアシストが先頭から下がっていたり、石畳が不得意の選手がいたり、落車が発生したりで、中盤以降各所で中切れが発生、集団が分断されていきます。

結局石畳を抜けて体勢を立て直した後も、集団は二つに大きく分かれたまま。2分以上の差をつけて後方集団にはマヨのエウスカルテルと、マイヨジョーヌのクレディ・アグリコルが取り残されてしまっています。

有力チームもライバルが石畳で切れただけならそれは実力差、このまま行ってしまうのですが、落車(アクシデント)がらみで遅れているわけですから、自転車ロードレースのフェアプレイ(騎士道とも言う)の精神上、後続集団が合流するのを待ちます。

どのチームも曳かない、アタックも発生しないという中途はんぱな状態のまま、先頭集団が進んでいきます。

後続集団先頭ではエウスカルテルが必死の引き。でも、不思議なことに後続集団のペースが上がりません。あきらめちゃったんでしょうか? 明日(今日)のチームTTで挽回するため、力を温存しようとでも言うのでしょうか?
可哀想なのは、TT力に劣るエウスカルテル。

先頭集団からはゴール前でアレッシオの選手が飛び出しますが、すぐに有力チームのアシストにカバーされます。

総合狙いのチームは安全に集団ゴールしようよモード、スプリンターを抱えたチームが前に出てきます。

ファッサがゴール前でトレインを作ろうとしますが、肝心のペタッキがいません。この展開に、今日はやる気亡くなっちゃたんでしょうか?

しっかりアシストを揃えたAG2Rがナゾン(去年最終日のシャンゼリゼでも混戦スプリントを制しました)を発射し今日のステージ優勝、それをマークしたザベルが追走し2位、またもや一匹狼単独スプリントでとんでもないとこから飛び出したマキュアンが3位。

マイヨはボーナスタイムの関係でマキュアンに。

このゴールスプリントの加速で、モロー、マヨ、オグレディらのいる第二集団は、なんと先頭から3分53秒も差がつけられてしまいます。

序盤でこの差は、かなり厳しいものがありますね。

今日はチームTT、総合争いの有力チームでどのくらいの差がつくか、いよいよツールが大きく動き出してきました。


この記事へのトラックバックURL

http://trackback.blogsys.jp/livedoor/jinx/3992185
この記事へのトラックバック
うぅむ。こんなレースになるとは…という展開のツール・ド・フランス第3ステージでした。 レースが行われたのはワーテルロー〓ワスクアル間の 210km。 「パリ〓ルーベ」などでも使われる、石畳のあるコースが明暗を分けるのでは、と言われていましたが。後半にある石畳に入
第三ステージはナゾン【ごたまぜの引き出し】at July 07, 2004 13:06
 今日はいよいよベルギーからフランスに入ります。  途中、クラシックレースで使わ
ツール・ド・フランス 第3ステージ【nature Day】at July 07, 2004 14:58
石畳、石畳、石畳 [東京自転車生活 :: dentama.net ] ツール第
700x28c【`Velo`Style】at July 07, 2004 15:35
世の中は、ツールド・フランスで盛り上がって?ますけど、 私は今ひとつ盛り上がれません。 それは、テレビ中継が見れないからです。 ん〜、見たい!見たい!見た〜い! 現在の成績は(第3ステージ終了時点) ◆個人総合時間賞 マイヨジョーヌ  ロビー・マキュアン(オース
ツール・途中経過【P-tic】at July 07, 2004 20:20
Waterloo > Wasquehal 210km 石畳区間を含む厳しい展開の
ツール・ド・フランス ÉTAPE 3【酒乱!net】at July 08, 2004 08:15
この記事へのコメント
ここまで差がつくとは、後ろも計算外だったでしょうねぇ。
石畳が近いってタイミングも悪かったのかしら。
マヨには山岳での活躍(できれば大逃げ)を期待してます。
Posted by マージ at July 07, 2004 13:34
マージさん、さすが!
これだけ差が開くとランスのマークも甘くなります。
逃げのチャンスは充分ありますよね。
地元ピレネーの二つの山頂ゴールに、期待です。
(それまでテンション落とさないで欲しい...)
Posted by jinx at July 07, 2004 13:45
自転車好きな皆様。
ご存知かと思いますが「シャカリキ!」というマンガ。
お勧めです!
Posted by tricky1040 at July 07, 2004 15:50
tricky1040さん、こんにちは、
「シャカリキ!」、はい聞いたことあります。
主人公がレアルマドリッドはいって...(^^;、みたいなサッカー・マンガありますけど、あんなノリですか?
Posted by jinx at July 07, 2004 19:07
チームTTはズバリ!USポスタルでしょ〜?
Posted by Yae at July 07, 2004 20:19
Yaeさん、つまんないくらい、正解!!
Posted by jinx at July 08, 2004 14:24