2013年02月28日

移民国家の構想とその展開

⑷ 人口危機は多民族共生国家を創建する好機

 目指すべきは世界初の多民族共同体
 私は、人口危機を多民族共生国家を建設する好機と前向きにとらえている。目標は大きく、日本民族をはじめ各民族がうちとけて一つになる「民族の融和」である。目指すべきは、移民国家日本が、日本人プラス移民の総合力によって画期的な文化と価値を創造し、生き生きした国に発展する「日本文明のルネサンス」だ。

 目標達成までの道は険しいが、日本は明治維新であれ第2次世界大戦後の復興であれ、国民が一丸となって国家的危機を乗り越えてきた。近い将来、英明な政治家が現れ、起死回生の移民革命を断行し、50年後の日本は理想の移民国家としてよみがえるだろう。

 新しい日本文明が、世界のどの民族も成し得なかった多民族共同体を実現し、世界を導く星として煌めく時代に思いを馳せている。

 移民革命は日本と世界を変える
 いくら1千万人の移民を入れても人口が激減していく日本は、世界有数の経済大国、軍事大国の地位は望むべくもない。というよりも、そんな陳腐な国家目標にこだわらず、移民国家日本にふさわしい新国家理念を打ち立てるべきだ。

 明治以来の富国強兵路線を転換し、文明の円熟度と国民の人類愛で世界の頂点を目指してはどうか。世界にさきがけ、日本人と移民が協力し、人類の理想郷である多民族共同体を創るのである。

 国民の多くの支持のもとで移民を秩序正しく入れるために、特定の国の国民の寡占化は許さない移民政策を堅持する。世界各国の国民を公平に入れる移民政策を鉄則とする。

 そうすれば広範な移民出身国と日本の間で緊密な関係が築かれ、日本の外交上および安全保障上の利益が増す。国際社会も、公正を旨とする日本の移民政策を高く評価するだろう。

 日本発の移民革命は、人の移動・外交・経済・安全保障の分野で日本と世界に相乗効果をもたらし、日本が移民の受け入れのモデル国となる夢をふくらませてくれる。

 環太平洋経済連携協定(TPP)への参加が予定される国々を見ると、米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドと、世界を代表する移民国家が名を連ねている。

 日本がTPPに加入し、50年かけて移民1千万人を入れる「移民大国」への道を歩めば、移民立国の理念を共有する主要国が環太平洋地域に勢ぞろいした壮観な世界が出現する。加えて、加盟国の間で人口移動が激しくなり、太平洋共同体を作ろうという気運の高まりも期待できる。


jipi at 16:09|Permalink

2013年02月21日

移民国家の構想とその展開

⑶ 移民が入ると国民が変わる

 日本国民は百の顔がある国民に変貌する
 各国が国益をかけて死闘を演ずる国際社会で日本が生き抜くためには、世界の諸民族を移民(将来の国民)として受け入れ、国民の構成を一段と多民族化させなければならない。東京と大阪は、世界中の若者が移住を希望する世界都市に飛躍するため、外国人人口が30%の国際色あふれる都市を目指してはどうか。

 「移民」を起爆力として、外国人に夢を与える社会、異端者を認める社会、百花斉放の社会に改めるのである。

 学術・芸術・スポーツの分野はもとより、人間開発、創造力、発明、国際競争力、都市の吸引力その他あらゆる面で「民族の多様性」はプラスに働くと考えている。

 1千万単位の明日の国民を迎え入れると、日本国民は百の顔がある国民になる。多士済々の民族がそろう国民に変わる。それぞれの民族が持つエネルギーがぶつかって化学反応を起こし、天才・異才が出現する頻度の高い国民へ進化する。

 移民革命で日本民族は復活する
 平成の開国の本命は「移民」というのが世界の常識である。国際社会は、日本が移民の壁を取り払わないかぎり、本当に国を開いたことにはならないと冷静に観察している。

 移民問題の取材で私のところにくる外国のジャーナリストや日本学の専門家は、人口危機に襲われた日本が移民鎖国のイデオロギーを金科玉条のごとく守っているのを「世界の七不思議」の一つだという。彼らは日本の移民革命を心から望んでおり、私と意気投合し、「孤軍奮闘ですね。信念を貫いてください」と励ましてくれる。

 明治の開国は西洋文明を積極的に取り入れた「文明開国」であった。戦後の昭和の開国は貿易・資本の自由化を行った「経済開国」であった。そして平成の開国は人口危機にひんした日本を元気にする「移民開国」である。

 移民開国はすなわち「移民革命」である。日本人の生き方から社会・経済・教育制度にいたるすべての抜本的改革を迫るものに発展する。

 移民革命を成功に導くためには、それに対応する社会革命の遂行が必須条件だ。たとえば、日本人の心に潜む島国根性をぬぐい去り、移民に閉鎖的な社会経済制度を根本から変革しなければならない。

 日本人が移民革命を成し遂げれば、日本語を話し、日本文化を守り、日本の国土を愛する民族の黄金時代が訪れるだろう。


jipi at 11:22|Permalink

2013年02月12日

移民国家の構想とその展開

 30万人の留学生は移民の豊かな供給源
 現在、日本の大学等を卒業後も日本にとどまる留学生はわずか30%だ。移民政策で生産人口を増加させようというのであれば、この数字を70%近くまで引き上げなければならない。

 そのために第一に行うべきことは、東京大学の秋入学に端を発する大学開国、すなわち留学生30万人体制の確立である。世界最高水準の留学生教育を実施する体制を整備し、世界各国の国民を公平に入れる留学生政策を強力に推進する。

 第二に、職業専門学校で専門知識や技能を身につけた留学生には、移民を切望している農林水産業や介護福祉などの職場を紹介する。大学、大学院を卒業した留学生については、日本人の学生と対等の立場で就職戦線に参加し、しかるべき職業に就いてもらえるよう、外国人の就職環境の改善を図る。

 それだけでは十分とはいえない。法務省入国管理局が留学生優遇政策を打ち出す必要がある。大学・専門学校などへの入学が決まった外国人には、即「留学」の在留資格(在留期間は在学期間に応じ4年、3年、2年)を与える。日本の高等教育機関を卒業し、日本の会社などへの就職が決まった外国人には、原則として入国後5年を経過した時点で「永住」を許可するものとする。

 以上の三位一体の留学生関連改革を行えば、日本の高等教育機関は世界から有為の若者が集まる人材の宝庫にして移民の豊かな供給源となる。そのうえ日本型移民政策の基礎が固まるから、1千万人の移民受け入れが順調に運ぶだろう。

 移民国家の基礎づくりが大事
 日本の命運を移民革命にかけるというのであれば、「移民との共生」の理想を体現する移民国家の基礎を築かなければならない。

 まず、国籍政策の転換が必要である。移民一世の国籍取得において二重国籍を認めるほか、移民二世が出生により国籍を取得できる道を開くなど、移民にできるだけ早く日本国民になってもらうための法制を整備する。

 次に、移民の社会適応を促進するため、移民の定住支援に特化した「移民銀行」を設立する。移民銀行は、移民が生活基盤を整えるための資金を貸し付けることを主たる業務とする。

 付言すると、移民銀行を創立すれば、移民が母国の家族に送金する「海外送金」について、移民銀行が一括して管理・監督する体制が確立される。それによってマネーロンダリングなどの不正取引を防止し、移民の海外送金を母国の経済発展に利用する仕組みが構築できる。

 更に、新しい国づくりに国が責任を持って取り組むため、「移民法」「社会統合法」および「民族差別禁止法」を制定するほか、内閣府に「移民庁」を設置する。


jipi at 16:15|Permalink