処遇改善  大企業に責任外国人材交流推進議員連盟勉強会におけるスピーチ

2008年01月22日

日系人労働者の処遇

 90年の改正入管法で、3世まで就労可能な法的地位を与えたことで日系人の入国は飛躍的に増えた。私は法務省でこの法案の骨子造りに携わった。

 当時、日本はバブル経済で、経済界から「外国人労働者を受け入れるように」との要望が強かった。一方、ブラジルは超インフレの時代で物価が高騰し、日系社会も悲鳴を上げていた。このような背景の下で、日本人の血を引く日系人に定住者の資格を認めることが、双方の国益にかなうと思った。

 約30万人の在日ブラジル人は、大きく三つのことに貢献した。一つはブラジル経済への貢献。日本で稼いだ給料を母国へ送金し、ブラジル経済を立ち直らせる契機の一つになった。

 二つめはバブル崩壊後の経済が大変な時代、自動車産業を中心に下請け工場で勤勉に働き、日本経済を支えた。

 三つ目は適正な出入国管理への貢献、90年前後、不法滞在者は約30万人まで増えて いたが、現在約17万人。日系人が不法滞在者に代わる適法な労働者として受け入れられたからだ。

 しかし、改善していかなければならない課題も多い。特に日本側の受け入れ態勢で一番不十分なのは子どもの教育だ。
 
 日本の小学校、中学校は日本語ができない子どもを教えた経験が浅いため、外国人を教育する体制になっていない。そのせいで小中学校に通わない子どもが多く、高校進学は少ない。政府は、外国人は義務教育の対象外と言うが、外国人の子どもにもしっかり基礎教育を行う体制づくりを急ぐべきだ。

 親にも注文がある。子どもの教育のために、日本への定住を決断すべきだ。出稼ぎのつもりで来てもいずれ定住するのは国際人口移動の一般的傾向。ずっと日本で暮らすなら、子どもを日本の小中学校に入れてほしい。

 定住の覚悟を固めれば、生活も安定する。雇用する企業側にも、日系人を労働移民と評価し、正社員にするなど適正な処遇を求めたい。そうすれば、年金や健康保険など社会保障も充実し、将来の移民受け入れのいいモデルになるだろう。



以上は2008年1月20日の毎日新聞「闘論」に掲載されたものである。

jipi at 16:39│TrackBack(0)

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