ただいま開催中のギャラリーコレクション展から森町長子さんの作品をご紹介いたします。
森町さんは1942年鎌倉生まれ。1967年東京デザインカレッジに入学するも中退。その後、漫画家として活動、「靴」と「ドア」の2作が1969年の第2回ビッグコミック賞佳作第1席に選ばれ、『別冊ゴルゴ13増刊第1号』(1970年1月)に「ドア」が掲載されました。同賞の第3回(1969年)には準佳作、第4回(1970年)は佳作と、三回連続で入賞し、将来を嘱望される存在となります。ところが、ちょうどその頃から油彩画を描くようになり、漫画界から姿を消します。

1971年には芸術生活画廊第7回公募コンクールに入選、同年、芸術生活画廊で初個展と、その画才はすぐに発揮されます。その後も、73年、74年、少し間が空いて79年~82年、86年と個展を開催しますが、87年の個展を最後に作品の発表が途絶えます。70年代には美術雑誌『芸術生活』で採り上げられたりしていましたが、画家は作品を発表しなくなると、あっという間に忘れられてしまいます。作品だけはポツリポツリとコレクターから出てきても、誰もその作家のことを知らないという現象が容易に発生するわけで、まさに森町さんはそのような存在と言えます。
初個展のDM
1971年7月12日~71月31日 芸術生活画廊
筆者は、2年前にギャラリー椿の椿原さんのブログで初めてこの作家の作品を拝見し、すぐに椿さんに伺って作品を見せていただき、ちょっと不気味さを感じさせる子供の独特な存在感と丁寧に描き込まれた背景の植物が気に入って購入させていただきました。その時に、椿原さんから、この作家の詳しいことはよく分からないということを聞いており、実際インターネットで検索しても折原一さんのブログにお持ちの作品について言及されているのを見出すのみで、しばらくそのままにしておりました。その後、自分でギャラリーを始めて、いろいろ作家を探しているときに、ふと森町さんは今どんな絵を描いていらっしゃるのだろうかと気になり出して、森町さんの著作で唯一今でも流通している絵本『やっぱりこうらはかめのもの』の出版社にお願いして連絡を取っていただきました。
電話に出られた森町さんは絵の印象とは違って(失礼!)明るく屈託のない方でした。1942年のお生まれですから、すでに70歳を過ぎていらっしゃいますが、ずっと絵は描いていらっしゃるとのこと。今は絵の中に子供はいないそうですが、ぜひ森町さんの新作を見てみたくて来年10月に個展をお願いしました。まだ先ですが、どうぞお楽しみになさっていてください!(残念ながら個展は延期されました。まだ会期は決まっていませんが、決まり次第ご案内いたします。)

「樹園の肖像」1972年
61.0x50.0cm

「少女 野を行く」1973年
41.0x31.6cm

「初夏」1976年
38.0x45.3cm

「童女草炎」1982年
45.3x38.0cm

少女 ビロードの服」1987年
27.5x22.0cm

「梅花空木」2009年
18.0x14.0cm

「菜の花」2009年
18.0x14.0cm

「木苺」2009年
27.0x22.0cm

「夏椿」2009年
27.0x22.0cm

「樹園の肖像」1972年
61.0x50.0cm

「少女 野を行く」1973年
41.0x31.6cm

「初夏」1976年
38.0x45.3cm

「童女草炎」1982年
45.3x38.0cm

少女 ビロードの服」1987年
27.5x22.0cm

「梅花空木」2009年
18.0x14.0cm

「菜の花」2009年
18.0x14.0cm

「木苺」2009年
27.0x22.0cm

「夏椿」2009年
27.0x22.0cm
コメント
コメント一覧 (2)
昨年9月に森町さんの展示をする前に電話でお話しした限りではお元気そうでした。
機会がありましたらお持ちの作品の画像だけでも拝見できればと存じます。