Deep Sessions

株式会社ジャパンインポートシステムの公式ブログです。海外生産者とのイベントや商品の紹介など、よりDeepな情報をお伝えしていきます。

名物社長

有名酒屋の名物社長 第二弾!大阪 白木商店 ~ 後編

こんにちは、ちょろまかし呑み助です。

前回、あの沈着冷静(というイメージ)な白木貴雄社長が、
必死でチキン!のジェスチャーをする写真をご覧いただけたでしょうか。
見知らぬ土地における空腹感は、ダイレクトに生死に直結し、
自分でも驚くような一面を引き出してくれますね。
後編にて、さらに白木さんの熱い思いに迫ります。

呑み助(以下 呑) それ、召し上がったんですか?

白木貴雄社長(以下 白木さん) 食べなしゃーないでしょ!
でも周りは、あの東洋人けったいな食べ方しよるでと思って
見てたんちゃうかな、と思いますね。

呑 あっちの蒸留酒ってさらに強いから、
ストローで飲んだら大変そう!
そういうことがあるのも、旅の醍醐味ですね。

白木さん お酒に関係なく、気になるなら、
まずは見に行こうというのが基本スタイルにあると思います。
生産地に限っていえば、今までに訪問したのは、アメリカ(ケンタッキー)、
スコットランドは8回、フランスもノルマンディーやボルドー、
ブルゴーニュにコニャックも行きました。
でも中南米、それこそキューバ、ジャマイカも2回、
マルティニークも行かせてもらいましたね

キューバはずいぶん前ですけど、その当時は全然情報もないし、
現地を知っている人が少ないわけです。
帰国するときには、「キューバのことなら何でも俺に聞いてくれ!」ってなりますよね。
そういうの、嫌いじゃないんです笑。

呑 マルティニークは、場所が場所だけになかなかオススメしにくいのですが、
弊社ももっとたくさんの方に訪れていただきたい場所なんです。
印象をお伺いできますか?

白木さん マルティニークはねえー、とにかく遠かった・・・
そしてしんどかった思い出がありますね(笑)。
でもマリーガラントのビーチがとても綺麗で印象的で、
いまだに自分のPCの壁紙はマリーガラントです。
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2010年(後列左から)ネイソン蒸留所 クラウディン・ネイソン氏、JIS社長 田中、蒸留所長グレゴリー・ベルナント氏、白木さん        
白木さん やっぱり現場に行くって、蒸留所を訪問するのはもちろん大事なんだけれども、
その土地の空気感や場所の文化を知ってほしいなあと強く思いますね。
蒸留所って、言ってしまえばどこでも一緒なんですよ。
初めて行く人にとっては、いろいろな蒸留所を回りたい気持ちも分かるけれども、
街に出て、パブで飲んだり、そこに来た地元のおっちゃんと雑談するほうが、
なんぼかためになるで、って、思います。

呑 行ってみて「腑に落ちる」ことって、たくさんありますものね。

白木さん それこそマルティニークだって、
行かないと分からないことばかりでしたもんね。
どんな場所で、何を食べてて・・・正直期待していなかったけど、
食事の美味しさにびっくりしました。
街の空気感、そこを知らないとね、と思います。

呑 一番最近行かれた場所はどちらですか?

白木さん ノルマンディーです。
というのも・・・最近、カルバドスにハマってるんです。
そもそもブランデーがお酒の中で一番好きなんですよ。
コニャック、アルマニャック、カルバドスなど、
どのブランデーでもいいんですけれど。

あるバーで、最近のモルトは高いよね~、という話から、
ブランデーの中でも、コニャックはVSOPとかXO表記で分かりにくいし、
アルマニャックはニッチすぎるし、
カルバドスが一番身近で分かりやすいんちゃうん?という話になり、
それをきっかけにいろいろなカルバドスを取り扱い始めてみました。

そしたら反応もいいし、じゃあ改めて力を入れてやってみようか、と。
その矢先にタイミングよく90周年が来たので、
記念ボトルもカルバドスにして、これからやっていくよ!という姿勢をアピールしました。

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表ラベル下部に、SHIRAKI SHOTENの名入りです

白木さん そこから並行も含めて、幅広くラインナップしている途中なのが、いまです。
カルバドスの中でも、個人的には洋ナシが入っている、
ドンフロンテ系の華やかなカルバドスが好きなんです。

呑 ああ、弊社にもそういうビギナー向けというか、
カルバドスってペイドージュだけじゃないのよとご紹介している、
面白アイテムがあります。

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アンジュジアールカルバドス リンゴ50% ペア50% ← 使われている原酒のセパージュが明記されています               (画像クリックでHPの生産者説明に飛びます)
白木さん そうそう、そういうのです。
ソーダ割りが一番でしょ?ぐらいの、
軽くて、飲みやすくて、華やかなところが気に入っています。
濃厚でしっかりなフルボディより、華やか~☆というほうが好みなので。
カルバドスは傾向的にそういうところがあるから、
そこをオススメしています。

ノルマンディーも、フランスの都会と雰囲気が全然違って楽しかったし、
料理も美味しかったね。チーズ買って食べて、地元のチーズとカルバドスって、
こんなに合うんや!と腑に落ちた感じもあったし。
食べものって、やっぱりお酒と密接な関係があるから、
行って食べて初めて分かることってたくさんあるんやなというのを再確認しました。

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ノルマンディー リンゴ果樹園
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ドンフロンテ地区の洋ナシの木。リンゴの2倍以上の高さに育ちます。

白木さん 説明聞いただけではピンとこないけれど、
行くのって大事だなと、何べん行っても思います。
今の若い子は、メーカーさんの経費削減とかで、
行く機会が少ないのは可哀想だなと思っています。
検索すればすぐ出てきちゃうから、行かなくても満足できるんかな?
でも、現地を体感するって、ほんまに大事だと思ってます。
街の空気感を含めての、お酒やからね。

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コニャック シャラント河

白木さん 僕、いまだに忘れられない朝があって。
何度目かのスコットランド旅行中、ハイランダーインで朝食をとってるときに、
好きだったアズテックカメラがラジオから流れてきて、
うわーーーーハイランダーインでスコティッシュブレックファストを
アズテックカメラをバックに食べてるなんて、なんてスコットランドなんやろか!
ってめぐり合わせに感動したんです。

呑 わあーーそれは鳥肌たちますね!

白木さん ほんとにこういうことをこそ、
若い子たちに経験させてあげたいなあと思いますね。
そうすると、よりいっそう好きになるからね。

白木商店のお酒のセレクションも、基本は自分の好みです。
売れる商品も、それはそれでやるけど、
自分の気持ちが入っているものをやっぱり売りたいと思っています。
今だったらカルバドスの話をするときが、
一番熱くなるっていうのもお客さんには伝わっているし、
それで広めていけたらいいなというのがあります。
90周年ボトルもその一助になったらいいなと思いますね。

呑 あと10年で100年は、すごいですね。弊社もがんばらねば。
本当におめでとうございます。そして、ありがとうございました!!

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商品のことを話すたびに、ご自身のご経験を踏まえた、
白木さんならではの熱いお話が飛び出すので、とても引き込まれました。

「自分の言葉で商品を紹介すること」の大切さ、
これはお酒屋様でもインポーターでも変わらないことを、
再確認できました。

白木貴雄社長、ありがとうございました!
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有名酒屋の名物社長 第二弾!大阪 白木商店 ~ 前編

こんにちは、ちょろまかし呑み助です。

前回初めて開催して、大変ご好評いただきました名物社長シリーズ
このたび、ありがたくも第二弾をお届けできることになりました。

ご紹介するのは、大阪は黒門市場の卸問屋、白木商店様。
初回にインタビューさせていただいた津之喜酒舗の藤井様の、奉公先でもあります。

業務用卸専門というスタイルから、
一般のお客様がアクセスできる機会は少ないかもしれませんが、
反面業務店のお客様からは深く信頼されているお酒屋さんです。

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こんな方です。上品で物腰やわらかく、まさに大阪の貴公子のような感じ。
いままで業界にのみ知られていた白木さんの、
意外な一面とともに2回にわたってご紹介します!

呑み助(以下 呑) 本日はよろしくお願いいたします。
まずは簡単にご自身のことと、白木商店さんのことをお伺いできますか。

白木貴雄社長(以下 白木さん) 1927年に創業し、自分が5代目にあたります。
今年ちょうど90周年なんです。ずっと同じ、黒門市場のこの場所で続けてますが、
最近観光客が多くて、・・・来るの大変だったでしょ。

呑 失礼ですけど、この時間(AM11:00ごろ)でこんなに混んでいるのは初めてです。
個人のお客様に販売はしていないとはいえ、影響はありそうですね。

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白木さん そうでしょ。
もともとの客層であるミナミの割烹さんや料理やさんが
来られなくなっていると聞いて、少し残念に思っています。
うちは昔っから業務店のお客さまを大事にして、
業務用卸専門店としてやってきているので、
あんまり困ってはいないんですけどね。

呑 藤井さんとの想い出をまず伺ってみたいです(笑)

白木さん 実はかぶっていないので、
藤井さんがうちに修行に来た経緯を、僕はよく分からないんですよ。
おそらく、どこかの問屋さんの紹介ちゃうかなとは思うんですが、
藤井さんがうちに来たときに自分は大学生で、
藤井さんが京都に戻られてから僕は入社したので、
一緒に働いたことはないんです。

・・・でもあの人、ズルイですよね、キャラ立ちしすぎてて!
いないですよ、あんなチンピラみたいなカッコで社長て・・・。

呑 ははははは!てるさんをチンピラ呼ばわりできるの、白木さんだけですよ!

白木さん いやいや、びっくりするでしょみんな、あんなん
でも毎年父の命日にはお線香あげに来てくださる、
律儀で心優しい方ですけどね。

呑 みんなの兄貴!って感じですよね。では、てるさんがお話しくださった
営業会議でのGM試飲会には、白木さんは出席されていないんですね。

白木さん まだ自分は大学生でしたね。
自分の最初のウイスキーがらみの仕事といえば、
大学二回生のときに行ったスコットランドですね。
海外旅行に行きたいと父に話したら、スコットランドを勧められて、
イギリスには興味があったので、「スコットランドもイギリスの一部や」と
自分に言い聞かせてその話に乗りました。
ところが、「どうせ行くならこのウイスキー買うてこい」と
モーレツな量のリストを渡されて、なんじゃこりゃ、と。
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ただ、ステイ先の家族はグレンフィディックで働いていたりして
ウイスキーにゆかりがあり、
また尋常じゃない量の買い付けを進めるのも、
酒屋には売っていないからレンタカーで蒸留所を回って、
ぐわ~っと郵便局から発送したりするうちに、
やっぱりそういうことをしていれば愛着もわくし、
帰国するころにはすっかりバーでシングルモルトを注文するような、
嫌な学生になっていましたねえ。

呑 某ドキュメンタリーのナレーションが流れそうですね。
「全ての偶然が、貴雄をウイスキーに導いたのであった・・・」みたいな。

白木さん でも、今は閉鎖してしまった蒸留所もまだ開いているところが多くて、
けっこう回れたし、ラッキーでしたよ。
そのころにはもう本格的にウイスキーの取り扱いをしていたから、
80年代の後半には、ウイスキーに注力すると決めたんやと思います。
お酒は好きだったので、素直に興味を持てたのはよかったと思ってます。

ただ、家業はずっと継ぐつもりはなかったんですよ。

呑み助(以下 呑)えっ、そうなんですか?
では就職活動は、どういうところを?

白木さん どちらかというと報道関係に進みたくて、
そのためにダブルスクールしたりしていたんです。
ただ就職活動を続けるうちに、
諸先輩方にお話しを聞く機会が増えるじゃないですか。
会えば会うほど、なんか違うなーという気がしてきてしまい、
かといって生粋の文系体質やから、
海外で仕事できるとはいえ商社への方向転換も考えられなかったし、
最終的には経営者になったほうが楽しそうやなあと思って、
継ぐことにしたんです。
それまで業界の一社も受けてなかったけど、
キリンビールさんに入れてもらって、2年勤めました。
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呑 そうですか・・・!
白木さんといえば、語弊がありますがけっこう頻繁に生産地を
ご訪問されている印象があるのですが、
今のを伺って納得しました。

白木さん 海外旅行がもともと好きというのもありますけどね。
特に学生時代は、新聞記者になりたかったから、
1989年にベルリンの壁が崩壊したときには、絶対に行かなくちゃ!と
思って、バックパッカーしながら回りました。
韓国で1週間ほど練習してから・・・(笑)
僕が行ったときには、まだ壁は大部分が残されていて、崩れているほうが少なかった。
かけらは持って帰ってきたから、どこかにまだあるとは思います。

呑 当時のヨーロッパ、それこそ東欧なんて、
英語もなかなか通じなかったのではないですか?

白木さん そうですよ、全然ですよ。
ハンガリーでご飯食べよ思って、レストランに入ったはいいけど
メニューなんて読めへんし、
ビーフーとかチキンーとかとりあえず言いながらジェスチャーして、
なんとかするしかなかったですよ。
それで、ケーキと、蒸留酒にストローが刺さったものが出てきたときには、
びっくりしましたけどね。

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白木さんにこんな大胆でユニークな一面があるとは!
ご覧ください、チキン以外の何物にも見えません!

~後編に続く~

有名酒屋の名物営業マン スピンオフ企画!名物社長~後編

こんにちは。ちょろまかし呑み助です。
本日は先週に引き続き、
「有名酒屋の名物営業マン」スピンオフ企画

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有名酒屋の名物社長!

後編をお届けします。
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呑み助(以下 呑)  旅行者の多い京都という街で、
旅行中に京都のバーに行ってみたい方も多いと思いますが、
先入観から敷居が高そう・・・と思われている方も多いようです。
実際弊社のスタッフでも、おりましたし。
京都のバーに行くときのアドバイスを聞かせてください。

藤井社長(以下 てるさん)  なんやろなあ、俺は内の人間やから、
それよう言われるんやけど、分からんのよ。
でも、京都のバーは、旅行者だからと言って
排他的にしているわけじゃないのよー!
一見さんお断りていう言葉が独り歩きしてるねんけど、
もともと一見さんお断りというのは、
初めてのお客様に対しては事前の情報がないから完璧なサービスができない。
それは望むところではないので、できれば紹介者をたててください、
そしたらお店もその紹介者に、
事前にあなたの好みや食べられないものなどを聞いて、
実際にお越しいただくときには十分な準備が整えられますから、
という究極のホスピタリティやねん。

呑  えー!そうなんですか!?
私はてっきり、雰囲気を荒らされたくないから、という理由かと思っていました。

てるさん  そうやねん、みんな勘違いしてんねん。ちゃうねん!

知らないお客さんやと、嫌いなものを出してしまうかもしれない、
好みじゃないお酒を勧めてしまうかもしれない。
それは本意じゃないんです、ということやねん。ほんまは。

ただ、これを京都ブランドみたいに謳ってしまってるところがあって、
残念ながらそのイメージが先行してるねんな。

呑  なるほど~。では、普通にお邪魔して、よろしいんですね。

てるさん  みんなが思うほど、京都は大きい街じゃなくて、
小さい小さいコミュニティやねん。
その中にあるバーに、飲みに行くようになれば、
あちこちで顔合わせたり常連になったりするのは必然で、
顔見知りが集まって飲んでるときにキイーと扉が開いたら、
「あれ、また誰か知り合い来たかな?」と思ってそっちを見てしまうのは、
状況反射やろ。
で、入ってきたのが旅行者やったら、それは尻込みしてしまうと思うわ。
それはごめん、でも悪気はないねん。

外の人が思うてるほど京都は広くないんです。
さらにお願いするとしたら、
そういうのも含めて京都らしさを楽しんでもらえたら嬉しい。
錦市場のハードルも高いと言われがちなんやけど、
自分はそのハードルは下げようと思っていなくて、
ハードルを飛び越えやすくなるような、ロイター板の役目をしたいと思ってる。
だから京都のバーに敷居の高さを感じる方もおられると思うんやけど、
うちの取引先やったら絶対に間違いないのは保証できるから、
ぜひ聞きに来てほしいわ。 

呑  わあ、ぜひお願いします。
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歴代のボトルもこうしてご覧いただけます。

呑  最後に、藤井さんといえば音楽をやられてることも
発信されていらっしゃいますが、
ギター少年だったんですよね?
いまのお仕事と繋がるところはありますか?

てるさん  俺ね、中学生まではおとなしい、なんの特徴もない、
平々凡々な少年だったんよ。
おとなしゅうて、強い印象もない、ふつーーーーの少年。
それが中学生になって、他の学区の子と一緒になったのがきっかけ。
小学生時代から、ファンクラブがすでにあるほどの
人気少年と同じクラスになったん。
頭脳明晰、運動抜群、見目美麗。
その子に、初めての中間試験で、英語で勝った。
みんな彼がトップをとると思いこんどるから、ビッッックリするわな。
藤井君はおとなしいだけの子なのに!て。

呑  いまのお姿からは全然想像つきませんが・・・

てるさん  そしたら夏休み明け、いきなりその人気少年から
「バンド組んでこのレコード演奏するから、おまえベースな」と言われた。
それまでほとんど話したこともないし、なんで俺?って動揺したけど、
おとなしい素直な子やったから、その日のうちに、
渡されたディープパープルのレコードを片手に、
これをやるのでベースをくださいと楽器屋さんに行った。

文化祭で、やったよー。
その後は人気少年の人気と共に、潜在的に眠っていた明るさというのが、
自然と出てきたんやわな。
いまこうして、人前でお話したり積極的になれる「いい部分」ていうのを、
全部引き出してくれたのが、人気少年の一言であり、ひいては音楽だった。

自分は才能はないけど、
好きなことに対する努力はすごくすごくするし、惜しまない。
能動的に動けるようになったのは、音楽のおかげだと思う。

呑  そうですか・・・貴重なお話をありがとうございました。
では、最後のお言葉をお願いします。

てるさん  酒屋はサプライヤーであってはいけないと思うてる。
ニーズに応えているだけなら、ディスカウントショップでええやろ。
そうじゃなくて、津之喜しか届けられない情報をたくさん出して、
そんなんがあるんなら、つこてみようかなあと思っていただける、
ニーズをお作りしなければいけないと思う。

それが俺が目指してることやし、続けていかなあかんと思うてることです。


呑  今後とも、末永くよろしくお願いいたします。
ありがとうございました!
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前掛けもめちゃロック。(描かれているのはキャデラックです)
藤井社長、ほんとうにありがとうございました!

前編はこちら~ 




有名酒屋の名物営業マン スピンオフ企画 !名物社長~前編

こんにちは。ちょろまかし呑み助です。

弊社FBで人気のコーナー、有名酒屋の名物営業マン。
過去にはこんな方
こんな方にご登場いただきました。

お酒屋さんに行くことはあっても実際裏側はどうなっているのか、
どんな人が選んでいるのか、なかなか一般の方には分かりづらいもの。
そこで、弊社にお越しいただいたお酒屋さまにインタビューをし、
ご紹介していこうというコーナーです。

通常はSNSでご紹介しているコーナーですが、
この度スピンオフ企画として、ロングインタビューを敢行しました。
今週から2回にわたって、ご紹介します。

題して・・・・

20170324有名酒屋スピンオフ
有名酒屋の名物社長!

登場いただくのは、京都・錦市場の津之喜酒舗より、藤井輝男社長。
弊社とも長いお付き合いをいただいております。
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呑み助(以下「呑)  ではお店のご紹介から、お願いします!

藤井社長(以下「てるさん」) 京の台所と呼ばれる錦市場で、
1787年から酒屋をやっております。8代目です。
以前は日本酒ばかりでしたが、
自分の大阪丁稚奉公時代に洋酒のすばらしさを教えてもらい、
以来洋酒、特にウイスキーに力を入れております。

呑  てるさんご自身がウイスキーと出逢ったのはいつごろですか?

てるさん  学生時代はバーボンブーム全盛期で、就職してもそのまま、
バーボンこそ生涯の友!と信じ込んでいたんやけど、
奉公先にJISの田中社長がゴードン&マクファイル(以下GM)の紹介にいらして、
そこで初めてシングルモルトというものを知ったんよ。
今では垂涎の、1950年代のストラスアイラ、
1960年代のマッカラン、キンクレイスまであったのを覚えてるけど、
12年熟成いうてこんな色薄いのあきませんやん!と発言したの覚えてる。

呑  ひー!そんなすばらしい子達たちに!
でも確かにバーボンに比べたら、そう見えますですね。

てるさん  ボトラーちゅうのも分かりづらかったし、斜に構えて飲んだのが、
忘れもしないストラスアイラの1955。それ飲んでがーーーーーん!!!!と
ものすっっごい衝撃を受けて、今まで俺が飲んできたのは何だったんや・・・・!と
思ったときから、一気に情熱がシングルモルトに傾いた。

しかもボトラーズにな、といっても当時はGMかケイデンか、という時代やから
そんなに選択肢もないねんけど、とにかく傾倒した。

呑  オフィシャルには行かなかったんですか?

てるさん  いやそれで、自分が店を継いだときには、
理想郷を作るべくボトラーズばかりを並べたんやけど、
不思議なもんで、これはこれでバランスが悪いねん。
ここで初めて、オフィシャルの大事さに、気づくわけよ。
やっぱり王道はオフィシャルやねん。
それがあって、ボトラーズの、限定性とか希少性とかが光るってことを実感して、
それならスコッチウイスキー全体の専門性を高めていこう、と決めたわけ。

呑  大分早い時点から、京都ラベルのオリジナルボトルを発表されていますが、
始めたきっかけは何かあったんでしょうか?

てるさん  地酒では昔からオリジナルがたくさん出ていて、
タンク1本を丸ごと買い取る形なんやけど、
それをウイスキーでもしたいなあとはずっと考えてた。
だからこうして未だにリリースを続けさせてもらえてるのは、
酒屋冥利に尽きると思うてる。
俺にとっては、その時考えられうる
「ウイスキーを販売する」という形態の最高峰が、
オリジナルを詰めるということだった。
東京のバーで一樽買うたところがあると聞いて、絶対やったる!と思った。

呑  やはり、とても強いお気持ちのこもったものなんですね。

てるさん  開き直りやないけど、長年商売してきて、
「俺はつくづくこれしかできへんねんなあ」と思うのん。
店のセレクションも自分の目利きでしか選ばへんし、
商品の幅を広くするために、俺は飲まへんなという商品も並べるけど、
XXで人気がありますよ~、なんてのは絶対置かん。
外国人観光客のために英語表示もしてないし、
俺が売りたいものしか置きたくないねん。
市場はあると思うけど、迎合はしたくないから。
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歴代の京都ボトル(画像は藤井さんのインスタグラムより拝借)

呑  藤井さんをご存知の方は、らしい、とおっしゃる気がします。

てるさん  その点で、オリジナルのウイスキーを出すというのは、
俺にとっては大きなことだった。
ただ社運をかけたとか、市場の流行とかではなく、哲学とか、
さっき言った諦観じゃないけど開き直りというか、
俺の生き方というか、それを極めたかった。

ようやく京都でウイスキーといえば津之喜やと言われるようになってきて、
それもスペシャルボトリング FOR 京都のおかげだと思うてる。

どう転んでもオフィシャルは大事やけど、
ボトラーズのいいものをチョイスして紹介していくというのは、
使命だと感じてる。

呑  大きく「京」という時があしらわれたあのラベルですが、
藤井さんの自書と伺いました。
込められた想いがあれば、それも教えてください。

てるさん  京の文字とウイスキーのスペックをラベルに入れるのは、
最初から考えてたよ。
日本酒の限定品ではスペックを入れてあるのが昔からあって、
すごく好きだった。
地酒をずーーーっと扱ってきた津之喜だからこそ、
発想できたラベルかなと思うてる。
京都で一流の大きい蔵の一つでもある、富翁
の社長がほれ込んでくれて、
その後富翁のラベルにも使われたんやで?(呑み助註 この商品です
!)

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てるさん  たまに今でも、真似て書いてみるんやけど、
同じようには絶対書けへん。
二度と書けない、自分でも惚れる、渾身の一文字になったわ。
それぐらい気持ちのこもっているものやから、やっぱり妥協はしたくない。
値段が上がるのはしゃあないと思うけど、
最初のローズバンクぐらいの品質をキープしたいわなぁ。

呑  2016年は、けっこうマイナーな銘柄でしたが・・・

てるさん  アルタベーンは、最初めちゃめちゃ不安やったよ。
ローズバンクが美味しくて、2本目スプリングバンク、
3本目は真っ黒なクライヌリッシュと印象が強いのが続いて、
どうやら津之喜ボトルはかなり個性的やなとみんなに注目してもらってるけど、
さすがにアルタベーンはなあ・・・(遠い目をしてため息)
でも、いま京都のバーマーケットが、
坪倉さん
の世界一に始まって注目を浴びている中、
他に何かあるかといえば津之喜じゃない?と
認知してもらえるように頑張りたいとは思うてる。
俺の映し鏡と言ってもいい、
全商品の中で一番大事なのが津之喜ボトルやねん。
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後編はコチラ