2012年07月17日

【虐(いじ)め隠蔽(いんぺい)の本質】

無題2

【虐(いじ)め隠蔽(いんぺい)の本質】



物事に対して、何時(いつ)も同じ視点で見、同じ論点で論じても進歩は無く、視点や論点がユニークであれば、それでこそ新しい発見に繋がる。
小生の視点・論点を、「何処(どこを)を探しても他に同じ事を主張する者が居ない。」と、それを持って「間違いだ」と非難する稚拙な輩がいる。

しかし「同じ事を主張する者が居ない。」と言う事を「間違いの根拠」とするならば、宗教裁判で迫害され「それでも地球は動く」と言ったイタリアの天文学者「ガリレオ・ガリレイの地動説」は「間違い」だった事に成る。

そして常識が正しければ、新たな発見や発明は世に出現しない事になる。

その視点を変えた論点を採れば、教育の場で起こった虐(いじ)め自殺事件の隠蔽(いんぺい)には、「日本流建前主義」や「武士道神話の悪風調」が根底にある。

規範となった武士道の連座制は、行為の責任を、その本人だけでなく特定範囲の人々にまで及ぼす制度で、つまり不祥事を起こす者が居るとその上司も監督不行き届きで責任を取らされる。

そうした組織一蓮托生の雰囲気が日本の風土だから、その組織の上司は不祥事を必死に隠蔽(いんぺい)する。


日本の統治機構から教育組織、企業の組織まで、「一度決め事をする」とそれで「恙無(つつがな)く決め事が守られる」としてしまう建前傾向がある。

「建前」とは、突き詰めてしまえば「現実と向き合わない為の卑怯な方便」で、主として面倒な事を嫌う性格の人が好きである。

つまり、「それ以上の仕事は面倒」とばかりに検証もしないで「筈(はず)だ」で切捨ててしまう事が建前主義日本人の悪い癖である。

そして「建前」はともかく、日本が誇る「武士道」が突然出て来ると驚くかも知れないが、この「奇妙な精神」が社会運用上「酷く悪影響が在る」のだ。
しかしこう言う国民の総意的夢想に、個人が物申すには結構勇気が居る。

何しろ「理性」では無く「感性」と言う厄介な物で「私はそうは思わない」と感性だけで主張する連中が多いからである。

教育の場で起こった陰険で残酷な虐(いじ)め自殺事件の隠蔽(いんぺい)を表面的に観れば、教員、学校、教育委員会、設置自治体、警察署などなどの立場での酷い対応が虐(いじ)め自殺事件を引き起こした。

確かに虐(いじ)め側の生徒の行為は度が過ぎていて残酷極まりないが、それを無かった事にする教育関係者は職務を完全に放棄している。

そしてこの構図は、単なる「非常識な教育者連中が集まった」と言う特殊な例外ではない。
むしろ恐ろしい事に、教育関係者のこの無責任な集団保身体制の構図は、大事に成らないだけで教育現場では日常化している。

だが、けして彼らを擁護する訳でないにしても、その当事者を責めるだけで事を終わりにしようとする「社会形態の浅慮」こそが、この種の隠蔽(いんぺい)事件が後を絶たない遠因ではないだろうか?

虐(いじ)め自殺事件で判る通り、教師も教育委員会も警察も彼らは一般人の範となるべき立場に在りながら公務としての仕事をしないで、事件が大きく成ると慌てて責任逃れをする。

元々彼らは「事なかれ主義」で、虐(いじ)め問題など取り上げれば苦労するだけの余分な仕事を抱えたくは無い。
そして「事なかれ主義」の根底に在るのが「評価制度」で、校長や教育委員会は問題の解決を教師に委ねられている。

本来なら、永年何も問題が無い方が怪しいのだが、教育現場で問題が発生すると「現場教師の評価」が落ちる仕組みに成って居て、出世や給料に響くでは、「事なかれ主義」に成らざるを得ない。

つまり現代の教育組織全般が、本命である児童や生徒を守り育てる仕組みに成っていない欠陥組織である。
現場の教員が潔(いさぎよ)く虐(いじ)めを認めれば「トカゲの尻尾切り」に合うだけだから、発生した虐(いじ)めは隠蔽(いんぺい)する。

そして教員や教育委員会が己の保身の為に隠蔽(いんぺい)すればするほど、虐(いじ)めは調子に乗ってエスカレートする。
そうした無責任な教員が、「武士道の精神を生徒に伝えている」としたら滑稽な事で、この矛盾が若者の精神を病ませて無差別大量殺人の暴挙を影で演出しては居まいか?

物事には、起承転結の「起」に遡(さかのぼ)らないと見えて来ない物もある。
これは日本の「武士道神話の悪風」が影響している事で、「一度の失敗」でもそれを個人の段階で責任を取らされる「自己完結=切腹思想」が在るから、頑として認める事無く隠蔽工作に走る。

つまり「武士道神話の悪風」は歴史を知る小生に言わせれば、昔から現場に責任を押し付ける上司(保身役人)の良い口実だった。

まずそうした責任の増大を回避する為に仕事を増やさない事が、自治体職員・教師・警察官など現場公務員の本音で、警察が「ストーカー被害」や「虐め事件」などを中々事件として認定したがらない遠因でもある。

だからその事件発生時点の心理では、自分に災(わざわ)いが降り掛から無い事のみを願い、己の保身が第一で虐(いじ)め被害者や親族の気持ちなど知った事では無い。
彼らの本音で言えば、事件にすると仕事が増えて責任も追及されるから「虐(いじ)め自殺事件」などは事を荒立てないで「無かったもの」として遣り過ごしたいのだ。

本来は虐(いじ)めの発生を咎(とが)めるのではなく、現場教師がどう虐(いじ)めを終息させたかを評価すべきである。

なのに、「虐(いじ)めは在っては成らないもの」と言う前提が幅を利かして「虐(いじ)めの発生」を即現場教師の怠慢と押し付けられる所から、その虐(いじ)めは蓋をされる事に成る。

それに日本の官庁組織の悪い所で、刑事ドラマではないが昇任試験や要求された書類の提出をマメにする者が出世し、身を粉にして犯人を追えば出世から遠ざかる。

教員も似たようなもので、肝心の教え子と身を粉にして向き合っている良い教師は出世から遠ざかり、教え子を放ったらかして昇任試験や要求された書類の提出をマメにする者が出世する。

つまり教育長や校長・教頭に、教え子を放ったらかして出世した人間が多ければ、虐(いじ)め隠蔽(いんぺい)が当然の態度ではないだろうか?

こうした病根の根底に迫って、教育思想や組織の抜本的な改善を図らなければ、当事者を責めた所で問題の根絶は難しい。

隠蔽(いんぺい)体質は教育現場のみならず、各省庁の官僚から自治体職員、企業組織と、一度バツが着いたら浮かび上がれないから不都合な事実はまず隠蔽(いんぺい)する為、被害が広がり多くの被害者を出す。

元々「武士道の精神」は、江戸期の幕府大名諸侯が人口が全体の三〜五パーセントを占める武士(言わば公務員)の統制の為に始めたものである。

その「武士道の精神」を、その精神に反して下克上(げこくじょう)をした明治新政府の志士達が「国民皆兵策(徴兵制)」の為に利用して、あたかも日本人全体の精神思想が武士道のごとく喧伝した。

正直、清廉な精神の持ち主が武士ならば、賂(まいない/賄賂)など在る訳の無く、本気で武士道精神を忠実に守っていれば命など幾つ在っても足りない。
リアルタイムの武士で在っても、武士道精神の大概の所は使い分けの虚飾の方便で、忠実に守っている者は少なかった。

その、現実にはほとんど実行されていない武士道精神のプライドなど只の虚飾に過ぎず、それを未だに言い立てている連中は「無を有」と言いたがるのだから、いかがわしい限りである。

まぁ、武士道の精神を言い立てている連中は、押し並べて実在しない「聖徳太子の存在」をも強行に主張する言わば理性よりも感性で生きている方々である。

武士道の精神など「良い格好しいの嘘」である。
もっとも、この国の現役総理大臣・野田氏は「嘘吐きと言われようと消費税を上げる。」と発言し、自らが嘘を付いた事を認めていて恥じない。

つまり、誰も潔(いさぎよ)い精神で責任を取らないでは、武士道の国が聞いて呆れるではないか?
要は視点の問題で、「武士道」などと言う格好良さ気な言葉に惑わされて、「木を見て森を見ない」から全体を見渡せず、本質を見落としてしまう。

武士道精神の本質は、正に格下の者が責任を取らされる為の組織装置なのだ。

実は先の大戦の敗戦後、「武士道の精神」は一度検証すべきものだった。
だが、既に維新から八十年近く経過していたので、この怪し気で不恰好な精神は国民に建前として疑われる事無く浸透していた。

つまり「武士道の精神」は「聞き耳が良い・べき論に合致する幻想に過ぎず」、もし日本人が本当に潔(いさぎよ)いなら、そもそも責任回避の隠蔽(いんぺい)工作などしない筈である。

まぁ、盲目的に「武士道の精神」が好きな方には得心が行かない事かも知れないが、何事にも悪い影響が隠れていて、「それを利用する連中が居る」と言う事で或る。

★【またも鮮明になる建前上の「筈だ切捨て論」の絶望】が、日本行政の今最大の正すべき最優先課題である。

体罰自殺桜宮高校・体罰教師を分析する】に続く。

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