2013年05月27日

【アベノミクス・言ってみればあの悪夢】

無題2

【アベノミクス・言ってみればあの悪夢】




全く奇妙な話しだが、言ってみればアベノミクスはあの悪夢の再演である。

安倍晋三氏の本質は「国家国益主義」で、戦前の軍事政権に到る思考傾向を感じる。

つまりアベノミクスの読み方を考えてみると、実はあの凡そ七十年前の不幸な時代に良く似ているのだ。

千九百四十一年(昭和十六年十二月八日/現地七日)・日本海軍が米国ハワイ・真珠湾攻撃を敢行、戦艦などに大損害を与えたが、お目当ての空母艦隊は不在だった。

当時の日本は、米国を中心とした連合国に経済封鎖をされた局面を打開する為に、実は勝算の見込みが立たないのに対米開戦に踏み切った。

つまり軍部は、勝算は立たなかったが「精神力で埋められる」と考えた訳だが、アベノミクスも「気分」で景気上昇を目論むなど発想の構造が良く似ている。

そして山本五十六連合艦隊司令官は、「対米戦の遂行能力は持って一年半」と発言、これには真珠湾攻撃で米空母艦隊の殲滅に依る戦力低下も予定に入っていた。

その目論見は簡単に狂ったのだが、つまり不確定要素が多くまったく勝算が無い酷い戦に、「タラレバ」の危うい見込みで国民を巻き込んで行った。

あの太平洋戦争開始から七十一年間、二千十二年(平成二十四年)十二月二十六日、自由民主党総裁の安倍晋三が第九十六代内閣総理大臣に任命され第二次安倍内閣(だいにじあべないかく)が成立、アベノミクスが始まる。

このアベノミクス、衆議院解散総選挙の時点から市場は既に期待して反応していた。

だが、アベノミクスには不確定要素が多く、まったく勝算が無い酷い戦に、「タラレバ」の危うい見込みで国民を巻き込だ点ではあの太平洋戦争に実に良く似ている。

最も悲観的な状況を想起して、その最良の対処を考案する事が正しい軍事戦略であり企業戦略である。

所が大概の国家や企業は、酷く楽観的な軍事戦略や企業戦略の状況を設定してそこに向かおうとして失敗する。

アベノミクスの政治戦略は正に、酷く楽観的な状況設定をして猪突猛進しているのではないだろうか?


それにしても、アベノミクスが何を根拠に景気回復に繋がるのか、「タラレバ」の危うい見込みばかりで明確な根拠は無い。

つまり各企業に対して、先の景気回復を見込んで「給与を上げてくれ」と言う宛てに成らないお願いの危うい戦略である。

そして、この宛てに成らないお願いの「タラレバ戦略・給与を上げてくれ」は、体力が無い中小企業には過酷な要求である。

当然の事ながら大企業だって、安定した給与支給の目処が立つ前に無理やり昇給するリスクを敢えて拾う所は、その本質からして少ない。

太平洋戦争当初の「勝った、勝った」と言う大本営発表も、疑問を発する学者に対する非国民扱いも、現在の状況に酷似している。

あの時も、財閥と軍部が結託して「皆が幸せに成れる」と侵略戦争を始め、今回も政権と大企業が結託して「皆が幸せに成れる」とアベノミクスを始めたが、国民は夢だけ見させられて酷い目に合いそうだ。

確かにアベノミクスは円安を誘導し、株価を急騰させて大企業の一部が明るさを取り戻し国民に大きな期待を抱かせ、「マイナス思考は景気回復に水を挿す」と疑問を封じた。

そして開戦から少し経つと、物資不足で「欲しがりません勝つまでは」のスローガンを国民に強いた当時の日本政府と同様に、「円安の物価高は暫く辛抱してくれ」と勝算無い夢物語を続ける。

日本経済の現状は、輸出関係の大企業の一部が明るいだけで、日本の庶民には円安株高の恩恵などない。

既に原油輸入代金が上がって港々の漁船は出漁を止めてまで燃料費保障を訴え、運輸業者も客先に転化できないまま青息吐息、温室栽培農家も大打撃である。

円安に依る輸入代金の増加は、食品原料を輸入加工する業者に打撃を与え、商品価格に転化されれば、一般消費者の生活負担ばかりが増えて行く。

更に悪い事に、太平洋戦争当時の軍も政府も財閥の意向で動いていて国民は使い捨てにしか考えて居なかった。

つまり国民は夢だけ与えられて、酷い地獄を見せられた。

現在のアベノミクスでも、このまま株価が上がって国債が売られ、金利が上がれば中小零細企業の運転資金は序々に枯渇し、変動金利で設定した個人の住宅ローンは支払いに追われる。


安倍政権は、「庶民に金が廻るまで一年半はかかる」と言うが、金持ちばかりでは無い庶民の懐(ふところ)はそこまで持ち堪えるだろうか?

ワーキングプア(働く貧困層)ニート(無職の若者)、そして収入増加の宛が無い年金生活者は、これから増えるだろう多くの生活負担を「安倍政権はどうやって乗り越えろ」と言うのか?

つまり安倍晋三氏の連発するメッセージが、太平洋戦争当時巧みな演説で国民を鼓舞し続けた東条英機氏と姿がダブルのは小生だけだろうか?

永い時間を経て・・・結局、人間は然したる進歩が無いまま、またも一種のアジテーション(扇動)にうかうかと乗って、哀しいかな淡い希望を抱かせられるだけである。

好況感無き「指標だけの好景気」は、過去の多くの政権で存在した。

矛盾であるが、経済に刺激を与えて活性化させようとすると所得格差が拡大し、その所得格差の拡大が「消費の停滞を招く」と言う泥沼に陥(おちい)らせている。

安倍総理は、その施策に於いて必ず発生するであろ弱者のセーフティネットを、同時並行的に張らねば成らない。

しかしながら現在の安倍政権の施策は景気浮揚にのみ注力しており、弱者へのセーフティネットに関しては過去の小泉・竹中政権と同じ二の次である。

今は心ある国民も、半信半疑でアベノミクスの成り行きを見ている段階である。

安倍総理は、小泉・竹中政権の弱者切捨て路線が後の自民党が野党に転落した伏線である事を肝に銘じなければ成らない。


アベノミクスは不確定要素が多く、現在の株高は外国中心の投機筋であるから今後株価は乱高下して次第に勢いを失って行く懸念がある。

アベノミクスは「感性」の領域にある「非現実的楽観主義」であるから、「虚構」のトリックを疑う事なく受け入れてしまってはなら無い。

張りぼてのホラ話で赤字国家予算を膨らませ、一部大企業だけ儲けさせても大企業は既に国際企業で、儲けを投資効果が高い海外に進出に廻し国内投資に向ける確証など無い。

そして肝心の中小企業は、海外に進出した大企業からの受注は望むべくも無く、投資需要など起こりはしない。

つまりアベノミクスで幾ら金融貸し出しを促進させようが借り出し需要など無く、国内の経済が活性化する効果は無い。

となると、結果は国家の赤字財政の累積が依り悪化し、国民の貧富の格差が進行する。

そうなると日本経済は、新たなる敗戦を迎えかねないではないか?

勿論、小生は日本男子であるから経済回復は望む所であるが、アベノミクスを妄信するのは「如何なものか?」と想う。


太平洋戦争当時、日本の政治家はほぼ一党にまとまって「大政翼賛会」を形成、戦争にまっしぐらで、日本のマスメディアにも正面切って戦争反対を叫ぶ勢力は居なかった。

二千十三年(平成二十五年)、野党が互いにけん制し合って批判票の受け皿政党が無くなり、自民圧勝の参議院戦が目前に迫り、結果次第では「新たな大政翼賛会政治」が始まるだろう。

確かに決まらない政治にも「うんざり」だったが、あの「大政翼賛会」の一党独裁政冶にも多くの危険が潜んでは居まいか?

「景気回復を何とかして欲しい」と言う庶民の「安倍頼み」かも知れないが、約半年経過した時点としては安倍政権の支持率・七割強は異常に高い。

だがしかし、日本の選挙権者の大半の投票行動はムードに依る「感性」の世界が基準で、「理性」に依る懸念などに耳を傾けないかも知れない。

今は国民の七割強がアベノミクスに期待しているが、その実は不確定要素が多く、まったく勝算が無い作戦を勢いだけで押し進めている。

政府もマスメディアも国民も、全てが盲目的に一致して居る時こそ、暴走の芽が育つ時である。

安倍晋三氏の恐い所は、彼の思想の本質が純粋に国家国益主義で、余り国民寄りの民益思考では無い所である。

つまり今後、安倍晋三氏が圧倒的議席数を背景に過去の恐い時代の国家国益主義に突き進んで行く危険な匂いを感じる。

一歩間違って結果が出てから「しまった」と想うのは、今この拙文を読んで居られる貴方かも知れない。

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