2014年11月01日

【日銀の黒田総裁・追加緩和決定】

無題2

【日銀の黒田総裁・追加緩和決定】


(崖っぷちの中小零細企業)

日銀の黒田総裁は、脱デフレの正念場と見て「切り札」とも言うべき年三十兆円追加して年八十兆円への拡大「追加緩和」の決定に踏み切った。

これは日銀・黒田総裁のアベノミクスへの援護射撃で、当然ながら株式市場は公表日に高騰し、円安は進んだ。

しかしこの「追加緩和」は、本来「禁じ手」だから今まで手を付けなかったのだが、アベノミクスが行き詰まって黒田総裁は勝負に出た。

一番の問題点は、「追加緩和」で各金融機関へ流れ込んだ資金が、中小零細企業への貸し出しには廻されず、貸し出しよりリスクが少ない国債の購入に回る事だ。

つまりは「追加緩和」が各金融機関の国債購入に回り、各金融機関は中小零細企業への貸し出しより安全で高利回りの国債の金利を受け取る。

そうなると日銀は、結果的に各金融機関の国債購入を促進するために「金融緩和」をやって居る事に成る。

この高利回りの国債の金利額が上乗せに成って累積し、国家予算に占める割合が増加して赤字国債の発行に拍車をかける構図である。

大体、年間の国家予算百兆円の内、「凡そ三十兆円が赤字国債の金利だ」と言われて、現在でも異常な国家予算なのに安倍政権や黒田日銀は「まだ金利の額を増やす」と言うのか。


日銀には、この「追加緩和」に拠って円安株高が進めば、人為的にデフレからインフレの物価高へ移行する狙いが在る。

だが、この輸入高と物価高は、中小零細製造業の原材料手当てと年金生活者の生活を直撃し、内需を圧迫する。

「追加緩和」は、医薬で言ったら毒にも薬にも成る代物で、「追加緩和」で、株価や為替レートは踊っても金融機関は踊らない可能性が在る。

要は金融機関が、この「追加緩和」で中小零細企業への融資を順調にするかどうかの崖っぷち判断である。

何故なら、あくまでも「追加緩和」は借金の増額で、円安が進んで材料の仕入れ原価が割高に成った中小零細企業が、企業生存危機に耐えられるかどうかが問題である。

つまりこの「追加緩和」が、中小零細企業のかなりのウエートの息の根を止める毒になる危機を孕(はら)んでいる。

その理由は、この文章の後半で披露するが、中小零細企業の多くは既に体力を超える借入金に喘いでいるのだから、「追加緩和」の効果は現実的で無い施策である。


この国では、「奇妙な常識」が「すり替え論議」でスタンダードに成っている。

例えば赤字国債発行の根拠に「国民の預金高」があるが、「国民の預金」はあくまでも「国民の預金」で、赤字国債の担保ではない。

「親戚が金持ちだから」や「隣の人が金持ちだから」だけで借金(赤字国債発行)ができるなど、こじつけではないか?

本来、その金持ちが裏書き保障しない限り、他人の懐で借金ができるなど世界中何処を探しても在り得ない理屈である。

また、「国民が老後を心配して預金を取り崩さないから景気が回復しない」と言うが、民衆が預金をするのは世界中で当たり前の、それこそスタンダードな行為である。

その預金行為を、「国民が預金を取り崩さないから景気が回復しない」は、無能な政治家や官僚、それに企業経営者の鉄面皮な「言い掛かりのすり替え論議」に過ぎない。

過剰な預金は問題だが、子供や孫にいくばくかの資産を残したいのは人間としての許容範囲で、非難されるべきではない。

大体この、景気浮揚策で「消費して欲しい高齢者の預金問題」は、他人に死を強要しながら自分は自決に失敗した東条英機(とうじょうひでき)氏の戦陣訓・「生きて虜囚(りょしゅう)の辱(はずかしめ)を受けず」のごとき物である。

つまり、提唱している政治家や官僚が、自分の資産など消費する気は全く在りもしないのに、国民にそれを要求するのは正しく恥じるべき鉄面皮な人種に他ならない。

それに、国民が預金を取り崩す事は「赤字国債発行の根拠」を失う事で、経済運営には諸刃の剣であるから、本音は只の利権絡みの「こじつけ的言い掛かり」に過ぎない。

つまり「奇妙な常識」をスタンダードと想うのは、未だ戦前の「お国の為」と言う全体主義的思想が残る体質の方である。

だからそう言う方は、「もっともだ」と、その利権絡みの「こじつけ的言い掛かり」をまともな事に想ってしまう自分の純真さに留意して欲しい。


以前も指摘したが、第一次安倍内閣当時、大企業はぼろもうけして企業の内部留保が二百兆円も溜まって経済指標上は大好景気だった。

しかし一般国民には儲けが廻らず、当時誰も景気回復を実感できなかった。

この時は安倍総理を、「自民党のスポンサー(大企業)だけに配慮している」と疑ったが、今回の「追加緩和」にもその疑いを感じる。


日本の経済構造が、戦後復興の活性期からバブル景気までは、労使協調型で利益がでれば給料も上がった。

そして余裕が出来た企業は、先行投資もして資金を周囲にも循環させた。

だが、竹中平蔵氏が持ち込んだ「米国型市場経済」に経営形態が変化して、企業利益を出資者(株主)に還元を優先する形に変わった。

それで昇給は据え置きにして株主還元に走り、儲けた資金が投資ファンドや一部の金持ちにしか廻らなくなった。

結果、株価は一時的に上がったが一般市民に資金が廻ら無いから株式市場も活力が維持できず、その後は「好景気の株安」で推移し今日に到った。

現在、アベノミクスで為替レートが円安に振れて、自動車業界はなんとか立ち直った。

だが、世界に通用する筈だった家電メーカーは商業ベースで負け続け、リストラに依る経営再建中で円安の恩恵どころでは無い。

その「敗因の総括」もしないで、リスクが多い財政出動で円安誘導だけして本当に家電メーカー業界の為になるのだろうか?


アベノミクスで「株価が上がっている」と言うが、株式上場企業は正真証明の大企業であるから、大企業優遇策のアベノミクスでは株価は上がって当たり前である。

そして当然ながら「大企業の株価が上がっている」からと言って、それで「庶民生活まで景気が良くなる」と言う事では無い。

つまり、「株価が上がっている」と言う事と、中小零細まで景気の循環が行き届くのはまったく別の事で、正味の景気上昇とはとても言えない。

アベノミクスの実態は、政府が市場相場をアナウンス操作する空経済のマネーゲームで、「実力が市場に反映して居る訳ではない」と言う根本の危うさがある。

にも拘(かかわ)らず安倍晋三総理は、財界に賃上げを要請してまで景気浮揚に躍起に成って居る。

だが、円安で原油や食材の輸入が割高になるなどマイナスも多く、肝心の内需は改善(上昇)していない。

今回の3%消費増税以降、肝心の内需はリーマンショック時より遥かに落ち込んで、中小零細企業は先が見えない青息吐息状態にある。

つまり企業にとって、この時点での賃上げは非常にリスキーな事で、安倍政権の思惑通りに行くとは到底考えられない。

それで安倍総理のアベノミクスの執着であるが、もう始動してから、かれこれ二年、政策としての旬は既に過ぎたのではないか?

例えば安倍政権が、「企業の設備投資が進まない」と問題視しているが、この先人口が萎(しぼ)んで行くのに、安易な「設備投資」が出来ると想うのだろうか?

もぅアベノミクスを応援しているのは新聞記者上がりのコメンテーターばかりで、本物の経済学者の大半がアベノミクスを批判し、残りの経済学者は距離を置いている。

つまりは根本が人口問題なのに、そこを棚に挙げてこそくり仕事をしても市場経済が上向く筈が無いのである。


そしてここに、「援助急務の中小零細企業が多数存在する」と言う見捨てて置けない差し迫った金融問題がある。

それは、返済を猶予して貰う間にリーマンショックから体力を回復させる狙いで2009年12月施行の時限立法・「金融円滑化法」で猶予された返済の事である。

勿論その法案施行当時は差し迫った危機の回避で、緊急性か理解できる法案だった。

その返済猶予が、2013年3月の終了後も国からの要請で「借り入れた元金の返済を待って欲しい」が金融機関に届いている。

これは、議会(政治)で決めた事の責任を、無責任に「金融機関の責任にすり替えた」のではないのか?

実は実需経済が好転しない経済情勢の中,暖和申請が只繰り返されるだけの病人で、中小零細企業の再生は泥沼の中で喘(あえ)いでいた。

何故なら、金融機関は返済スケジュール(リスケジュール)には応じても追加融資には新たな不良債権化を恐れて応じず、中小零細企業再生のきっかけには成らない状態が続いて居た。

これでは、多くの中小零細企業がカンフル注射で生き延びているだけで、起き上がって仕事をする資金的余裕など無い。

この「金融円滑化法」終了後のリスケジュール件数は「全国で1200万件を超える」とも言われる膨大な数に昇って、実質倒産予備軍化している。

つまり中小零細企業の大半は借入金と言う重石の蓋の下でもがくばかりなのだが、安倍政権は的確な対処をせず、金融機関任せで傍観している。

この「金融円滑化法」の重石がなければ、計算通りに中小零細も融資が受けられて経済活動が活発化するかも知れない。

しかし今回の場合は明らかに理屈(現場を知らない机上の計算)だけの話しで、「考慮すべき現実」を無視している。

日本の企業の九十%は中小零細企業で、個人商店を含む人口の八十%は中小零細企業関連で飯を食っている。

この大崩落危険状態の中小零細企業を放置していては、やがて日本経済に土石流のように襲い掛かるかも知れないが、これは人災で自然災害ではない。

そして中小零細企業が例え大崩落しなくても、こんな重石を放置したままでは、安倍政権が矢を何本放っても景気は上向かない。

なぜなら、この借り入れ金の返済に苦しんでいる中小零細企業に、「従業員に昇給をしてくれれば景気が回復する」は、無理な話である。

しかしまぁ、足りなければとりあえず赤字国債の発行で埋め合わせる事が出来る政府には、返済が滞ると倒産する中小零細企業の人件費増など心配では無いのだろう。

結局、「無視できない現実・金融円滑化法の重石」をまったく無きがごとくにして国民に夢を見させるのがアベノミクスであるなら、只の子供だましではないのか?

現在の自民党は自由資本経済の資本主義ではない。

バブル崩壊後の経済立て直しの経緯の中で、まるで戦前の富国強兵時代の財閥癒着軍事政権と同じ状況に成ってしまったのだ。

歴史学的に言えば明治維新の様に、「ご破算で願いましては」が次の発展の起爆剤に成るものである。

新たな国家の形成と発展を促すには、「ご破算で願いましては」が必要なのだ。

実はこの「金融円滑化法」による中小零細企業の大崩落と、累積する赤字国債を一気に解決する秘策(ご破算で願いましては)が筆者にはある。


国内の実需経済が好転しないのは「根本が人口問題」なのに、安倍政権がそこを棚に挙げて、モグラ叩きのごとく「こそくり仕事」をしても市場経済が上向く筈が無い。

発想を一途に探求して成果を挙げる事こそ、要求される研究者の能力であるが、政治家や官僚、企業経営者はそれとは全く違う能力を要求される。

政治家や官僚、そして企業経営者は時の流れに依り刻々と変わる環境変化を読んで、発想の応用力を研ぎ澄まして事に当たらねばならない。

つまり安倍晋三氏の信念の様に、「思い込んだら百年目」の純真さは罪でもあり、環境変化に対応して変われないリーダーには成長が無い。

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