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2011年06月25日

【なぜ体温が高い方が体に良いのか?】

 ミトコンドリアの専門家である太田成男先生の著書を別ブログで紹介していますが、今日は安保徹先生のご講演を拝聴してきたので、そこでのミトコンドリアのお話を書いてみたいと思います。

 体がエネルギーを得る系は主に2つで、解糖系とTCAサイクルというものがあります。無酸素状態では前者が、有酸素状態では後者が働きます。ミトコンドリアは後者に関わります。

 ミトコンドリアが少ない細胞は無酸素状態でも分裂し、分裂に最適な温度も体温よりも5度程度低いのです。骨髄、消化管、皮膚、精子がこれにあたります。生命現象に直結する細胞が多いですね。

 ミトコンドリアが多い細胞は有酸素状態にあり、分裂はあまりせず、高度に分化した細胞が多くみられます。心筋細胞、脳細胞などがこれに該当します。人間はこれらの細胞が効率よくエネルギーを生み出せるので、細胞が種々に分化して高度な機能を獲得しています。

 ここからが「体温を上げると・・」の安保先生らしいお話なのですが・・。

 体温がもしも低くなってしまったらミトコンドリアが働けません。そこで、細胞は普段はあまり重要視していなかった解糖系で何とかしようとします。

 しかしエネルギー効率が悪いので、長期間になってきますと、高度に分化した細胞群(私たちのことです)を維持することができなくなります。見た目にはやつれてきます。

 実は癌細胞はミトコンドリアが少ない細胞なので、体温が低くなると増殖しやすくなります。逆に体温を上げると、体の各部位の高度な機能(恐らく免疫細胞も含まれるのだと思いますが)も活発になり、癌細胞自体も増殖しにくくなります。

 体温が低い状態で働き続けるのは良くありません。リラックスして体温を上げて、ミトコンドリアを働かせることが、癌予防をはじめとした何よりの体調管理になるのです。

 安保節全開の45分のご講演でした。



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2011年06月19日

【常習便秘への対応】

 排便は老廃物を体外に出すという重要な働きがあります。有害重金属や化学汚染物質はほとんど便と汗から出て行くため、便が出ないことで様々な問題が生じてきます。

 肌荒れが生じやすいですが、これは便からでない老廃物を無理やり皮膚から出すために生じる現象です。

 また、便が体のエネルギーを下向きに流す働きがあるので、便秘が常習化するとのぼせる傾向が強くなり、首から上に熱い感じや痒みが出ます。

 便秘の方たちは、水をたくさん飲んだり、繊維質のものをたくさん食べたり、ヨーグルトのようなものを常用していますよね?でも止めてしまうと元に戻ります。つまり根本的な治療にはなっていないのでしょう。

 では漢方薬が良いのか?というと、これも対症的になっているように思えます。止めれば便秘に逆戻りする場面に数多く遭遇します。一応、使用することの多い漢方薬を挙げているサイトがありますが、根本的解決には今ひとつの印象です。
 
 では、なぜ便秘が続いてしまうのでしょうか?

 ビタミンCが足りないのかもしれませんね。小腸で吸収しきれない量のビタミンCがあると、大腸で腸内をを酸性に保ち大腸菌の繁殖を抑えるのだそうです。ビタミンCはストレスやアルコール摂取などで消費されてしまいます。

 あとは、発酵食品の摂取が足りないことも考えておく必要があります。私が子どもの頃はいつも周りに発酵食品があったように思いますが、今は食卓に乗ることが少なくなりました。

 便秘によい経穴(つぼ)を探してみました。腸を動かすエネルギーを身体が取り込めないから便秘が続く、ということもあるのかもしれません。
 




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2011年06月12日

【糖尿病の人たちの血糖管理について2】

 先週、糖尿病のことについて書いてみました。

 数値を厳格にコントロールする医療に若干の疑問を呈しましたが、今の現状とはかなり乖離していますよ、と専門医師の方から指摘を受けました。現場で実際に糖尿病を診察しておられる方のお話ですので重い指摘です。

 まず、HbA1cの値は現在、アメリカの基準値よりも0.4%ほど低い値になっているのだそうです。これは論文を読む上で注意が必要ですね。

 そして10年前にはHbA1cが7%を切るのが目標でしたが、HbA1cの値と合併症のリスクについて、各国で大規模臨床研究が行われた結果、厳格なコントロールをした方が糖尿病合併症(視力障害や腎不全など)が少なくなると結果が出ており、現場の感覚と合致するとのことです。

 代謝異常が若年の方で増えているのが問題であり、軽い耐糖能障害の40歳台の方でも動脈硬化から脳梗塞を起こしてしまうようなケースも少なくないのだそうです。恐らくストレスなどによる抗酸化力の低下も関係しているのでしょうね。

 今回指摘をいただいたドクターは「HbA1cの値に30を足して、体温と思って下さい」と言う表現をよく使うのだそうです。HbA1c 6.5%は36.5℃ で、7.0%(37℃)が 長期続くと何らかの支障が出てくるリスクが大きいという風に解釈するのだそうです。

 先週とかなり言っていることが異なるので、お困りの読者さんもいらっしゃると思いますが、どちらも信頼できる方からの情報と私は思っています。立場や見ている現場の状況でかなり内容が異なるのは仕方がないでしょう。

 これが影響しているのかどうか分かりませんが、一応大きく異なるのは、先週は東京の方のお話、今週は四国の方から伺ったお話です。

 まとまりませんが、これでおしまいです。






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2011年06月05日

【糖尿病の人たちの血糖管理について(門外漢ですが)】

 本日は門外漢ではありますが、重要なことだと思いますので、糖尿病のことについて書いてみたいと思います。

 何故糖尿病なのかというと、数値を厳格にコントロールする医療があたり前のように行われていますが、どうなのかな?という疑問があるからです。

 糖尿病の患者さんはHbA1cという値を5%台にすることを求められることが多いようですね。2009年の日本糖尿病学会ガイドラインによれば、6.5%以下を良、5.8%以下を優(何だか成績みたいですね)と定められています。

 しかし、アメリカとカナダの共同研究には5%台の人たちと、7%台の人たちの間には統計学的に死亡率の差はなく、低血糖症になる人の割合が5%台の人たちの方にかなり多い(当たり前ですが)という結果になっています。

 低血糖症もときに命の危険のある病状ですし、死亡率に差がないのであれば、低血糖が少なく、快適に生活できることも大切だろうと思います。

 「でも、血糖が高いと糖尿病合併症が起こるのでは?」ということもご心配でしょう。

 しかしイギリスの糖尿病合併症予防研究(1998)によれば、合併症リスクはHbA1c値7%前後が最も少なかったというデータもあるのです。

 全てを日本人に当てはめてよいことにはなりませんが、同じ血糖値であっても、ことさらに高い血糖値でなければ数値で縛るのではなく、個々の臨床症状を見ながら管理を考えていくということも必要なのかもしれません。

 分子整合栄養医学講座で習ったことの受け売りになってしまいました。





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