そうこうするうちに天皇賞の発走時刻が近づいて来た。講釈の見解は比較的本命サイドの予想で、ルーラーシップ、フェノーメノ等を中心視する一方、5戦5勝のカレンブラックヒルを軽視、穴なら馬場状態からエーシンフラッシュが面白いとのこと。ここまで細かくアカの他人の予想がわかることからも、いかに講釈の野郎が大声で自らの予想を垂れ流していることがわかるだろう。独演会。
そして遂にその瞬間が訪れる。東京競馬場を映すモニターより流れ出す威風堂々のOVERTURE!(君が代のことですW) とうとう天皇・皇后両陛下のお出ましだ!先程までの冗舌から打って変わって神妙にモニターを見つめる講釈。モニターと講釈の間にはとてつもない磁場が発生しているようだ。僅か数秒の沈黙だったが何時間にも感じられた。・・・そして奴の口が静かに動く。とうとう講釈から政治的・思想的発言が発せられるのか!
「天覧競馬の時って1枠1番が来るんだよな」
おいっ、結局競馬の話かよW。しかもこれって2005年天皇賞を両陛下が観戦された時、1枠1番のヘブンリーロマンスが勝ったという(馬上敬礼シーンでお馴染み)競馬ファンなら誰でも思いだすであろう、たった一つの例だけから言い放ってるだけやろW。でも講釈の口から放たれると何かいわくありげにも感じられ、もしやそれ以前の天覧競馬でも1枠1番が来てるのかも・・・と思い後で調べると、ヘブンリーロマンス以前の天覧競馬は1899年の明治帝行幸にまで遡るというもはや歴史ロマンの世界だった。
しかし思うに講釈は確かにアホだが、何か動物的勘みたいなもので自らのここウインズ渋谷における影響力に気付いており、自分が政治・思想的発言をすることによりこのユートピア(馬の名前じゃないよ)に不穏な亀裂が生じることを懸念して、このような道化に徹しているのかも・・・なんてこれは俺の買いかぶりすぎかしら。 そして第146回の天皇賞。エーシンフラッシュ・フェノーメノ・ルーラーシップの順に決着。何と講釈の野郎、ほぼ本線での的中じゃねえか!さすがにエーシンの頭まではないと思っていたようだが馬連・ワイド等をしぶとくGETした模様。満面の笑みでレース回顧。というよりいかに自分の買い方が凄いかに終始W。でも憎めないキチガイだ。その無邪気で慈悲に満ち満ちたる眼差しはさしずめ釈迦牟尼の如し。(昨日爬虫類の目って書いたばっかりやけど) 講釈の独演会を聞きながら一つの思いに至る。もうここに来るのは最後にしよう。ここウインズ渋谷地下1階は、荒廃しきった1000万都市東京に残された最後のユートピア(漫才師の名前じゃないよ)。俺のような門外漢が来るところではない。遠くで思いを馳せながらいつまでもこの空間が存続することを願う。でも講釈のことはきっと忘れない。わずか3回の邂逅、時間にして数時間にすぎない思い出だが、俺の人生に深く刻みつけられた数時間だ。人を戦慄させ凍えさせるキチガイはこの世に数多おれど、人の心を優しく温めてくれる暖炉のようなキチガイ、ハート・ウォーミング・キチガイは講釈さんだけだった・・・。
さよなら講釈、いやありがとう。
さよならの向こう側 (講釈に捧ぐ)
・・・・・・気が付くと帰路の新幹線の中だった。どうやら3日間のハードな行程に疲れ眠っていたようだ。寝起きばなの夢とうつつのはざまでふと講釈を想う。講釈って現実の存在だったのだろうか、それとも夢の中の・・・? でもそんなのちっぽけなことにすぎないよ。そう思うと再び深い眠りに落ちていった・・・・・・
講釈
府中?渋谷?府中?渋谷?陛下?講釈?陛下?講釈? う~~~~~ん あーりん!! (戦前なら不敬罪で投獄レベルか)
・・・・・・気がつけば、ウインズ渋谷の地下1階への階段を下りていた(苦笑)
今回で3回目の潜入となる。運よく前2回とも講釈氏に遭遇できたが、さて今回はどうか。何しろいくらスーパースター講釈と言えど冷静に考えれば奴も単なる一般人、前2回は3月の弥生賞、6月の函館スプリントSの開催日だったが、今回はその両日とは比べものにならない程の来客が見込まれる天皇賞デイ。そう簡単には見つけられないかもしれない。期待半分不安半分で地下1階フロアに辿り着いた。
着いた瞬間・・・・・・・・・・いやがったWWW
奴が来ているとすれば徘徊しているであろうポイントはわかっていたが、そこに目をやると普通に佇んでいやがったよW レア感もへったくれもないよ!でも何故か幸せな気分。初邂逅からおよそ半年、俺を取り巻く環境も少しずつ変わって来たが、ここはちっとも変わってねえ。そう言えば、前回(6月)の話で、今夏の講釈広島侵攻(転勤)の噂について書いたがどうやら単なる風説の流布に過ぎなかったようだ。 今日も奴はここ(渋谷)にいる・・・。
僕はここ(渋谷)にいる (山崎まさよし / 1998年)
さて男ファッションモンスターの異名をほしいままにする講釈さん、本日のお召物はチェックのシャツにダウンベストというカジュアルないでたち。10月も末になるとかなり寒くなってきたし、爬虫類のような目をしたさしもの講釈も暑さ寒さを感じる感覚は持ち合わせているようだ。ただ手に持ちたるはふちの擦り切れたボロボロの袋!何故この男は度々こういう乞食風情のズタ袋を持ち歩くのか。中に何を詰め込んでいるのかも謎めいておりオカルティック。昔は「味の時計台」なる札幌ラーメン店の袋をやはりボロボロになるまで後生大事に持ち歩き、それが講釈を確認するランドマークにさえなっていたというレジェンドが残っているよ。いつもは比較的高齢の取巻き連に囲まれている講釈だが、今日は一見すると少々若そうな衆2名が引っ付いていた。もしかしたら件の掲示板由来で講釈に興味を持ち接近(ランデブー)した衆かもしれないが、一旦奴と仲間になったのなら晒したり裏切ったりせず最後まで面倒みることを願う!それにしても講釈自体も年齢不詳な奴だ。本当に何歳にでも見える。18歳W~60歳OVER説まである。それどころか国籍不詳のグルーヴも醸しだしているし(流暢な日本語は話す)、もはや性別さえも不詳。オッサンと言えばオッサンだしオバハンと言えばオバハンにも見えるのだ。両性具有のハイブリッドモンスターかもしれない。モニターを見ながらしきりに「免停が・・・免停が・・・」としたり顔!文脈からどうやら特定の騎手を指しているようだが、それが誰かは今一わからなかった。言葉からは騎乗停止を繰り返すラフプレーの騎手を皮肉交じりに揶揄しているのかと思いきや・・・。後に知ったところでは、どうやらイオリッツ・メンディザバル騎手のことらしかった。単なる言葉遊びだったのかよ!くだらねえW。これが世界の講釈クオリティ。こんなとてつもなくくだらないことを、この世で一番面白いことを思いついたが如き満面のしたり顔で言い放つファンタスティックな男!
-続く-
昨日で今年のプロ野球も無事終了しましたね。
おいっ、これからクライマックスシリーズ(CS)も日本シリーズもあるし、まだ公式戦すら終わってないじゃねえかって?
毎度好き勝手放題書きなぐっているこのブログだが、一応は見てくれている人のことも意識している。しかし今日は完全に独りよがりの世界を展開させてもらう。プロ野球のことなんて年に数回しか書かなくなっているのでいいやろう。
昨日で我が中日ドラゴンズの公式戦日程が他の全球団に先駆けて終了した。俺は落合前監督絶対主義でもないが、彼の”百数十試合を死力尽くして争うペナントレースこそがプロ野球”という意見は大いに賛同。CSも日本シリーズも単なる余興に過ぎないと思う。特にCSなど興行面以外に何の意味があるのか。144試合戦ってきて敗れたチームが、僅か数試合でリーグ代表になれるなんて選手に失礼だと思う。まあ日本シリーズ自体さえどうでもいい自分にとっては、どっちにせよどうでもいいことやけど。
ということで、ドラゴンズの公式戦が終了した昨日で今年の俺にとってのプロ野球は終了です。
引退セレモニーで異例の遠投を披露した英智。何とホームベース手前からスタンドにボール放り込みやがったW。まあアホなショーやけどなW。ドラゴンズファンで良かった!守備と走塁では光るものがあったけど、打撃はとても見ていられなかった。代打で出てきた時のガックリ感といったら・・・。だが何と言ってもこの男の見せ場はヒーローインタビュー。とにかく不可解で奇天烈な発言を繰り返す。さしもの俺がえっ?となる程だった。でもあんまり活躍した憶えもないのにヒーローインタビューの場を何度も見ているってことはやはり何か”持っている”選手だったのかもしれないね。今後はコーチ就任とのこと。野球技術面は正直どうでも良く、やはりマイクアピール等話術面(笑)を若竜たちに伝授していってもらいたい。
さて今年のドラゴンズだが、高木の采配面がとやかく言われがちだったが、個人的には期待以上によくやったと思う。故障者続出の中で貯金22は立派。例年なら優勝していてもおかしくないラインだが、とにかく下位4球団がウンコすぎた。特筆すべきは得点423・失点405という僅か18点の得失点差で22の貯金を作ったこと。これはギリギリの戦力で勝ちを拾いまくったことに他ならない。(ちなみに巨人は貯金42もあるが得点532・失点353とその差200近くある。圧倒的な戦力だったと言わざるを得ない。)
選手では、期待の復帰組(川上・山崎)は今一だったし、岩瀬・浅尾・吉見・ブランコ・井端らの離脱が痛かったが、田島・ソーサ・山内・武藤といった投手陣のニューヒーローの登場が頼もしかった。一方打者陣は大島が本物になりかけている以外にこれといった収穫がなかったのが残念。まあ来季への課題がはっきりしているので何らかの対策ができるはずだ。
ということで、ここで独断と偏見で選んだ今年のドラゴンズのユニフォーム組のMVP3名を発表しよう!
3位 トニ・ブランコ!
俺は四の五の言っても、実際は野球の技術や戦術はよくわからん。結局餓鬼の頃の視点のままドカンと一発放ってくれるのを見るのが好きな単純野郎だ。いまのドラゴンズでそれが期待できるのは実質この男だけだ。来季も何とか引き止めてほしいが・・・。
2位 山井大介!
ここ数年の低迷から見事復活!正直もう”終わった”選手と思っていた。
俺は馬鹿だ。諦めないという気持ちを教えてもらった。ありがとう!
ただ・・・その異名”セットアップゴーグル”WWW
そのまんまにも程があるよ!もはや”金髪豚野郎”と甲乙つけがたい何のひねりもない有様!
1位 佐々木彩夏ことアーリン(16)!
俺は狂ったわけじゃないよ。もう一度読んでみたまえ。ドラゴンズの選手とは書いていない、ユニフォーム組と書いただけだ。
何故この格好をしているかは、日本国民のうち、もはや1億2千万人に達しようとしているモノノフには説明する必要もないだろう。このところ佐々木をネタ要員にしがちなのは反省する。いやネタじゃない、ファンタジーだ!
宣言通りとは言えど、あまりにも独りよがりの展開やろ。やはりちょっと酷いですね。
反省をこめまして、最後はドラゴンズいや日本球界だけじゃなく、メイジャーリーグベイスボール(パンチョ伊東風)にまで視点を広げて、今年の野球界のMVPを3人選出します。
ダルビッシュ? イチロー? 阿部慎之介? M.カブレラ? いやこんなのを選ぶほどの反省はしてない(笑)
3人と言いながら、4人じゃねえかって(笑)
この記事で初めてこのブログ見る人は、何故にこの3人なのか、いやもはや何が起きているのかもわからんやろな!それどころか本当に4人とまで思ったりしてW。
もうすぐ300回に達しようとするアホ記事群でも屈指の独りよがりの回だった。次回はきちんと書きます。
ビスカヤ・ショックも冷めやらぬ間に阪神メインのマーメイドSが発走となる。
このレース、講釈の野郎1頭の穴馬に目を付けていた。クリスマスキャロルなる7番人気の伏兵。前走1000万クラスを勝ったばかりで、50㎏の軽ハンデを貰っていたものの馬券下手の俺ではとても手を出せない格下馬。しきりにこの馬のことを推している。最初ハッキリとこの馬の名を出さず、「ちょっぴり季節外れの馬だけどぉ・・・」なんて似合わぬお茶目なフレーズを満面のドヤ顔でのたまう始末!不気味!その一方で一番人気のグルヴェイグを徹底批判。「一銭もいらない」らしい。人気薄から入るならとりあえず押さえたい馬ではあるが、さすが男・講釈、押さえにもしない模様。そしてレース。道中最後方の位置取りのクリスマスキャロルに諦めムードの講釈だったが、何と直線大外からグイグイ伸びてくる。講釈狂乱。そして2番手まで突っ込んできたところでゴール。お見事講釈・・・って1着グルヴェイグだったよ(笑)。もう絵にかいたような展開、講釈憤死。
これでツキを逃したか憐れ講釈、結局最終レースも全外れに終わった。それにしてもこのレースはよほど口惜しかったと見えて、最終レース終わった後でもまだ”クリスマス・・・”って単語が聞こえてきたよ。本当に文字に起こす気にもならないようなくだらない馬券論を飽くことなくしゃべり続ける男だ。何故に笑顔。
実は俺も何度か奴と目が合いしゃべりかけられそうになったが、そこは目をそらしグッと我慢。何故なら一言でも会話を交わしちまうと、さしもの俺もここでキチガイと連呼できないもん。俺だって最低限の良心は残っているよ、会話した人は晒せない。奴には触れぬのが流儀。
ということで今回も講釈さんと楽しい時を過ごした。ただ前回と違うところが一つ、講釈の野郎、何か全身に得も言われぬ哀愁を纏ってやがる。まるで残り少ない渋谷での日々を慈しんでいるかの如く・・・。
そうこの男、この夏転勤で東京を離れるとの噂が駆け巡っている。真実かガセか、高度な情報戦Wが展開されつつある。あくまで一般人なので転勤先の町の名を明記するのは避けよう。中国地方最大の都市、世界で初めて原子力爆弾が投下された悲しみの町とだけ言っておこう。明記してるか。どうせ自分で大声で吹聴してたんだろう、さしずめ歩く個人情報露出狂。
悲しみの町に2度目の黒い雨が降る
かの町の衆はさぞかし戦々恐々としていることだろう。だが2度にわたりこの怪人を目の当たりにした俺が断言しよう、講釈さんは黒い雨なんか降らせない。降らせるのは札束の雨だけだW。
それにしてもこれほどの大物(BIG NAME)が大東京から箱根を越え西国へ進撃してくるのは、幕末期の二次にわたる長州征伐以来ではないだろうか。その時は時代の趨勢からか幕府軍は結局敗退と相成ったが、果たして講釈、中国地方の馬券界を制圧となるのか。
講釈よ待っとるけん、覚悟してきいや!!!
突如この町の代弁者になったが、正味の話、俺この町に縁もゆかりもないし、どうでもええワ(笑)
さらば講釈・・・今年の夏はまだ始まったばかりだ。
講釈夏物語 (完)
「買ってれば三連単、一点で獲れてたよぉ~」
声の主の方へ目をやる・・・・・・もはや説明すべくもないだろうが、あえて叫ばしてもらう。
講釈だ!!!
とうとう姿を現しやがったW、威風堂々、圧倒的存在感。自販機そばの定番のモニターと違うモニターで観戦してやがったようだ。ウインズ内を我が物顔で闊歩、いや徘徊か。脳内に流れ出すKING CRIMSONの退廃の調べ。(俺流)講釈登場のテーマ也。
21ST CENTURY SCHIZOID MAN (21世紀の精神異常者) (KING CRIMSON / 1969年)
今まさに俺の眼前にいる、肉眼ではっきりと確認できる。何が幻獣W、何が天使W、単なる地黒のオッサンじゃねえか、こんなスレッジ風味の濃厚フェイスのエンジェルいるかよ(笑) 今日はヘンテコなバッグまで持ってやがり何やらミステリアス・ムード!
「これ200倍はついてるよぉ、悪ぃけど」 何が悪いのかさっぱり理解できないが、しきりに語尾に”悪ぃけど”をつける。文法的には全く不可解なのだが、講釈の口から放たれると何かしらいわくありげにも感じるから不思議だ。嘘、訳わからん。 「函館のタイム最近は落ち着いてきたけど、ちょっと前までキチガイみたいな時計連発だったよぉ、悪ぃけど」 公衆の面前でキチガイがキチガイって言うなやW。
それにしてもこの怪人、何でこんなくだらない発言をこんなに屈託のない笑顔で楽しそうに話すのか。うるさいが見ていて嫌な感じはしない。むしろ清涼感さえ漂う。ここに来る前までは少々荒んでいた俺の気持ちもいくぶん癒され澄み渡る。お前、人間セラピードッグかよ。これは俺が生講釈(卑猥な響き!)に接する機会が少なく、ある種のプレミア感を味わっているからかもしれない。生講釈をまだ見ぬ地方の好きものマニヤにとっては垂涎の状況だろう。でもウインズ渋谷がホームグラウンドで、毎度この濃厚獣が目に入ってくる連中にとっては少々ウザくも感じる(でも憎めない)存在かもしれない。本日はこの男、馬券は不調のようで少しおとなしかった。(結果を先に言うと、特別~最終レースまでの時間を共有したが一度も当らなかった様子。人心を惑わさんばかりのかのマジカルフレーズ”いただきぃいただきぃ”は今日は結局いただけなかったよW、残念。)だがそれでもやはり不機嫌になったり当たり散らしたりする姿は見られず、噂に聞いていたダーク・サイド・オブ・講釈はついぞ姿を現さなかった。偉い!コーちゃん。
この日はGⅠ安田記念と宝塚記念の間に挟まれた谷間の週で、既に夏競馬の趣。重賞は函館スプリントS(GⅢ)とマーメイドS(GⅢ)。メインレースの時間となりようやく奴のテンションも上がり始める。函館スプリントSでは、単勝1.3倍の大本命馬だったロードカナロアを「馬券から外れることはないが頭までは危ない」との見解を披露。何とその思惑どおりロードカナロア2着に敗退。意外と鋭い予想しやがる・・・が3着に単勝200倍を超える最低人気ビスカヤに突っ込まれ万事休す。さしもの世界の講釈もこの馬までは拾えなかったようだ。レース後は「ビスカヤがビスカヤが」と勝ち馬のことなどガン無視で執拗なビスカヤ批判を展開。 「ビスカヤァ、こんなのサンドイッチでも獲れないよぉ」 とわめく。”サンドイッチ”とは講釈が自在に操る摩訶不思議な馬券秘技の一つで、人気馬の間に穴馬を挟み込むという高等テクニックらしい。御丁寧にも周りの客に講釈していたよ。まあ秘技といっても誰でも思いつく方法だけどW!
-続く-
さしもの俺もうかつに足を踏み入れることをためらう、不穏なグルーヴ渦巻く魔窟・ウインズ渋谷地下1階。
さっそく渦中の男、世界の講釈を探すがそれらしき怪人は見当たらない。真打ちはそうそう簡単にはお目にかかれないのか。それならばまずは単なるちっぽけな前座にすぎないタオルの野郎でも拝見しようかと目標物を変更するもあの野郎もいねえよ 一体どうなっとるんじゃ。
週末ヒロインどころか週末キチガイにも会えないとなると一体俺は何のために大東京まで出てきたと云うのか!! (仕事のためでした)
ここであらためて怪人タオルを紹介すると、眼鏡+小太りという典型的オタク仕様のオーラ皆無の奇妙漢で、ゴール直前のハッチャキぶりは世界の講釈をも凌駕するほどだった。しかしなんかコクや深みのない怪人で、ただただわめきちらすだけの趣もワビサビもあったもんじゃない男。音楽に例えればハードコア・パンク!初期衝動のみで突き動かされているような瞬発力系キチガイといった風情。(ハードコア・パンク批判ではないよ)
でももし十代二十代の血気盛んな世代のハードコア馬券野郎にとってはむしろこのタオルの方が琴線に触れるかもしれない。まあそれ以前に「やかましい」とぶっとばされたりしてW!!
講釈もタオルも未だ姿を見せない。3か月前とは比べものにならないほど競馬自体に対する熱が冷めている自分にとって手持無沙汰の時間が続く。ふと一つの疑念が脳裏をよぎる。
講釈って本当に実在の人物なのか・・・・・・・・
人は大人になるにつれ、捨てていくものがある。常識や世間体、見栄、名誉、羞恥心・・・といったものにとらわれていくうちに、幼少期には誰もがなしえた、純粋な本能ままの心の叫びの吐露を自然と胸の中にしまいこんでしまっているのではないだろうか。
誰もが少年の心のままにアホのような買い目を恥ずかしげもなく吹聴したい!
誰もが幼児の心のままにクソのような馬券理論を講釈しまくりたい!
誰もが人間がまだ4足歩行だった時代の心のままにウインズ内を徘徊しゴールの瞬間イタダキイタダキィと奇声を放ちたい!
講釈、それは大人たちの心の奥底に残った一かけらの”少年の心”が生み出した架空の怪物、空想の幻獣じゃないのか!
はたまた天が大人たちに”幼児の心”を忘れるなと遣わした天使(ANGEL BABY)じゃないのか!
いささか感傷が過ぎたか、我に返り東スポに目を落とす。福島の9R辺りが終わったようだ。
その時おもむろに耳に飛び込んでくる忘れようのない奇声!鼓膜を通り越して脳細胞に直接浸透してこんばかりの粘着質の響き。
「あ~あ、このレース買ってたら三連単1点で獲れてたよぉ、買ってないけどぉ」
”買ってたら1点で獲れた” 競馬ファンなら誰でも1度くらいは経験したことのあろう、でもみっともなくて声には出せないようなことを、どうしようもない奇声で恥ずかしげもなく言い放つ男!
声の主は見なくてもわかる(笑) 祭りの始まりだ。
-続く-
やりきれない思いを胸にNHKホールを後にする。人気沸騰期のAKB48へのアンチテーゼから生まれた”今会えるアイドル”というフレーズが今や自らへの皮肉とも思える程成長してしまったももクロ。
しかし渋谷には”今会えるキチガイ”を標榜するあの男がいる!標榜してないか。(199話・200話参照)
NHKホールからウインズ渋谷へは渋谷駅をはさんで徒歩20分程の距離。
♪ YES YES WE'RE THE きちがいクローバー 講釈 タオル➚ テンガ 下っ端 ユキチャン ♪
なんて鼻歌を歌いながら向かうと(俺こそキチガイかよ)あっという間に到着。3カ月ぶり2度目の潜入となる。いくら”世界の講釈”といえども冷静に考えると単なる一般人Wなわけだが、あの独特の風貌、奇声、行動様式、そして何よりも奴から醸し出される奇怪なグルーヴ・・・来てさえすれば100%見紛うことはない。
講釈の実際の姿を知っている人にとっては野暮だろうが、その姿を知らぬ衆の為に少々のヒントを与えよう。俺の稚拙な文章ではとても描ききれない講釈さんの生々しき魅力を伝える力添えになるだろう。
この怪人、黙ってさえいればどこか知性すら感じさせる容貌をしている。まあ1分すら黙っていることないけど!ある種日本人離れしたエキゾチックな風貌でもある。南方系・ラテン系・ヒスパニック系・キチガイ系・・・といった人種群の化合物といった風情。件の掲示板では、ある者はデレク・ジーター氏を、またある者はターメル・スレッジ氏を引き合いに出し講釈のその姿を形容した。
野球に関しては中日ドラゴンズの選手以外はさっぱり疎い自分にとって、名前ぐらいは聞いたことのある両氏ではあったが、その姿までは知らなかった。そこで両雄の姿を調べてみて驚愕。まさしくアメリカン講釈じゃねえかよ!(講釈の方が基準か)
デレク・ジーター MLBを代表するスーパースター選手。ニューヨーク・ヤンキース一筋の内野手で攻走守とも一流の名選手。かの松井秀喜とも同僚だった時代もある。そのスター性から”ニューヨークの貴公子”の異名をほしいままにすると云う。一方講釈さんは”渋谷の奇行師”といったところだが!
このような記述があった。
”ウインズのフロアで出走を待っているときに、よくフロアの観客と話をしている姿が見られる。以前に取り巻き陣から集中力の妨げになるとたしなめられたこともあったが、「観客たちとレースを楽しみたいんだ。自分には集中力に関する問題はない」と自分のスタイルを貫きとおしている。”
やはり講釈じゃねえかよW
ターメル・スレッジ 日本球界では日本ハム~横浜で活躍。今シーズンから日ハムに復帰も先日負傷で帰国す。成績なんかどうでも良い。そんなことより・・・単なる講釈じゃねえかW。天然パーマの具合も絶妙に講釈チックで極めてファンキー。気に入った!
ということで俺流のレシピ(?)では、ジーター30%にスレッジ70%を加え、そこにキチガイパウダーをパラパラっと振りかけると、はい講釈さん出来あがりって感じか。
ウインズ渋谷、暗黒の地下1階フロア。吸い込まれるように降りて行く。さあ2度目の講釈に挑む。
-続く-
午後3時前に再びウインズ渋谷に挑む。例え講釈がいなくても自分の馬券勝負もあるし。本日は皐月賞へのステップレースの中でも最重要な弥生賞も行われる。時間的にはメインレースに近づいており、先ほどよりも客の数は相当増えている。もう見つけることは無理だと諦めて馬券勝負に集中することにした。
その刹那、目の前をビビビと凄まじい電波を放っている男が横切った。一言も声も発していないし、一瞬横切っただけで人ごみの中に消えた。それなのに異常に気にかかる奴だ。グルーヴが出ているとしか表現できない。
どこから出てきたのか再び俺の前を横切る。どこかへ向かっていたのかと思いきや動物園のクマの如く落ち着きなく徘徊している様子。一時もジッとしていない。そして独特の奇声を出し始めた。「オースミスパーク単騎逃げあるよぉ~。これ残ったら高配当だよぉ~」と妙に耳に残る奇怪な声で周りの人に”講釈”し始めた。限りなく独り言に近い。何故なら徘徊しながら言っているんやから。しかも俺の本命とカブっている始末。
こいつが講釈か?まだ確信は持てない。何故なら長年競馬をやっていると、この種の怪人は各地の競馬場やウインズでは珍しくない。ただやはり目の前のこの男は突き抜けている。この男に照準を合わせレースを待つ。
そうこうするうちに阪神10R・大坂城Sが発走した。講釈と思しき怪人の、そして俺の本命でもある⑦オースミスパークは予想通り軽快に逃げる。結構な穴馬で直線で馬群に沈む可能性が高かったが、大方の予想に反して粘りに粘る。目の前の怪人はもう凄いテンションでもはや何を言っているのかもわからん始末(笑)。圧倒的にキチガイ。もうこの辺りで99%講釈だと確信していたが、無事オースミスパークが3着に粘り込んでゴールした瞬間放たれる神憑りの絶叫、「②④⑦、イタダキィ、イタダキィ!」
講釈だ!!!
もう本日に限っては馬券などどうでも良い。後はただ講釈の世界を味わい尽くした。さすがに2ちゃんねるで話題になるだけの怪人だけあって、周りを見渡すと比較的若い連中は講釈が騒ぎ出すと皆笑いを噛み殺して見守っている。笑いを我慢して背中が震えている衆もいた。講釈ウォッチャーか。実際スレッドを見ると”講釈を見るためだけに上京”したという剛の者も出る始末。
一方で古くからの馬券オヤジ、翁どもは完全に呆れ果てている様子。しかし何か絶滅危惧種の珍獣を見守るような、ある種優しげな眼差しを向けているようにも感じた。そう、講釈は精神年齢が幼稚園児くらいのまま大人になったような男、ピーターパンを絵に書いたような存在だ。だからといって言い方は悪いが知能障害者といった類でもない。2ちゃんねるの連中も言っているのだが、そういった人ならさらし者にしたりはしない。あくまで一般人の範疇で限りなく”紙一重”のグルーヴを放出する講釈に皆引きつけられるのだろう。
一人の翁だけは講釈に完全に頭にきている様子だった。馬券も不調だったようだ。典型的な江戸っ子気質の頑固爺といった風情で、講釈が騒ぐたびに「うるせい、この野郎、馬鹿野郎」と極度に貧困なボキャブラリーを駆使して悪態をつく。あからさまに講釈に向かって牙を剥くので、さしもの講釈も気づく。普通の人なら、少し大人しくなったり、そんな翁から離れたりするものだが、何と講釈は「そんなこと言わないでよぉ~」と悪びれずその爺に近づいて行った。喧嘩を売っているような感じではなく、本当に馬券の当らぬ可哀そうな翁にアドバイスをしてやろうという雰囲気。本人は全く悪気はないのだろうが「そんな馬券買ってるからダメなんだよぅ」と翁の感情を逆撫でするような発言を連発するから始末に負えない。翁はまた激怒し「向う行け、この野郎、馬鹿野郎」と凄まじく貧困なボキャブラリーで応酬。もちろん講釈はしつこくこの馬を買えだの、あんな馬買ってるから外れるだの”講釈”を続け翁の元を離れない。いい加減翁がヒートアップしたところで、パドックにお目当ての馬が写ると「マカニビスティー仕上がってるぅ」と翁ほったらかして無邪気にモニターに駆け寄る。まさに行動が幼児。すでに翁のことは忘れ去っている有様。
そんなこんなで1時間程講釈と楽しい時間を共有したが、もうお腹一杯。何となく人気があるのもうなずける気がした。この日は馬券が好調の様子で終始ハイテンションだったが、外れても「勘弁してよぉ~」と叫ぶばかりで、周りに当たり散らしたり悪態をついたりはしないらしい。俺の見立てでは”どこか高貴な家の出身のキチガイ”といった風情だ。(褒めている) お腹一杯でウインズ渋谷を後にしたものの、すぐにまた講釈を見たくなった。正直もっと凄まじいキチガイはなんぼでもいる。しかしここまでポジティヴで心が洗われるような陽性のキチガイは知らない。(褒めている) 上京することがあればまた見たいものだ。どんなスターになっても週末にウインズ渋谷に行けば会える。まさに週末ヒロインもとい週末キチガイ也。
-続く-
さて研修はあっという間に終了し、いよいよ第2の聖地へ向う。
聖地② ウインズ渋谷
何故この地が聖地なのかは少々説明が必要だろう。
「競馬場・ウインズにいる目が離せない変な人」なる怪スレッドが2ちゃんねるの競馬板に存在する。タイトルは時代によって変化してきたが競馬板の創世期から存在する老舗スレッドだ。文字通り全国各地の競馬場等に出没する奇人変人群の目撃報告のスレッドだが、時代によってやはり激烈なオーラを放つウルトラ怪人がトピック化してきた。この歴史あるスレッドでここ半年ほど全国の注目を一人でほしいままにするスーパースターが存在する。その名も”講釈”。ウインズ渋谷に出没すると云う。ある者は親愛の情をこめてコーちゃんと呼び、またある者は畏敬の念をこめて講様と崇め奉る。その怪人の行動様式や何故講釈と呼ばれているかは前述のスレッドを読んでもらえば詳しいが、とにかくキチガイ男には違いなさそうだ。しかし今までのキチガイ群と決定的に異なっているのは、講釈氏が皆から愛されているキチガイだということ。いわば陽性のキチガイ、正義のキチガイ、いやキチガイ界のスターか。(褒めている)
この男をどうしても見たかった。目撃情報によるこの男の特徴を列記すると、
・ 不気味に狂気じみたギョロ目
・ 服装はそこそこのものを着ているが似合っていない
・ イケ面ならぬグロ面、目が合うと吸い込まれそう
・ 馬券を取ると”イタダキィ、イタダキィ”と奇声
・ BOSSの缶コーヒーを哀愁十分に飲んでいた
等の抽象的なものばかり。
少し前までは、”味の時計台(札幌ラーメン店)の紙袋を必ず持っている”というズバリの特徴があったようだが、破れたらしく最近は持っていないとのこと。
こんな雲を掴むようなスペック情報のみで、1000万都市の大東京で一人の一般人を探し出すのは可能なのか。しかも情報によると毎週ウインズ渋谷に現れる訳でもなく、”今日はいなかった”という報告も時々ある。それにしても”いなかった”という報告をわざわざされるってどんだけスターやねん。でも来てさえすれば何となくわかるような気がしていた。
ウインズ渋谷は渋谷駅から徒歩10分程の少し離れたところにある。広末涼子の歌ではないが、”渋谷はちょっと苦手”な俺だが、意を決して乗り込む。こんな大都会のど真ん中で、何故講釈氏のような絶滅危惧種の怪人が棲息できるのかも興味の一つだ。
講釈は広大なウインズ渋谷でも地下1階フロアに出没するらしい。このフロアは500円単位の発売で比較的すいている。もしやブルジョアと思うが、毎回100円フロアで馬券を買っては戻ってきているらしい(笑)。午後2時前に到着した。ワンフロアは意外に狭く、また競馬ファン離れも甚だしい昨今、ざっと見渡したところ200人程度の客しかいない。その中から”電波”を発信している輩はいないか観察するが、これといった奴はいない。強いて言えばサンボマスターのボーカルみたいな華のない男が少々奇怪なオーラ(独り言や奇声)を放っている程度。(後日この男も”タオル”なる有名なキチガイであることが判明)
今日は来ていないのかと諦め、いったん飯を喰いにウインズ渋谷を去る。やはりそう簡単に一般人を見つけることはできないのか。
-続く-
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