2011年02月25日

本澤二郎の「日本の風景」(703)

<日本病は深刻> 昨日のことだが、運動のあと風呂で汗を流していると、周囲のお年寄りの会話が飛び込んできた。正に日本病といえる深刻な現象についてだった。大声で話しているものだから、聞き耳を立てる必要もなかった。彼らは東京・下町商工会の面々だ。「友人と約束していたが、遅れてきたのでどうしてかと尋ねると、電車が遅れたという。東京駅で人身事故があったため」が、会話の始まりだった。これまで東京駅での自殺を聞いたことがなかった。



<列車飛びこみ自殺> 悲しい辛い事故である。確かに、列車に飛び込む自殺者が増えてきている。統計を取っているのだろうが、多すぎて公表できないものか。それとも筆者が知らないものか。
 リビアの人たちのこと、ニュージーランドの地震被害も気になって仕方がないが、身近な悲劇に人はより深刻な気分にさせられる。それも東京駅で、となると、なんとも象徴的で他人事と思えずにひどく悲しい。
 自殺へと追い込んだ原因は何だろうか。想像をたくましくしなくてもわかる。貧困が根源にあるに違いない。むろん精神を病んでいる市民・サラリーマンは多い。子供さえも。誰をも自殺へと駆り立てる要因が潜んでいる日本社会になってしまっている。
 会社から突然、明日から来なくていい、といわれる若者・中年は多いと聞く。次なる働く場所がない。どうするか。絶望の淵に追いやられると、人間ははかなくも弱い。自暴自棄になって自殺するのかも。病んだ社会なのだ。
<劣化する市民社会> 最近、気になることの一つに宗教がある。宗教と政治の関係もある。日本に限らない。国際的である。人々を救済することに政治には限界がある。政治的救済を得られない弱い人間が、宗教に飛び込んでゆくかもしれない。そこに飛び込める人間はまだ幸せかもしれない。

 アジアには無数の寺院がある。観光地の主役である。欧米も同じだ。どこにいっても寺院・教会だらけの世界である。いつも通る商店街の横道に、実に他愛ない石に彫った地蔵が置かれている。そこに両手を合わせる市民が目に止まるのだ。老人に限らない。
 崩壊する資本主義に比例して、劣化する市民社会と関係がないだろうか。格差社会で排除された側の病・悩みを抱える被害者の止まり木なのか。祈っても仕方ないのだろうが、それでも両手を合わせている。人間はとことん追い詰められると、何かにすがりつこうとする。落伍者が放置される社会では、宗教がそれなりの役割を果たすのであろう。それにしても東京駅での自殺は、宗教にも寄りかかろうとしなかった弱者の無念が伝わってくる。
 本来、政治はそこに光を当てるものだが、不幸にしてそんな政党・政治家はいないかのようだ。
<孤立する地域社会> 下町おじさんらの会話は、だんだんと現状を掘り下げるのだ。「昔は向こう三軒両隣、お互い支え合って生きてきた。物がなければ貸したり、借りたり。身の上話を話したり、聞いたりした。それが今はない」という。人情の無い社会に変質してしまったというのは、その通りだろう。
 特にマンション住人がそうだ。隣近所との交流は絶無と言っていいくらいだ。悩みを打ち明け、聞いてくれる仲間がいない。第一、玄関に表札がない。誰が住んでいるかもわからなくなっている。
 個人情報保護法などというおかしな法律は、悪しき人物・団体が身を隠すのに便利だが、平凡な一般人には有害でさえある。
 下町おじさんは「話し相手がいない人たちが多すぎる。悩みを独り占めにする、陰にこもってしまいこんで自ら行き場を閉ざしている。特に男に多い。その点、女性の方が強い」という。これも納得出来る話だ。
 孤立する人間・地域・職場なのだろう。相手をへこませて自分だけ生き残ろうとする人間ばかりだ。思いやりのない人間社会だ。その典型が政治家である。官僚である。奉仕・公僕の観念がまるでない。国が、地方が破綻しているというのに、自分たちは豚のように太って恥じない。
 武器弾薬生産する財閥もそうだ。国に金がないのに、それでいてわずかな血税をふんだくって人殺し兵器を製造してぼろ儲けしている。どうして、こんな日本人がいるのか。5年先の日本はどうなる?見当もつかないというのに。
 問題の根源である霞が関を征伐する風が吹いてくるだろうか?
<テレビ界はPANASONIC効果?> 電通が2月23日に2010年の国内の広告費を公表した。電通といえば、マスコミを牛耳っている広告媒体である。独禁法に抵触しているのだが、政府と一体で行動する電通だから最も安全運航している、正に戦前にはなかった財閥企業である。
 ここが水面下で政府と一体となって始動すると、マスコミの真実報道はゆがんで、ある一定の方向へと突っ走るだろう。たとえば、現在財閥が推進しているTPPとか消費税増税など菅内閣の方針がそうである。
 普天間報道も同様である。小沢叩きも、である。世論誘導は政府と電通の共犯で成立する。悪しき日本の一面である。多数国民がこの事実を共有できれば、電通の犯罪的暴走はなくなるだろう。
 その電通が、この大不況だというのにテレビ向け広告が6年ぶりにプラスに転じたと公表したのである。ちなみにインターネットは9・6%増、新聞は5・1%減、ラジオ5・2%減、雑誌9・6%減、テレビ1・1%増ということになる。
 筆者はテレビ広告の増加原因はPANASONICだと見ている。違うだろうか。菅内閣の黒幕が松下政経塾である。政経塾批判を全てこれによって封じ込めているのであろう。
 ともかく、テレビ広告を占拠したようなPANASONIC広告の氾濫は、どうみても異常である。国家権力を掌握した最初の財閥なのだから。財閥の意思を反映する菅内閣の政策に民衆が賛同することはない。
 今日2月25日は春一番。強い南風が関東に吹きまくった。気温も20度近い。4月下旬の暖かさだ。しかし、国民の心は冷え込んだままである。
2011年2月25日16時35分記


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